「右から左へ。」さんのページ

総レビュー数: 52レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年10月09日


最初のほうは独特な雰囲気を醸し出す絵と、不良であると同時に個性ある設定の登場人物が、今までのギャグ漫画にはない、渋い味わいを出していた。初めのほうはかなり笑わせてもらったし(4巻の樹海編はかなり面白かった。)、暇をつぶすには最適の作品であった。

しかし、途中からマンネリ化がひどくなり、次のページの展開が予測できる漫画となってしまった。もちろん、ギャグ漫画はマンネリ化を防ぐことが難しいジャンルだ。なぜ、5巻程度でまとめた作品としなかったのだろうか。

原因は編集部の延命措置にあるとしか考えられないが、適当な作者を演じている野中英次(彼は自らも戯画化したものとして演出している。)が、例えば「昼寝をたっぷりしたくなったから連載はやめにします。」とかなんなり理由をつけて、もう少しコンパクトに自らの作品に幕を閉じていたとしたら、そのこと自体彼の漫画を特徴づける結果となったはずである。

それゆえ、惜しい漫画ではあるのだ。前半部だけならギャグ漫画としては異例の高得点がつくだろう。後半部のだらだらさえなければ・・・以上より良質の漫画、6点という評価とした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-10-10 19:26:31] [修正:2008-10-10 19:26:31] [このレビューのURL]

6点 ONE OUTS

[ネタバレあり]


このサイトでの、空前の高評価野球漫画であったため、手に取ってみた。

なるほど、既存の野球漫画へのアンチテーゼとして描いたと帯コメントで作者が述べるように、他の根性もの野球漫画への違和感を集積したような漫画であった。

まず、第一に他のレビュアーの書くように、絶対的強者である主人公がいる。主人公は言葉や独特の理論で打者を翻弄する。これを面白いと思うかどうかは、この作者の持つクセのあるセリフ回しや、構図をどう受け止めるかであろう。

たしかに主人公が小賢しいという意見があり、最もな意見であると思う。しかし、それではこの漫画の表層を読んだにすぎない。作者は意図的にそう描いたのではないだろうか。小賢しい主人公をあえて描くことで、既存の野球漫画が備えている、努力と根性だけで何とか勝利を重ねていくという姿を「分かりやすく」批判しようとしたのではないだろうか。

ではなぜ6点としたか。

それは後半に進むにつれて、序盤の勢いがなくなっていったように思われたからだ。上記のように小賢しい主人公は問題ではないと私は考えるが、後半からあまりに話がぶっ飛びはじめる。特に主人公がボコボコに打たれた後の展開は強引さを感じた。作品自体強引と言われればそれまでだが・・・個人的に彩川オーナーとやりあうところまでが一番面白かった。

また、セリフ回しや構図がパターンの似ているものが多く、それに対して単調さを感じた。

以上より、たしかに斬新な漫画であることは認めるが、佳作にとどまる漫画ではないだろうか。もちろん、この漫画は好みの分かれる漫画であることは間違いない。嫌いな人も多そうだ。だが、エンターテイメントとしてさくっと楽しむ。それがこの漫画を楽しく読むスタイルではないだろうか。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-10-09 23:43:40] [修正:2008-10-09 23:43:40] [このレビューのURL]

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