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8点(レビュー数:34人)

作者田村由美

巻数35巻 (完結)

連載誌月刊flowers:2001年~ / 小学館

更新時刻 2010-12-19 06:50:18

あらすじ 人類が滅びた近未来、政府プロジェクトにより冷凍保存されていた若者達が目覚め、次々と押し寄せる絶望と困難に真っ向から挑む

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7SEEDSのレビュー

点数別:
26件~ 30件を表示/全34 件

10点 kogumataroさん

絵柄が少女漫画そのものということで抵抗があったけど文句なしにおもしろいです。絵柄の克服をさせてくれたということで10点!
出てくるキャラクター全てに深い背景と事情があるので読んでて飽きさせないベリーグッドな漫画
ただサバイバル的にはあんまりリアリティがないのでサバイバル漫画としてみるとやや違和感を感じるかもしれない。そういう先入観なしで作品の世界に没頭するのがよろしいかと

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-22 22:37:27] [修正:2010-09-22 22:37:27] [このレビューのURL]

8点 悪しく才さん

人類が滅びた後、「7SEEDSプロジェクト」によって冷凍保存された17歳前後の若者8人×5チームが甦り、サバイバルをする物語です。

17巻まで読了。

少女漫画ならではの「これでもかっ!!」と言う程の環境設定のレールをしいて、恋愛要素含む人間関係がフォーカスされています。


核シェルター、食料貯蔵シェルター、プロジェクトに沿った学校など、様々な角度から

「人類滅亡?その後」について【魅せる】【感じる】【考えさせる】作品だと思います。

中学校の図書館までなら置いてあってもいいのではないかと。

個人的には数少ない少女漫画で読める作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-04-08 14:29:14] [修正:2010-04-08 14:29:14] [このレビューのURL]

10点 ジブリ好き!さん

(2010年8月更新、【既刊18巻まで所持】)
先読み不可能、サバイバル漫画最高峰!
圧倒的なリアリティと面白さに驚嘆。完結を待つことなく自分の中で自信をもって満点を付けれる作品。

この作品から感じたこと。それは「アリとキリギリス」に対する反論、もしくはアンチテーゼのようなもの。
「アリとキリギリス」
食糧の集めやすい夏の間に、アリの集団は冬への備蓄のためせっせとひたすら働き、キリギリスはのんびりと音楽に興じる。そして冬が来て、備蓄のあるアリたちは生き延びることができるが、キリギリスは食糧を見つけられず、アリに頼んでも分けてもらえず、死んでしまう。そんなお話(地域により詳細は違うかもしれないが、大体こんな感じ)。

この話を読み聞かせた後、大人は決まって「アリさんが正しい。アリさんを見習って生きなさい」と言う。
確かにアリさんは正しい。
皆で分担して、生きるために必要なことだけを、計画的に機械的に行う。特にサバイバルという状況においては「アリさん」であることが求められるのだろう。だからこそ教師たちは、優秀な夏のAチームを作り上げた。アリさんの象徴のような夏のAを。理論的には何も間違ってないのかもしれない。(そのやり方は問題だらけだが)

では現実に、夏のAチームこそが正しく、理想的な人間像なのだろうか?
14巻で安吾とハルが言い争うシーン。
スポーツも音楽も、暇な人間のやることだ、必要ない、という安吾に対し、ハルは言う。
「じゃあどうして、戦時下でピアノを弾くのさ。絵を描きながら飢え死にするのさ。内戦のさなか、歌を歌うのさ。ボールを蹴るのさ。人として生きていくためじゃないか」

生きるためだけに生きるAチームは、人さえも簡単に殺してしまう。感染の疑いがあれば迷わず撃つ。邪魔になるなら迷わず構える。
彼らは生きるための「生き物」としては正しい。けど、きっと「人間」としては正しくない。
「人間」として正しい姿は、アリでもキリギリスでもない。

夏のAとBの姿は、比較すれば一目瞭然、アリとキリギリスそのものだ。Aがアリの象徴だとすれば、まぎれもなくBはキリギリスの象徴。貯蓄も船の管理もしっかり行わず、遊ぶBチーム。絶望的な世界でも、常に明るい夏のB。機械のように、生きるための活動だけをするAとは全く対照的だ。
夏のBの明るく元気で活き活きとした姿からは、ただアリのように機械的に働く日々からは得られない「人間らしさ」が感じられる。

「人間」として正しい姿、それはアリでもあり、キリギリスでもあることなのかもしれない。
だから、田村先生なら、「アリとキリギリス」をきっとこう子供たちに教えるだろう。
「アリさんは偉くない。アリさんはキリギリスさんと共に生きるべきだった。そうすればアリさんは、ただ働くことしか知らない日々の中で、楽しさを感じる方法をキリギリスさんから教えてもらえた。キリギリスさんは、アリさんに仕事を分けてもらって、生きることができた。お互いが成長できたんだよ。」
人間はアリでもキリギリスでもない。だからこそ、「共存」し、「成長」しあうことができるのだ。夏のチームは、AとBが共に手を取り合って初めて、人間として最高のチームになりえるのだろう。


