「アメ」さんのページ

総レビュー数: 22レビュー(全て表示) 最終投稿: 2013年02月05日

6点 凍牌

[ネタバレあり]

 最初は良かった。闘牌もそれなりにリアルで、何より「氷のK」と呼ばれる主人公のクールさと相手を追いつめた時のゆがんだ笑顔が魅力的だった。
 また、簡単に人が殺され、ヒロインかと思われた女の子がアイスピックで悲惨な目に遭うような「痛さ」も魅力の一つだった。

 だが、途中からは闘牌がどんどん荒唐無稽になっていき、ヤクザの仕事にしては有り得ないようなスケールの話になっていく。痛さも、飽きられないためかどんどんエスカレートしていき、少し食傷する。
 前半7点、後半5点。

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[投稿:2013-02-08 22:04:48] [修正:2013-02-08 22:04:48] [このレビューのURL]

 主人公の女の子の顔が何ともリアル。美人でもなく不細工でもなく、本当にいそうな女の子。それをうまく表現していると思う。

 その女の子に引きずられて、おかしな肉体関係を続ける同級生もいい。嫉妬した野球部員の男を、丁寧かつ挑発的なセリフで愚弄するくだりは、あの年代のドロドロした部分をうまく表現していると思う。

 この作者はこういうのが本当にうまいと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-02-08 21:57:28] [修正:2013-02-08 21:57:28] [このレビューのURL]

 医療漫画として、最高峰ではないか。

 手術の描写もよいが、大学病院内での政治闘争の部分も熱い。
 医療漫画と政治や選挙が好きな人(なかなかピンポイントですが)は、絶対に楽しめる。

 悪役として出てくる教授が非常に魅力的。勧善懲悪にならなかったところもリアルで良かった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-02-08 21:52:54] [修正:2013-02-08 21:52:54] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

? 自分が医療ものが好きということもあるけど、これはなかなか高得点の漫画だと思う。

 麻酔科医という目立たないところに目をつけたのもいいし、何より麻酔科医の仕事がどういうものかよく描かれている。

 「あなたが手術を受けることになったら……」という想定で、手術室で施される作業(輸液のチューブをつなぐとか)を患者目線で描く回があり、「あー、麻酔科医ってこういうことしてるのか」と非常に勉強になった。みんなが知らない業務内容をきちんと分かりやすく伝えられている点で、まず○。

 お話は、そこまでシリアスではない感じ。人がバタバタ死んだり、大学病院の腐敗が描かれたりといった内容ではない。ただ、同僚麻酔科医のアル中疑惑など深刻な要素も徐々に出てきている。

 しかし、なぜか発刊ペースがすごく遅い。年に1回も出ない。
 作者もフロシキを広げすぎて大変、と言っているが、このままではきちんと完結するのか心配。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-02-08 21:48:51] [修正:2013-02-08 21:48:51] [このレビューのURL]

6点 COPPELION

 個人的には面白くて楽しめる。

最大のネックは、東日本大震災以後、我々が原発や放射能について、ある程度の知識を身に着けてしまったことか。被害の悲惨さを見聞きしているなか、バトルばかり続くこの漫画に、違和感を抱いてしまう可能性はあると思う。

リアリティーという面で、コミカル過ぎる各国首脳の描かれ方、天才科学者というだけで何でも作れてしまうような安易さも、難点と言える。科学的なつっこみも、入れようとすればいくらでも入れられると思う。

 ただ、廃虚としての東京に制服姿の女子高生を据えた、という設定自体は秀逸だと思う。基本的には倒した敵が味方になっていくようなバトル漫画で、放射能、原発という言葉から連想される社会的・政治的問題はあまり前面に出てこない。それぞれの少女の魅力を楽しむ気で読めば、楽しく読める作品だと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-02-06 21:09:47] [修正:2013-02-06 21:09:47] [このレビューのURL]

 ゾンビものとしても、最近っぽい鬱系漫画としても、冒険活劇としても中途半端な印象。

 ゾンビものとしては、ゾンビの怖さが足りず、追いつめられるパニック感が薄い。鬱系漫画としては、あんまり鬱じゃない。冒険活劇(作者はそんな気で描いていないかもしれないが)としては、爽快感が薄い。

