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7.56点(レビュー数:16人)

作者岩明均

巻数1巻 (完結)

連載誌ヤングチャンピオン:1999年~ / 講談社

更新時刻 2012-08-21 12:48:52

あらすじ 岩明均の時代劇!!
『雪の峠』
関ヶ原の戦い後、出羽国に移封された佐竹家。新しい城を築くための場所をめぐり、近習頭・渋江内膳の提案に重臣たちが異を唱えた。その裏には、関ヶ原で東西どちらにつくかを判断した時からの確執があった・・・。
『剣の舞』
剣豪・疋田文五郎のもとを訪れた一人の少女。剣の修業を申し入れてきた彼女の目的は、自らの村や家族を蹂躙した侍たちへの、仇討ちであった。短期間ながら上達した少女は、ついに実戦の舞台に立つのだった・・・。

備考 『雪の峠』は1999年に「モーニング新マグナム増刊」にて、『剣の舞』は2000年に「ヤングチャンピオン」にて連載された。

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雪の峠・剣の舞のレビュー

点数別:
6件~ 10件を表示/全16 件

8点 cheBさん

買って得した巻のある一冊。2編入ってますがどちらも面白かった。
雪の峠は深い話で、いかにも漫画通好みな感じがします。
派手さはないけど、キャラ造形が見事で話の展開も岩明先生の
物語作りの技が効きまくります。
個人的には武闘派に心情的に味方したくなるが、それじゃ駄目なんだ
という頭脳派の考えも良く判る。

剣の舞は女の私には物悲しくて心に残るストーリーでした。
「もう少しはっぴーえんどでもいいじゃんか(涙)」と思いつつも
シンプルな復讐ストーリーに剣道スポーツ話を絶妙に絡めてくる
所が岩明先生ぽい。でも絵的にはあまりスポーツ系向いてないのか、な?
と思う部分もありました(笑)


ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-02-18 19:48:14] [修正:2012-02-18 19:48:14] [このレビューのURL]

7点 メンテさん

 両方とも完成度の高い漫画でした。
 順に述べますとまず「雪の峠」
 ほとんど戦わない時代劇物。みんながみんなキャラが立っていたので読みごたえもありました。秋田市ができたのもあの寝足りない人のおかげですね。
 最後に「峠に還りとうござる」はやっぱ武闘派の人からしてみれば戦えた昔のほうがいいのかなと。映画「仁義なき戦い」のようでした。
 私は基本、漫画は実写よりアニメ化してほしいと思うのですが、これは実写化してほしいと思いました。それぐらい人物に人間味があるのでしょうか。あの峠に還りたい武将は高橋英樹でお願いします。
 次に「剣の舞」
 これは正直言ってそんなにいい作品ってわけでもありませんでした。でもなんだかんだである程度の水準は超えていますので「雪の峠」に比べると落ちるという感じでしょうか。できれば二つの話を少しリンクさせて欲しかったです。
 しかし岩明均は絵がうまいのでは、と思わせるコマもあります。主人公の女の子が家族の死体を発見して金の入った袋を落とす所、また師匠?が敵陣でズバンズバン斬って後ろを振り向くシーン。あの二人の表情はベテランだけあっていい絵だったと思います。
 けれどやっぱ口が変だったりするので、まあそれも良さの一つかもしれませんが、やはり絵はうまくないでしょう。
 それと女キャラに魅力がありますね。といっても雪の峠の寝足りない人の奥さんですが。あんな奥さんいたらサイコーです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-02-04 21:30:09] [修正:2012-02-04 21:30:09] [このレビューのURL]

8点 gundam22vさん

歴史を題材にした2短編の漫画です。
両編は別物のようで、戦国→太平の世という時代
の移り変わりを巡る人々という点では共通性があり、
それは現代にも通じる非常に良いテーマだと思います。

この作品の特筆すべき素晴らしさは題材が史実にそれなりに
忠実なのに(脚色もありますが、作者の勉強の深さが分かります)
、先が読めない・面白いという条件を充たしたマイナー
的分野(メジャー分野では知り過ぎているので薄れる)からのチョイスが絶妙であることです。

