「ムキッキー」さんのページ

総レビュー数: 216レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年05月18日

[ネタバレあり]

多くの方が、鬱漫画と聞いて怖いものみたさで手を出して
やっぱり鬱になって二度と読みたくないと思うか、
残酷だけど惹かれる童話のような吸引力にやられて繰り返し読んでしまうか、
非常に評価が二分する作品であると思いますが、私には面白い作品でした。

小学生から中学生へと成長する多感な時期の少女を主人公に据え
凄まじいまでにその運命を蹂躙する。凄まじい漫画でした。
主人公の無邪気さや明るさが徐々に失われていく様がリアルで。
暴力的表現の直接描写を控えめにしている分、精神的に結構きます。
また、全編通して不気味な竜の子のデザインは秀逸でした。

主人公のシイナが鶴丸丈夫を「鶴丸」と呼ぶのは
年上のお兄さんに対して名字を呼び捨てにしているので面白いですね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-01-06 03:26:04] [修正:2008-01-06 03:26:04] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

原作は未読であり、連載終了してから読みました。
戦争とファンタジーは両方ともコテコテのイメージが強く
なかなか手が出せないのですが、いやー面白かったです。

新城直衛をはじめとする癖のあるキャラクターが良いですね。
戦争ものが苦手でも、登場人物が魅力的なので読んでいくうち
いつの間にかストーリーにも入り込んでいけました。
独特の台詞回しがまさに「許容も無く慈悲も無くの世界観」を
ガツッと表現しています。

特筆すべきは画力で、人物の描き分けが非常にしっかりされている。
とりわけ主人公「新城直衛」の外見など、一度見ると
インパクトが強くてなかなか忘れられない。動物の絵も上手い。

また、人物の表情が豊かで面白い。癖のある表情などは特に。
主人公の新城が決断を迫られるたび、自己嫌悪に陥ったり
煙草を咥えながら義姉を想い悶々とするさまなどが何とも良いのです。

原作未読だと、世界観や用語に慣れるのに時間かかりそうなのと
導術兵の存在にちょっと疑問を感じなくもないですが。
読み返しが必要な漫画ではあるなと。

諸事情により打ち切りと聞きましたが、綺麗に終わっている方だと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-01-06 01:47:59] [修正:2008-01-06 01:47:59] [このレビューのURL]