「ranky」さんのページ

総レビュー数: 25レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年05月05日

「神童」に続く、作者の音楽マンガ第二弾。
前作はピアノが題材でしたが、今作はオーケストラが題材です。
前作は一人の女の子を掘り下げた「音」を描いていましたが、
今作は複数の人のエピソードを集めて作り出される「音」を描いているという感じ。

指揮者の重要性、楽器マメ知識などが入っており、
オーケストラというもののおもしろさが伝わってきました。
そしてなにより、やっぱり音楽マンガはおもしろい。
音が出てくるときは、作中の登場人物と一緒にしびれます。
私は、この人は絵がうまいと思いますけどね。


「のだめ」「BECK」「ピアノの森」など、
音を表現した有名マンガが複数存在し、
一つのジャンルとして確立してしまった現在では、
新鮮さがなくなってしまった分、
作品を評価するためにはハンデになってしまったかなーというのは否めません。

ただし、音楽マンガのおもしろさには溢れてます。
コマ割の自由さや、読み手に自由な時間の流れ方などの
マンガという媒体の可能性が凝縮されています。
読後に満足感が得られるのは確かです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-06-26 06:04:30] [修正:2010-06-26 06:13:11] [このレビューのURL]

6点 モテキ

やっぱり俺はダメなんだという男性が
モテキを向かえて、どうなるという話。
私個人としては、
主人公と世代も考え方も非常に似た人間でして
非常におもしろく読めました、

この作品が、けっこう話題になっているのは、
時代性をうまく読み取って
うまく分析しているところが新しく納得感のあるものだったからだと思います。

「俺が悪い」
聞こえはいいですが、人間は社会の中で生きてこそ人間なわけで、
内観・内省ばかりしていてもしょうがない。
自分自身を評価する人間は、他人でも良いはず。
他人から評価をもらうためには、自分で断定せずに前に進まなければならない。
男女問わず、表面の仲良しだけではなく、
それが壊れてもよいという覚悟の上での一歩進んだ関係性。
ただ、それができずに自分自身が行う評価しか信じられずに前に進めない。
そんな時代性があるのかもしれません。


読みながら「なるほど」とは思いました。
そういう意味では面白いマンガだと思います。
ただ、夢中にはなれなかったというのが正直なところ。
それは、「なるほど」を感じさせるわかりやすさがある分だけ、
非常に客観性が強くなってしまい、感情移入ができなかったからかな思います。
そして、感情移入できなかったのは、
人間や社会なんて、「なるほど」と簡単に理解できるほど
単純じゃないからからかなと思ってます。

私も偉そうに時代を語ってみてますけどねー。
おあとがよろしいようで。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2010-06-26 05:36:51] [修正:2010-06-26 05:36:51] [このレビューのURL]