この物語の主人公はナツだと信じている。嵐でも花でもなく、他の突出した長所をもった魅力的なキャラ達でもなく、暗くてダメダメなナツ。何故か?
死の世界で生きていくのに、アリのような優秀さも、キリギリスのような明るさもいらないから。
知らなければ教わればいい。一人でできなければ協力すればいい。
そう、これはナツの成長譚。「成長」を武器に、ナツでさえ、地獄のような世界で生きていく力を身につけてゆける。
そんなメッセージが込められた作品だと思うから、自分の中ではナツが主役なのだ。(もしくは、自分がナツ並にダメダメな人間だから震災後のような地獄の世界でも希望をもって生きられるようそう思いたいのかもしれないが…)


暗く残酷な話だけれど、どのチームも「人間らしく」生きようと成長していく姿が読んでいて非常に心地よい。秋だって成長できたのだから、夏Aもできるはず。田村先生曰く、ラストは考えてあるからいつでも終わらせられるとのことだが、いつまでもみていたいような、みんなで手を取り合って暮らすENDが早くみたいような…

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-03-12 22:12:47] [修正:2010-08-24 16:45:39] [このレビューのURL]

10点 ITSUKIさん

設定、ストーリー、キャラクター全て素晴らしいです。
問題を強いてあげるなら絵柄でしょうか。しかし、表紙で買うのをためらわずに読めば、2巻までには慣れてるでしょう。

内容としては、文明が崩壊した未来でのサバイバルものです。
これ以上は実際に読んで謎を明かされていった方が面白いと思うので伏せときます。
荒廃した未来の世界でも現代でも、「自分で考えて、自分で行動する」事の大切さは変わらないというのがうまいと思います。ハッとさせられました。

複数のチーム、時系列を章で分けて書かれるので飽きもきません。
またそれらの複数のチームを上手く絡ませる構成力の高さも凄い。
主人公も複数存在し、主に「ナツ」と「花」の二人が主人公として描かれています。
この二つのチームがいつ邂逅するのか、それが現在の大きな楽しみです。

ストーリーは全体の8割以上はシリアスです。シリアスですが、鬱という程の内容でもないかなぁと思います。
未来を生き抜いていく上でのキャラクター達の精神面の成長や、葛藤が多いです。
各キャラクターの心理描写が非常に上手く、さまざまなキャラに感情移入できるでしょう。

主人公の一人ナツがいる夏のBチームが出る時だけはコミカルな雰囲気となり、ずーっとシリアスな内容が続く中での癒しとなってます。ギャップがホントに凄い、特に16巻では顕著でした。
少女漫画という事もあり、恋愛要素もご多分にもれず存在します。
こんな時代にそんな事考えとる場合かー!と初めは読んでいて思ったのですが、もし自分が明日目覚めた時にこんな時代になっていたら、きっと大切な人の事を探すだろうしなぁ・・・という事で納得できました。

既刊17巻、という事で「長っ 今からなんて集められないよ?」と思われるかもしれませんが、個人的には全巻今から集めても絶対後悔しない名作になりうる作品だと思ってます。
今のところマイナスする要素が絵柄以外みつかりません。(その絵柄も今は決して悪くはないと思っています)

まだまだ完結は先になりそうですが…こんなに面白い長編は久しぶりに読みました。



2017.10 8→10
35巻で遂に完結。こんなに長くなるとは思わなかったけど、最後まで楽しませてくれてありがとう。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-02-28 23:32:53] [修正:2017-10-16 21:45:15] [このレビューのURL]

9点 bkさん

ストーリーの概要は、「未知の世界に放り出された8×5人のサバイバルストーリー」といったところ。

SF分も結構多く、科学考証等については、真偽のほどはわからないが、
本当っぽく思わせる描き方で、未知の生物なども違和感がない。
とはいえ、サバイバルのハナシではあるが、
基本は人間どうしのドラマであり、見るべき点はそちらだろう。

見せ方も上手い。
現実にサバイバルな状況に立たされたら、もっと取り乱したり争い合う人間ばかりなのかもしれないが、
そこはそれ、適度にドラマとしてのバランスを取っていると思う。
少女マンガなせいか非常に過酷な状況下でも恋愛を忘れていないのはまあ仕方がないのか。
別に登場人物全員が恋愛第一とかそういうわけでもないし、逆に言えば娯楽的なものもないから、
そういう意味でつながりを求めるのは自然ともいえるのかもしれない。

個人的に面白いと思うのが、各人の心理描写。
誰がどういう考えでどういう行動をするかが非常に濃密に描かれており、
それが時には良い方向へ、時には悪い方向へ互いの心に影響しあう。
そういうキャラの一挙手一投足に、見ている方もいろいろ考えさせられてしまう。
最初はモブキャラかと思っていた登場人物も、展開が進めばしっかりスポットライトがあたるのも良い。

絵は特徴的で、とっつきにくいかもしれない。
(自分は話にのめりこみすぎたせいか、特に変だとは思わないが。)
また、背景などは雑なところも多々ある。下手なのではなく、雑。
虫が襲ってくるシーンなどは逆にこの雑さがグロテスク度を緩和している。


毎話毎話が、非常に続きが気になる。
というか、どういうシナリオの終着点にするつもりなのか予測がつかない。
同作者の「BASARA」のように、最終目標があるわけでもなく
(あるとすれば恋人との再会か?しかしそれすら中間点に過ぎないような…)、
何をもってクライマックスとするのか、わからない。
結果的に悪事を行うキャラクターもいるが、その人物を“敵”として描いている風でもない。
最終的に「壁」になりそうなのは、ドクロマークの彼だが、果たして。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-03-24 17:14:19] [修正:2010-12-13 11:32:02] [このレビューのURL]

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