 リアルに描かれた背景、半ゾンビ化した少女の見るシュールな風景、草食系男子が戦っていく構図など、今っぽい要素が盛りだくさんだが、なぜか全て作為的に見えてしまう。主人公や少女がいまいちリアルに感じられないからではないか。

もう少し内面に踏み込んで人間性を際立たせて欲しい。ただ逃げながらゾンビを倒していくというストーリーに鬱っぽい要素を足しただけでは、物語をドライブしていく力に欠けるように思う。

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[投稿:2013-02-06 21:05:57] [修正:2013-02-06 21:05:57] [このレビューのURL]

 戦闘機好きにはたまらない漫画。

登場する機体は多少古いが、東西(という言い方も古いが)陣営の様々な戦闘機が登場し、ドッグファイトを繰り広げてくれる。

機銃ばかりでミサイルをほとんど使わない点や、傭兵パイロットの雇用形態、モグラマシンのような奇天烈な兵器の登場など非現実的な点もあるが、そんなことは気にならないくらいワクワクさせられる。

エースコンバットのようなゲームが好きな人は、絶対に読んで損はないと思う。絵柄が少女漫画チックだが、内容は完全に戦場漫画なので問題ない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-02-06 21:01:47] [修正:2013-02-06 21:01:47] [このレビューのURL]

 最愛の妻を亡くしたことを題材にした作家魂には素直に頭が下がる。

ただ、残念だがあまり感情移入ができなかった。作者がモチーフと距離を取り切れていないというより、取り上げたエピソードの力が少し弱いと思う。

漫画ではないが、同様の状況で書かれた城山三郎の小説「そうか、もう君はいないのか」に比べると、胸に迫る切なさの面で差を感じた。好みの問題かもしれないが。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-02-06 20:49:58] [修正:2013-02-06 20:49:58] [このレビューのURL]

6点 惡の華

 ヒロインの仲村さんのSっぷりが、とても小気味よい作品。言葉遣い、表情、態度などがとにかく魅力的。

 反面、それに引きずられる主人公の春日は、ややステレオタイプで魅力が薄い。「中学生の自分」「ボードレールを読む自分」「世間から理解されない自分」「世の中は生きづらいと感じる自分」といういわゆる中二病設定は、もはや形式化していて逆にあざとさを感じさせてしまうのではないか。

 さえないはずの主人公が、簡単にクラスのヒロイン(仲村さんではない)に好意を持たれる点もリアリティーに欠け、もてない男のルサンチマンが裏返った選民意識という「若さゆえの恥ずかしさ、ほろ苦さ」みたいなものがうまく伝わってこない気がする。

 ただ、仲村さんの造形はやはり秀逸で、その魅力だけでも読み続けたい気になる。

 空疎になる気がするので、今後は変に文学的にならないことを期待したい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-02-06 20:28:23] [修正:2013-02-06 20:28:23] [このレビューのURL]

 全国民は小学校入学時、ある液体を注射される。液体には、0.1%の確率で時限的に効果を発揮する微少カプセルが入っており、「当たった人」は18?24歳までの間に突然死する。

 国民に死の恐怖を植え付け、生命の大切さを知らしめることで日々の生産性を向上させ、国家繁栄につなげる狙い。該当者には死亡24時間前にその事実が知らされ、それを伝える文書が「イキガミ」、主人公はその配達人だ。

 イキガミという設定自体がまず秀逸で、その点だけでも高く評価できると思う。

 死を目前にした人間ドラマが展開され、命とは何か、制度とはどうあるべきか、などを描くことにある程度成功している。

 ただ、残念なことに、途中からは、イキガミをもらった人間が残りの時間をどう過ごすか、といったバリエーションを見せられる展開が続くことになり、マンネリ化してしまった。

 主人公がイキガミ制度自体に疑問を感じたり、反体制派にはスパイが目を光らせていたりといった要素もあるので、その辺をさらにふくらませて、行き過ぎた管理社会によるディストピア像を詳しく構築できれば、重厚な作品になっていたのではないか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-02-06 20:18:43] [修正:2013-02-06 20:18:43] [このレビューのURL]

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