ドラえもんのレビュー
8点 フクポルさん
<所持歴:てんとう虫コミックス数巻。文庫版2冊(レビューにある2編)>
思えば、生活の至る所にドラえもんがいました。
これ程の国民的キャラクターを生み出した事だけでも凄いと思います。
今現在読んで、色々批判が出るもの分からんでもないですが、
それでも1つ2つは心に残る名場面・ストーリーはあるはず。
そういった話をピックアップした文庫版「○○編」がお勧め。
個人的には
「感動編」・・・「さようなら、ドラえもん」「帰ってきたドラえもん」他17編収録
「恋愛編」・・・「のび太の結婚前夜」他21編収録
が良いかと。
(上記はソフトカバーのコロコロ文庫。ハードカバーのデラックス文庫ではないです)
あと、ジャイアン・スネ夫・しずかちゃんという3人(組み合わせ)も何気に凄いです。
作者問わず、以降の作品で小学生トリオが出てくると、大抵この3人のタイプです。
体格の良い暴れん坊+小賢しいインテリ+みんなのアイドル
それでもこの3人を超えるキャラは居ないですね。
「ドラえもん」と共に、この3人のサブキャラを生み出したこの作品は、改めて凄い。
・・・あ、のび太忘れた。。。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2008-03-24 17:46:49] [修正:2010-02-07 21:30:42] [このレビューのURL]
10点 codyさん
アニメのドラえもんも面白かったですが、アニメしか知らない人はドラえもんの面白さの半分ほどしか味わえないと思っています。
ギャグから始まり、社会風刺・日常生活・冒険など様々な要素で構成されているので飽きることはないです。
秘密道具を悪用して失敗する話が多いですが、その分、ほかのメッセージを込めた作品が引き立っています。
よくのび太はドラえもん(と道具)に依存しているという話を聞くし、アメリカだか欧米では結構悪いイメージがあるらしいです。ジャイアンも映画との差が激しいことが取り上げられているようです。
でも、そういう人には、「とりあえず全巻読め。話はそれからだ」と声を大にして言いたい。
様々なところでのび太の葛藤や自立を描いており、その描写を引き立てるための道具であるとボクは思っている。
ジャイアンは確かにのび太をいじめていることが大半ではあるが、隣町のガキ大将からのび太たちを守り、一緒に遊び、一緒に冒険するジャイアンも描かれていることを忘れないでほしいです。
話し出すと終わらないのでここらへんにしておきますが、F先生のSFワールドとその教訓の奥深さをさらに多くの人に知ってもらいたいです。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2009-09-01 18:56:44] [修正:2009-09-01 18:56:44] [このレビューのURL]
9点 ほげさん
まず最初に驚かされるのは、藤子・F・不二雄のキャラクターを創造する能力の高さにである。誰もが印象的に残るデザイン。本作の主人公・ドラえもんのあいらしい姿は、ディズニーのミッキーマウスやくまのプーさんなどにも劣らない。記憶され、かつ愛され、人口に膾炙するキャラクター「ドラえもん」を生み出したこと自体で既に本作の力量が発揮されてしまっているといってもいい。
それに加えて、「ドラえもん」が持つ特性に、「22世紀の未来からやって来た」、「未来の道具を使用できる」ネコ型ロボットというものがある。そして、作者が得意とする、この子供のファンタジーの具現化としての「ドラえもん」は、「22世紀」という全く予知できない時代であるがゆえに、本来は魔法のようなものであるはずの道具を、「こんなことがあったらいいな」と思わせるにたるほどの、説得力を持たせているといえるだろう。
一体、藤子・F・不二雄という漫画家は、子供漫画ばかり描いてきたと自称しているように、確かに子供漫画が多いのだが、一方ではSF漫画も描いている。ほんの小品が多いものの、どこかで説得力を持たせる根拠を備えている。『ドラえもん』も実は、その流れを汲んでいるのであって、そこにSF漫画には見られない普遍性(つまりは子供漫画の普遍性)とがあいまって、『ドラえもん』ができている、ということになっている。よくでてくる「タイムマシン」という究極の道具も、常に整合性を保たせていて、過去に行ってのび太たちがいたずらして変えられた過去は、常に現在でも調整されている。そこが漫画では落ちになっているのだけれども、『ドラえもん』が、子供漫画ではありながら、SF漫画の性質を失ってはいないことを、示すものだろう。
このように、子供の持っているファンタジーを具現化するものとして作られた、戦後最大の子供漫画である『ドラえもん』は、魔法のようでありながら、「22世紀」という可能性に満ち満ちた、そのために根拠のある「道具」を使う「ドラえもん」を主人公に据えることによって、SF漫画としてのジャンル分けを果たしている。そうでありながら、のび太が「ドラえもん」の使う道具で悪さをした時には、「ドラえもん」や、時には「神の手」が、きちんとお灸を据えるという、教育漫画的ジャンルを備えている。そうした藤子のマジックが完全に確立したものとして、『ドラえもん』は素晴らしい傑作だということができるだろう。こんな漫画は、そう出てくるものではない。無二の漫画だ。それだけに、藤子の急逝が惜しまれてならないのは、他のレビュアー諸氏と同意見である。
惜しむらくは、子供が率先して読めるが、大人が率先して読めるものにはなりにくかった、ということである。これが藤子と私淑した漫画家・手塚との違いか。だがそれは、藤子の欠点ではなく、子供漫画ばかりを描こうとした藤子の価値観なのだから、仕方のないことだ。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2005-09-22 20:21:06] [修正:2005-09-22 20:21:06] [このレビューのURL]
10点 わたなべさん
言わずと知れた名作ですね。
のび太を批判する人は多いけど、ちゃんとのび太がズルをするときには失敗し真面目にやるときは報われていることを知ってほしい。
たまに読み返すと懐かしい気持ちになれる作品。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2015-07-16 23:07:29] [修正:2015-07-16 23:07:29] [このレビューのURL]
8点 左手さん
「年齢に合わせた優しい漫画」
ドラえもんについて勘違いをしている方が多いです。絵が話ごとにコロコロ変わるやひみつ道具の効果が被っているなど、作品全体を通してみると不完全な部分が多いと思っているでしょうが、違います。
ドラえもんをwikipediaで調べてください。掲載誌はコロコロコミックだけではないのです。小学館の児童向け雑誌にそれぞれ載っているのです。小学○年生、てれびくん、よいこ、幼稚園、サンデー、そしてコロコロコミックに載っていました。
それゆえに、似た道具や絵も違うのです。
考えてみてください。月刊のコロコロコミックだけで45巻もの作品量を出せません。
以前、レビューを書いた大人なSFがある「藤子F不二雄SF短編集」でF氏は漫画のアイディアがバーゲンセールするほどある、ようなことを私は言いました。
ここでドラえもんを良く見て下さい。絵と文字の対象年齢が話ごとに少しづつ異なります。
・コマ割り…コマが縦に入る数が違う。
・背景、構図…対象年齢が高いほど書き込んでいる(全体的に暗い絵)
・のび太の性格…これも対象年齢が高いほどかっこいい、男らしい。
以上の違いについて方法論的(構成や台詞などの作品の作り方から評価すること)に読むと、流石F氏!すごい!とうならざるを得なません。
一番好きな回は「オーバーオーバー」と「ボールにのって」です。オチが素晴らしい。
もし、ドラえもんを子供だましの読み物だと思っている人は、もう一度作品の巧みさを楽しんでみてはいかがでしょうか。
<全巻所持>
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-06-23 09:24:37] [修正:2011-06-23 09:24:37] [このレビューのURL]
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