「右から左へ。」さんのページ

総レビュー数: 52レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年10月09日


何だかんだで最後まで読んでしまった作品。

キャラクターの個性が光る漫画。またその活かし方がいい。戦闘や日常などのコミカルなやりとりが面白い。後半になるにつれて主人公の存在感が希薄になったのが残念ではあるが、それは他の登場人物が充実していることの裏返しでもある。登場人物の充実度は見事であった。

インフレは仕方ないとしても、ひどいマンネリ化によって途中から読むことがしんどくなった。

10巻程度でまとめておけば、もっと評価は高かったと思われる。絵で受け付けない人も多くいるとは思うが、キャラクターの個性をどう考えるかという深さも案外あったりする。基本的には軽く読み流してしまうのだろうけど。評価が低いのが気になった。低年齢向けのギャグ漫画としては、エンターテイメント性を備えた可もなく不可もない漫画だと思う。5点。

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[投稿:2008-10-21 19:44:27] [修正:2008-10-21 19:44:27] [このレビューのURL]


他のレビュアーが、大体のことをすでに書ききっている感がある。だけども、小中学校で必ずといっていいほど置いてある本であり、私自身かなり読んだ。もっとも今となっては、印象的なシーンのみが残っているわけであるが。ゆえに、思想的な面から考えてみたいと思う。

私はこの本が必ずと言っていいほど小中学校の図書室におかれている背後に、日教組の関与があるのではないかと思っている。なぜ左翼的な本ばかりが図書室に置かれているのだろうか。もし、左翼的な本を図書室に置くのであれば、右翼的な本も置かれてしかるべきであるはずだ。決して中山元国交相のように日教組のすべてが悪だと断言するつもりはない。しかし、幼少の頃にこの漫画を何度も読むことは、いい面もあると思うが、負の側面も大きいと思われる。

本題に戻る。

この本の感想を端的に述べると、左翼的思想の中でも暴論的なものの助長の一翼を担っているのではないかと思われた。もちろん、米国による原爆投下を受け、まさに生き地獄を味わった張本人である方々が、平和を切に願い、戦争に反対するのは当然の感情と言える。

だが、その実、この漫画で訴えられている反米的な思想を持った登場人物たちの言動や、廃墟と化した広島の町並み、時に犯罪行為ですら厭わない登場人物。被害者の側にたつ作者が描くこのような現実には、そもそもの戦争の事実認識自体に由来する偏向がみられるのではないか。当然ながら、歴史関連の本で真に中道であることは難しい。また、当時の悲惨な状況の中で、そのような行為に走らざろうえなかったという事実もあるだろう。作者にも、できうる限り現実に即して描こうという気概はあっただろうが、当時の惨状を目にして、被害者側の偏向が加わることは避けられなかったことと思われた。そのことを読者である、小中学生が判断しながら読み進められるかどうか。

被害者側からの(米国から見れば被害者は自分自身だと言いたくもなるだろうが)、一面的なアプローチだということを認識しつつ読めるようになるまで、この本は読むべきではないだろう。そういった戦争への思想の根源に関わる本を、小中学校の図書室に置くことは悪影響も大きいのではないか。そう感じた。また、もしこのような本を図書室に置くのであれば、戦争の相手国からの視点や、右翼的な思想を含んだ書籍も置くべきだ。

作品として点数をつけることもおかしい部類の漫画だとは思うが、楽しく読めるように配慮はされていた。歴史認識の本としては欠陥を抱えている。しかしながら、歴史認識についての議論の喚起を促したという点で、可もなく不可もなく。右翼、左翼を問わずに自己の判断を持って読むという前提の上で、一読はおすすめしたい。原爆の悲惨さだけはまぎれもない事実なのであるから。5点。

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[投稿:2008-10-21 13:39:41] [修正:2008-10-21 19:24:38] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]


ちょっと昼ドラな香りのする、ひぐらし祟殺し編。ちなみに私は真相を暴こうと考えながら読んでいない。ご了承のほどを。また、鬼隠し編、綿流し編は読了済み。

相も変わらず序盤を読み進めるのがきつい。平和な村の演出なのはわかるんだけども、あまりに現実感のない田舎の描写が見ていてしんどい。序盤は、ただただがんばって読み進めてほしい。

中盤、話は急展開する。叔父の登場で、沙都子がかわいそうなほどいじめられ始める。ここから昼ドラ劇場のはじまりはじまり。あんなことやこんなことを沙都子がされながらも必死に耐える。見ててかわいそうなはず、なんだがここもあまりに演出臭くて感情移入がなぜかできない。だが、そこは正義感あふれる主人公。沙都子のために色々なアクションを起こす。

