「friendstudio」さんのページ

総レビュー数: 17レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年11月09日

友人曰く「ギャグマンガを根底から変えた」一品だそうで。
さぁ、どう書いたものか。
・・・というほど、紹介が難しいマンガです。もう初期設定とかストーリーとかを書くにはアホらしすぎる作品なのでもうここでは触れませんが(笑)、とりあえず、リクツとかほっといてギャグに突っ走っている作品です。最初の数話を除けばほとんど短編で、「何―――!!」ってくらい短く感じるほど(笑)一コマ一コマにギャグが凝縮されていて、テンポも悪くありません。この、「何―――!!」がギャグの根底のようで、様は、「なぜ!」「どうして!」を自然に叫びたくなるような理不尽極まりない行動、言動、そしてそれの持つ圧倒的なパワーがこの作品の原動力になっています。その「パワー」が本当に凄い!誰も突っ込む間もなくどんどん引っ張り込んでいき、ついてけないほどの爆裂的なエネルギーが、読者の理性を吹っ飛ばしてひたすらに笑わせてくれているような気がします(「さばの味噌煮!」で死ぬかと思った(笑))。その「針が振り切れたテンションの維持」が、なかなかけっこう上手く行っているので、数巻読んでもその衰えの無さには驚かされました(まぁ、でもやっぱりセクシーコマンドーの設定が消滅する4〜5巻あたりから陰り始めるけど・・・)。
なぜか、なぜかなのですが、このマンガの一番の凄い所は、ギャグが「わざとらしくなってない」ところかなぁと感じたり。どんなに上手いギャグマンガでも、どこか「あ〜、笑わそうとしてるなぁ・・・」だとか「気を吐いてるな・・・」とか思ってしまう瞬間はあるものですけど、このマンガは、少なくとも3〜4巻くらいまでは発生しない!(笑)。ヘンな例えだけど、登場人物が一丸になってマサルさんの大ボケを御輿上げていってるような感じ。「わっしょいわっしょい
」が聞こえてきそうな(笑)、ある意味でのお祭り騒ぎ的な、マンガ?
う〜〜〜む・・・、本当にこのマンガは紹介しづらい・・・(笑)
とりあえず、万人にウケるギャグではないと思うので、そこはご注意を。ヤミつきになる人と極端に嫌う人が居そうだなぁ。僕はどっちでもなかったけれども。とはいえなかなか面白かったです。この支離滅裂なレビューに、あと一言だけ書くとすれば、 あ の 最 終 回 は ダ メ だ と 思 っ た 。 

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-11-19 21:03:15] [修正:2006-11-19 21:03:15] [このレビューのURL]

悪夢のような内容だった(笑)イノ○ンスの所見から一年。ようやく原作を読む機会を得ました。複数のエピソードからなる本作の舞台は2029年の日本。ネットやサイボーグ、AIやテロリズムから発生する様々な犯罪を防衛する「攻殻機動隊」の活躍を描いた作品です。
まず、こーれは完全に誤解していたのですが、結構エンターテイメントに仕上がっていたのは驚きました(笑)ヤッパリイジョウナノハイxセンスダケデスネワハハ!!やっぱり難解な舞台設定(というか、無理矢理こんがらがせようとしている作り方にも感じたり・・・)や場面転換などは頭の悪い僕には(笑)ついてけない部分も多かったので、そこは勿論マイナスですが、それでも意外な黒幕や緊張感あるアクションシーン、時折挟まれるギャグ(というよりユーモア、かな?)も面白く、エンターテイメントであるマンガとしては十分成立していました。ドラマチックな息の詰まる展開はなかなか捻られていて、様々な意味での「近未来」を現実に即した形で上手く描き出されていたと思います。
驚いたのは、このマンガの初版は1991年、連載開始は1989年だったこと!現在では一般的なネットワーク、情報化社会、人工樹脂やAIなどなどの多くの設定は今読んでもまったく色褪せていません。この筆者の先見性の高さは高く評価できるのではないかと。この作品で取り上げている多くの問題は、決して今では過去のものとなったものではありません。素子やバトーたちが遭遇する、現代社会、あるいは「このまま進んだ先の未来」が引き起こしかねない事件、事故には、15年前から発せられていた作者の警告とメッセージが込められていました。決して架空のSF設定として無視されてはならないほどの世界観の完成度の高さはもちろん、決して「設定厨」にならずにある程度消化できていた点も「おー、いいじゃん!」なんて思えたりしました。
今はもうこの作品は「古典」と呼ばれてるのかな。読む前に抱いていた「15年前の\"オタクたち\"が好きだったマンガの最前線」って偏見はあながち間違ってはいなかったけど、それでも・・・。「オターな人がぎゅんぎゅん反応しそうなマニアックなメカや舞台設定」と「情報化、ハイテク化の波に飲み込まれていく現代人へ、静かに語りかける『人間という存在』へのメッセージ」というテーマの両立(後者が弱めなのは否めないけど)。「ああ、きっとこの奥の深さが15年たった今でもファンを離さないんだろうなぁ。」とジンワリ思えたりもしました。僕は「オターな人が反応しそうな・・・」には全く反応しない人種ですけどね・・・
エログロもぎゅんぎゅんなので万人にはオススメできませんが、まぁ、上の文章を読んで「おっ」と思った方は手に取っとかないと勿体無いかな。少なくとも、「俺これ大好きなんだよ!」って言ってたリアル友人には「良かったよ!」と笑顔でこの本を返却したいな。P146の部長さんのセリフにしみじみしました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-11-19 21:02:15] [修正:2006-11-19 21:02:15] [このレビューのURL]

