「chunya0816」さんのページ

私はこの作品を藤田和日郎《ワクチン》と位置付けている。

藤田和日郎という作者は、《エゴイスト》だ。
読者にガツンと言いたい事をストレートに訴える。
そのエゴが読者には響いたり、時には息苦しい時もある。

もちろんファンである私としても名作と謳われる“うしおととら”“からくりサーカス”を勧めたい。

しかし両作とも長編であるため、前述したエゴを受け入れる抗体が必要なのである。

そこで当作品スプリンガルド。
本作は短編であり、まるで1本の映画を見ているような感覚に陥る。

そこにはもちろん藤田節があるが、短くテンポもいいので息苦しく感じる間もなく読み終わる。


藤田ウイルスを受け入れる体が完成するのだ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-04-26 17:18:01] [修正:2011-04-26 17:18:01]