あらすじ
佐藤大輔著の同名小説『皇国の守護者』が原作。サーベルタイガー・天龍などファンタジー色強い戦争物。が、内容は既得権益を守る為に足を引っ張り合う権力者や決して一枚岩ではない軍隊など、非常に現実的(というか生臭い)でもある。時代設定としては十九世紀ごろ。蒸気機関が発明されてから約二十年が立つ。
【大協約】という人と龍が交わした契約が、世界秩序を為す世界。そこに存在する小国『皇国』と、その皇国に侵攻してきた世界最大の大国『帝国』との戦争が主な内容だが、そこに皇国内での覇権争いや経済問題、政治も絡めて描いてゆく。主人公は帝国との決戦に敗れた皇国が敗走する中、運悪く遅滞戦を命じられた皇国軍人・新城直衛。実験部隊でもある剣牙虎部隊を率い、新城は絶望的な戦線にその身を投じてゆく…。
皇国の守護者のレビュー
5点 booさん
主人公が戦争の天才のわりに、人間くさくとても魅力的なキャラになっている。また、上層部が無能だったり、味方が簡単に敗走する中で導術や剣牙虎を利用し敵軍と渡り合うのはとても熱くなる。そんな、良い部分を備えていながらいまひとつのめりこめなかった。一番の原因は絵が自分に合わなかったこと。それ自体は嫌いじゃあないのだけれど、戦争を描くとなったらもちょっとその重みが伝わるように描いて欲しい。また、導術もアイデアはとてもおもしろいのだが、それを使い切れていない味方にいらいらする。相手の位置が分かるって、どんだけ有利なんだ!っておもうんだけど・・・
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[投稿:2007-07-03 21:59:45] [修正:2007-07-03 21:59:45] [このレビューのURL]
8点 souldriverさん
この漫画の持ち味は、特殊な世界を舞台としているにもかかわらず鋭い現実感覚を持ったリアルな人間描写にある。
虚栄と自己嫌悪という二面性の葛藤と戦いながら敵とも戦う、そんなネクラな主人公・新城君の人間像がこれまでになく魅力的。
また戦闘時の緊張感や各人物の思考回路の表現が秀逸。
小説が原作だけにさすがに戦況の設定もバランスよく練られてて、八方塞がりな状況をギリギリ切り抜けていく様子が適度なスリルと爽快感を与えてくれる。
修羅場を潜る度にだんだん神経が麻痺していき、死に対して鈍感になっていく感じがよく表現されてるのも上手いなーと思った。
画力も高く、重要な場面での構図の大胆さには目を見張るものがある。
少し人を選ぶかもしれないけど、この迫力と緊張感に満ちた展開は一読の価値あり!今最も注目してる作品の一つ。
(07.10.11追記)
…とかなりの期待を寄せてたのに、急に連載が終わってしまったらしい…。まだまだこれからという感じだっただけにすごく残念。
どうやら原作者とのトラブルが原因らしいので、なんとか和解して再開されることを願ってます。
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[投稿:2007-06-21 14:47:31] [修正:2007-10-11 01:19:17] [このレビューのURL]
6点 DEIMOSさん
一冊一冊に重みのある漫画です。
「日本人としての誇りを取り戻せ」
そういう声が聞こえてきます。
なのに、単純なファンタジーor軍記モノと読んでしまうと、
「戦争としての魅力がわからない!」
「こんなの卑怯だ!戦争じゃない!」
とか言って、お門違いの非難が始まります。
これは戦争それ自身を描いてるのではなく、米国の傀儡に陥った日本人の回顧すべき幻影(笑)を魅せているのだと僕は解釈したので、十分に楽しんでいます。
でも、キャラクター配置に新鮮味が欠けるので、のめりこむほどではなかったのですが。
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[投稿:2007-02-18 01:57:11] [修正:2007-02-18 02:28:46] [このレビューのURL]
9点 natyuさん
戦争のリアルな戦術的な部分を書けている良い作品です。
評価の高い原作のおかげによるところも大きいでしょうが、とても緊迫感のある作品で面白いです!
竜やテレパシーのような要素が出てくるファンタジー的な設定ですが、戦闘は何よりも戦術的な展開のため、ファンタジーと言うよりも近代戦闘に近い感じです。
絵も上手いですし、キャラクターも皆、魅力的なので(主人公は本当に魅力的で、この主人公の存在だけでも読んでみる価値はあると思います)読み手を惹きつける要素は十分でしょう。
難点はやはり、戦術的なため、文字量が多く読みづらいという所ですが、個人的にはじっくり読んで感心したので、家でじっくり読むのがいいでしょう。
戦術シュミレーションゲームとかが好きな人はオススメだと思います。
ただパンダマンさんの意見にはなるほどと思ってしまいました。
それでもいい作品だと思いますし、これからも楽しみです。
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[投稿:2006-12-04 18:52:24] [修正:2006-12-04 18:54:21] [このレビューのURL]
4点 パンダマンさん
いや、これは漫画化しちゃってよかったのか疑問の作品。そんだけ原作に決定的は設定ミスがある
日露戦争の時代に、ファンタジー要素を加え、戦争の残酷さと戦術を楽しむ作品
味方側だけに超高性能レーダーと通信をかねた導術使いというのと、サーベルタイガーが部隊に加えられてる
決定的なミスを、うまく話で見えないように隠してる
この先はネタバレ。これを楽しみにしてる人も話がつまらなくなる恐れがある
いくら新城が優れた戦術家という演出してもミスが二つある
一つが導術使い
戦争は情報戦だ。相手の位置、ましてや状態までわかっちゃうのがどれだけ有利か
将棋で、自分は全部見えてるのに、相手はこっちの手が見えてない状態を想像すればいい。その圧倒的な有利性がわかると思う
2つ目が爆弾の存在。爆弾が現在でも圧倒的な殺傷力があるのは、だれでも知ってる
この二つを組み合わせれば、どんだけ有利か優秀な指揮官ならわかると思うんだけどな
戦争のエグさは出てるんだけど、方向性がやっぱり自分とは会わなかったし、正直、新城は優秀な指揮官というより、ひどいナルシストで仲間を無駄に死なせる指揮官としか写らなく、かなりイライラしてしまった
漫画家さんはがんばってるんだけどなぁ…
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[投稿:2006-12-02 00:29:37] [修正:2006-12-02 00:29:37] [このレビューのURL]
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