終盤、話はさらに迷走、もとい怒涛の展開を見せる。詳細を述べると、これから読む人がつまらなくなるので割愛する。とにかくここを楽しめないと、全体が楽しめなくなるとだけは言っておこう。壮大なスケール。

全体として、うーん。って感じだった。鬼隠し編のが話としてまとまっていたから読みやすかったなと。こういうのも悪くないんだろうけど、やってくれるのは昼ドラだけで十分。この作品にこういうこというのは無粋とは思うが、もうちょっとリアリティを出してくれと。そう思った。エンターテイメント性はあるが、何回も楽しんで読める漫画では無いかな。可もなく不可もなく。5点。

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[投稿:2008-10-21 08:19:49] [修正:2008-10-21 08:19:49] [このレビューのURL]


ブック・○フで見かけたので読んでみた。藤田和日郎の漫画は読んだことがないので、初期の頃の短編集かと思って読んでいたのだが、最近の作品だと知ってびっくり。

どこかで見たような話なんだが、温かみのある内容。いい話なんだが、既視感のせいか、のめり込むことはない。他のレビュアーも述べているように、熱くはないかな。

あとこの話が青年誌に掲載されていたってことにもびっくり。少年誌だったら、もっと評価が高くてもおかしくはないような作品。だが、買って何回も読み返すほど熱中する漫画ではない。立ち読みして正解だった。マーガレットがかわいかったこともあって、可もなく不可もなく。5点。

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[投稿:2008-10-16 20:47:29] [修正:2008-10-16 20:47:29] [このレビューのURL]

5点 GANTZ


20巻まで読了。最後のほうは何とか読んだ。

独特の世界観。わけのわからない状況下での戦闘。敵のイカレ具合がいい。どこにでもいそうな脇役も描けている。青年誌ってことで、派手な戦闘、エロいシーンがうまく描けていると思う。

だけど、物足りなかった。いや、物足りなくなってきた。

戦闘の演出も、同じような戦闘ばかりで段々と飽きてきた。敵は面白いんだけど、戦闘自体はつまらない。あと問題は主人公。徐々に人間的に成長していく主人公なのだが、世界観と同様に、どこか現実感に乏しい。独自の世界観はいいんだけども。素直に成長しすぎなのだ。初めのほうの主人公のほうが理解しやすかったし、もっと青年誌らしくドロっと描いてほしかった。クールでスタイリッシュな漫画だから、作風にあわなかったのかもしれないが。主人公にイマイチ共感が持てない。脇役のほうが、いい味を出していたと思う。それに加えて、伏線の垂れ流し。他のレビュアーも述べているように、風呂敷の広げすぎだと思う。そのことにより、戦闘に緊張感がなくなってきた。

敵と世界観がいいのにもったいない漫画。巻末のコメントを見る限りだと、作者はエロと敵を描きたかったのかな。詳しく見てないからよくわからないけど。とにかく途中から読むのがえらくしんどかった。序盤の破壊力はどんどん薄まっていった。段々と退屈な漫画に。24巻まで出ているらしいから、常に驚きの戦闘を求めるのは酷かもしれないが。序盤10巻ぐらいまでなら8点なのになぁ。

二度読みなおそうとは思わない漫画。だが、このままの作風でも一定の読者は得続けるとは思うし、読まれ続ける漫画であると思う。独特の雰囲気が青年誌の購読者の求めるものに合っているから。問題は大風呂敷をどう畳むか。すっきりまとめて終わることがもし可能であれば、また評価も変わってくると思う。とりあえず、現時点ではエンターテイメントとして、可もなく不可もなく。5点。

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[投稿:2008-10-15 22:56:47] [修正:2008-10-15 22:56:47] [このレビューのURL]

5点 LIAR GAME

[ネタバレあり]


ある種の一発芸的な面白さの漫画。

発想はいいと思う。ネタも毎回手が込んでるし、作者の発想力に万歳、って感じ。個人的には少数決の話が一番面白かったかな。こういうネタをぽんぽん思いつくのは、ONE OUTSから続くこの人ぐらいではないだろうか。