前者は佐竹氏が関が原敗北後から、現在の秋田市を作り上げた
人事、土地の革新が題材で、そこで繰り広げられる人間模様
、世代対立、知略戦が本当に面白いです。後者より話の深み
という点では上なのではないかと思います。
綺麗ごとではないまさに雪の峠を越えるような痛み、辛さが
が実感できるものでした。

後者はそれに比べると落ちますが、少女ハルナと疋田
文五朗(史上最強とも言われる師上泉よりはマイナーですが、
かなりの剣豪)の交流の面白さや、それが剣が兵道からスポーツ
化して行く過程が描かれる良い作りでした。

キャラ魅力はこちらの方が出せてたのではないかと思います。
疋田文五朗について興味を持ち色々調べたりしましたし。ラストが史実の名場面、文五朗の伝えられる言動にしっかり繋がる作り、過程、伏線になっています。ただ、こちらは作者の特性上動きある絵が苦手なのに、そういうシーンが多かったことが欠点を感じました。

両方の話が纏まっており、1巻作品では最高クラスに
面白い作品なのではないかと思います。読んでいない人には是非
おすすめです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-22 05:14:05] [修正:2011-01-22 05:14:05] [このレビューのURL]

8点 ITSUKIさん

「雪の峠」「剣の舞」どちらも面白かったですが、個人的には「雪の峠」の方が好きです。
佐竹氏の殿に若い家臣を信頼する様になりだし、高齢の家臣達がそれに危機感を覚え、築城の場所をめぐって争うといた内容で、刀の出てこない権力闘争的な内容であり、思わず息をのんでしまいました。
争いの決着のつき方が見事としかいいようがありませんでした。

やはり岩明均先生は表情が良いですね。この作品でいえば、背景や服装も比較的丁寧に描かれていてその点も良かったです。

「剣の舞」は侍によって犯され、家族を皆殺しにされた少女・ハルナの復讐のストーリーなのですが、
疋田文五郎と出会い、剣術指南を受ける中で成長していきます。
同時に、淡い恋心も描かれますが、最終的に伝えられたことは「戦の人に与えた傷跡」の様なモノではないでしょうか。
雪の峠と比べるとすっきりする結末でなかったのですが、作者の構成力は流石でした。
どちらも満足できた面白い作品だと思います、お薦めです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-28 23:38:24] [修正:2010-02-28 23:38:24] [このレビューのURL]

8点 red-eyesさん

かなりの良作。
短編『雪の峠』『剣の舞』2作品を収録。一応、歴史物。史実を大胆に改変している模様。

1.雪の峠

 ”戦”って何だろう、と考えさせられる作品。そういった意味では、現代にも通じる。

 時は、関が原の合戦後。佐竹家の都の決定につき、渋井内膳と梶原美濃守が攻防する、というお話。

 構成が秀逸。つい、一コマ一コマに意味があると思って読んでしまう。

 読後感としては、かなりのスッキリ。だが、このスッキリにだまされてはいけない、のではないか。『戦』って何だろうって考えさせられる作品。

2.剣の舞

 『無常』を楽しめる作品。

 時は戦国。農民の娘ハルナは、戦争に巻き込まれ、侍に連れ去られ犯され、家族を皆殺しにされる。その後、疋田文五郎に弟子入りし、侍に復讐する、というストーリー。

 ミクロな見方としては、ハルナの成長、ほろ苦い恋愛、復讐、という1人の人生を楽しめる

 マクロな見方としては、戦とは何か、時代の流れとは何か、そもそも人生ってなんなんだ、という点について考えてしまう作品。

 岩明作品らしく、構成はかなり入念に練られていて、一コマ一コマ良く練って描かれている。 良いキャラを作るというより、舞台の中に人を配置していくことによって構成していくという、この作者の手法を十分に楽しめる。

3.まとめ

 どちらも、かなりの良作です。短いからすぐ読めるし、買っても1巻なので、興味があれば読んでみてはいかがでしょう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-06 23:38:01] [修正:2009-12-06 23:38:01] [このレビューのURL]

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