自分の周りの人間にこのタイトルを話すと、読んだものは皆「あれはいいよ」と返し、「俺一晩中泣いた!」なんてヒトもいたり、なんだか自分の周りでは伝説化されていた作品でした・・・。で、あらすじ自体は文字にしてここに書いても、面白くもなんともない退屈な漫画なのですが(笑)とにかく表現力と演出が超一流!「ほ○のこえ」の元ネタはこれだったんですn(死)
設定自体は超B級甚だしく(笑)、第一巻の第二話、「はぁぁぁぁぁぁ!?」(読んだことがある方ならどのシーンか分かるはず)は、さすがに、あまりに、そりゃあないでしょ・・・。三巻くらいまでの緊張感のさっぱり無い、ひどく落差のあるストーリー展開はグダグダで、ここで読むのをやめちゃうひとが居ても仕方が無いかと・・・(腐りきったラブコメ臭的な書き方も、ちょっと・・・)。とはいえ、この作品の本当の展開は、地震で街が崩れてから。第五巻での、次々と息絶えていく\"大切なヒト\"のエピソードや、第六巻の逃避行、そして運命の最終巻へ、それぞれのエピソードはバラバラではあるのですが、それまでがウソだったかのような見事な珠玉の物語群となっています。
この作品の最大の特長は圧倒的な演出力。今まで漫画の演出の最高潮は巨人の星だと思っていたのですが(笑)この作品がぶっちぎりで抜き去りました。「ページをめくる」ということを意識した演出手法、文字を背景に流すモノローグ、手前がちゃんとボケてる映像的な描写・・・デジタル作画をフルに生かした、度肝を抜かれる大胆な演出には時に鳥肌さえ立ちます。しばらく読んでから「目次」が現れたり、四ページまるまる黒で塗りつぶしたりと、大変僕好みな(笑)ムチャクチャな演出から、単行本としての、そして一冊の本としての芸術性の高さを感じました。核のシナリオでは、物語の主人公である二人の距離自体を「世界」と捉え、それを思いっきり引き伸ばす手法を使ってます。もしかしてこの作品が元祖なのでは?それのために他の設定を漫画から徹底的に排除したためストーリー的にツッコミどころ満載にはなっていますが、これはこれでアリにも思えてしまうくらい、「二人のあいだ」という独特の世界観がきっちりしています(前半の巻より後半の巻のほうがカッチリしてて僕好みですが)
読破後、ネット上のレビューをぐるぐる回ったのですが、この作品を「反戦モノ」と捉えるのはちょっとどうかなぁとここで書いてみる。背景も設定も詳細も呈示されないまま、残虐で退廃的なシーンくらいしか書かれていない以上、この作品の戦争の捉え方はあくまで「二人を引き裂く恐怖や舞台」であるので、すなわちその程度にしかこの作品では戦争のことを考えてないのでは・・・?
各シーンの完成度の高さはさきほども書きましたが、あらすじ自体は最後の最後までまでグダっとしています。個人的にはあのシメ方はちょっと微妙ですたい。あ、あと最後に・・・この作品を読んでいると、なぜか映像的なインスピレーションを受けます。そっちに興味のある方は一度お読みあれ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-11-19 20:52:44] [修正:2006-11-19 20:52:44] [このレビューのURL]