しかし、限界もある。ネタはいいんだけど、悲喜こもごもな登場人物の掘り下げ方が、いま一つである。もっと登場人物の狂気を見せてほしかった。

負けると即終了って感じのゲームだから、ジャンプみたいに結局は勝利が用意されているっていうことも、妙な安心感があってマイナス要素。もっと勝負の世界はシビアなはず。

人生を賭けた勝負の中で、一番勝利に対する思いが薄そうな主人公が勝つっていうのが、何と言うか、それが作者の既存の勝負師を扱う漫画に対するアンチな気持ちがこめられたメッセージなのかもしれないけれど、作品自体の濃度を薄めている気がする。

全体的に、読みこむ要素が薄いかなって言うのが、冒頭の文章の真意。一発ネタでおぉーって感心する。その振幅が大きければ楽しめると思う。その振幅が確保できないと、へぇーで終わる漫画。エンターテイメントとしてはそこそこ楽しめると思うが、夢中になって読みふけるほどでもない。ONE OUTSの評価との兼ね合いもあって、可もなく不可もない漫画、5点の評価とした。

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[投稿:2008-10-15 19:32:27] [修正:2008-10-15 19:32:27] [このレビューのURL]


受験勉強漫画というジャンルも珍しい。自分が受験生の頃に流行していた。三流高校から東大に入るなんて胡散臭いと思いつつも、パラパラと読んでいた。絵がダメで読む気にならない、という人もいるけど、これぐらい読めないと、面白い作品をいっぱい見逃すことになるんじゃないかな。

独自の受験メソッドはタメになるものもあると思う。ただ当然このとおりやれば東大に受かるかと言われれば、無理だろう。だが、学歴という歴然たる社会的なステイタスを、甘やかすことなく描いたことは称賛したい。学歴なんか関係ないという人には見てもらいたい漫画。大学を出て企業に入ろうと思う人なら、下調べの段階ですでに感じる学歴による格差。実体験が絡んでくるからやや感情的になってしまう点もあるが。

しかし、受験生でない人がこの漫画を読んで面白いと感じるかどうか。エンターテイメント風にして人間ドラマも盛り込んでいるけど、それが面白くない。結局は受験生向雑学的受験テクニック養成講座といった感じ。だが、これを読むよりかは和田秀樹の本を読んだほうが早いし、役に立つことも多いかと。

今まで取り扱うことのなかったジャンルを開拓した漫画として、可もなく不可もない漫画、5点とした。

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[投稿:2008-10-14 16:45:33] [修正:2008-10-14 16:45:33] [このレビューのURL]


カルト的な人気を博したアニメが原作。原作の流れを踏襲しながらも、若干ストーリーに差異が見受けられる。アニメ版のエッセンスを詰め込みながらも、わかりやすくストーリーを描こうとしている姿勢が感じられた。アニメも全話視聴済み。

主人公の、父親や境遇との葛藤、友人との学校生活、登場人物の過去、使徒と呼ばれる敵との戦闘など、描かれているテーマは、他のレビュアーの述べているように、王道漫画ということができる。

しかし、アニメ版もそうであるのだが、年月を経て読み返してみると(たしかアニメ版をはじめて見たのは中学生の頃)、そこまで面白く感じることができなかった。もう少しさらっと描けそうなものをドロっと、暗い雰囲気で描いているせいか、読んでいて鬱のようになってしまうからだ。全体として鬱へ鬱へと引きずり込んでいくような展開となっている。

もちろん、その描き方が評価を得ているのであろうし、思春期の少年少女が誰しも持っているであろう、微妙で複雑な感情を描くには、もってこいの手法ということもできるだろう。読者に考えさせるようなものがあることも事実である。

だが、この意図的とも言える暗い雰囲気の漫画を、思春期を越えて、青年や壮年となる人たちが読んで面白いと感じられるかは疑問である。さらに、敵である使徒の位置づけが中途半端な感じも受けた。原作であるアニメを見た際は特撮映画を見ているような気分になり、戦闘だけで楽しめたのだが、漫画版では戦闘があまり見ていて面白くなかった。また、使徒がなぜ襲ってくるかわからないのも、話の醍醐味でもあるはずなのだが、あまりに謎が謎を呼ぶ展開となっているため、読者の私は取り残された感があった。

総じて見れば、戦闘、心理描写メインのこの漫画。王道漫画の要素を備えており、読めるには読める。だが、意図して暗い雰囲気で描かれるストーリーに、最後まで没入することができなかった。また、雰囲気はわかるものの、これまた意図して難解なセリフや用語によってわかりづらいストーリー。思春期の頃に見た頃と評価もだいぶ変わったであろうが、20歳の今読んだ評価として、可もなく不可もない漫画、5点とした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-10-11 12:45:28] [修正:2008-10-11 12:45:28] [このレビューのURL]