あらすじ
「人の命は平等に価値がない」
そう断言し、圧倒的な力を持つモン。
そしてモンに魅かれ力を望むトシの2人は特に意味もなく爆弾テロを起こし、一般市民を虐殺していく。
あまりにも生々しい虐殺シーンは被害者の「痛み」がそのまま伝わってくる。
やがてトシは警察に捕らえられる。
その後モンは完全武装し警察署を襲撃。
2人は人質を取ったものの警察署の周りは完全に包囲されている。
その状況で要求を聞かれたトシは3つの要求をする
1 人の命の重さと値段の国家の公式見解
2 人を殺してはいけない理由
3 世に棲む生けとし生けるものすべてが、自由に平和に、平等に、美しく、明るく、楽しく暮らせる幸福と善意と優しさと愛に満ちた世界
ザ・ワールド・イズ・マインのレビュー
10点 Timさん
強烈なメッセージ性を持つ物語。
生殺与奪は誰が持つ権利なのか。それを持つと神となるのか。
残酷な描写は多いし、絵もアクが強いが、それを上回るストーリー。
連載中は、毎週大きなショックを受けていたのを思い出す。
ただ最後は編集部の方針が変わったのか、急にまとめてしまった感があった(編集長が変わり、ヤングサンデーの看板漫画が次々と終了した時期)。
ヒグマドンの存在意義など、もう少しじっくりと描いてほしかったのが残念。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2008-05-04 07:20:51] [修正:2008-05-04 07:20:51] [このレビューのURL]
8点 電光石火さん
休みの日、半日かけて読破しました。
最終巻だけは少し評価できないけれど、それ以外はパーフェクト。
漫画のところどころにあるメッセージにチープさを感じないし、真剣に考えさせられるような内容。
トシの母のエピソードで一気に引き込まれた。後半のトシの父の演説も良かった。
全てのメッセージにわざとらしさがない。ただ語るだけなら誰でもできるけれど、作者は漫画の中でメッセージに込められたものを再現した上で語っているからだと思う。
残酷描写があるが、いろいろな漫画を読んでいると特に気にならない。他にもただ残酷なだけの漫画はいくらでもある。大量殺人というテーマを描くには必要不可欠でもある。現実にそういう残酷な殺され方をしている人もいるだろうし、この漫画は一つの大きな架空の事件の、ドキュメントとして見てほしい。
犯人・警察・加害者の親、色んな視点から描いている点からしてもドキュメントと言えると思う。
ただし最初に言った最終巻を除けば。
それまでの流れと最終巻あたりの物語が違いすぎる。視点が個人個人からバードビューのように変わった。
おそらく読者としてはトシ・モンが出てくるところを見るのが一番楽しい。だからトシがつかまってモンが行方不明になったあたりで、物語は収束に向かうべきだったように思う。
そのあとの世界情勢だとかそのあたりは申し訳ないが少し流し読みしてしまった。あとヒグマドンという設定はこの物語に必須だったのだろうか?
さまざま思うことはあるけれど、全体を通して素晴らしい作品であることは間違いない。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2008-04-20 22:02:04] [修正:2008-04-20 22:02:04] [このレビューのURL]
4点 居酒屋さん
根っこの思想は合わない
ただ漫画としては非常に魅力的
アリアの銃撃はシーンは素晴らしいし、「生かされてる」という言葉は心にきた
でも不道徳から道徳を語るのは、表現方法として稚拙に感じた
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2008-01-17 15:06:17] [修正:2008-01-17 15:06:17] [このレビューのURL]
7点 Sealさん
とにかく残虐な描写が多いので好みが分かれるだろう。
主人公達は何故殺人を犯すのか?どこへ向かっているのか?
その答えを知りたくて読み進めたが結局私には理解できなかった。
何度か読み返した後、そもそも「何故?」と思うこと、彼らを理解しようとすることが間違っているのだと思った。
彼らはヒグマドンと同じでただ生きているだけであり、殺すことは目的でも結果でも無いのだろう。
しかし残念ながら作者が描きたかったであろうメッセージは私には伝わって来なかった。
登場人物は皆個性的で、人物描写も深い。
ゆえに難しいことを考えなくても自然に引き込まれる作品である。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-12-18 20:04:33] [修正:2007-12-18 20:04:33] [このレビューのURL]
9点 kikumasaさん
女子高生、元郵便局員、警察官、米国大統領、総理大臣、ハンターなど様々な人々が登場し、一人ひとりのエピソード、物の考え方、世界観などは皆強烈で個性的である。様々な強烈な個性を持った人々の世界観が複雑に交錯するため、この作品は過剰なエネルギーに満ちている。その上、この作家の絵による性描写・暴力描写が作品全体の過剰なエネルギーに拍車をかける。
一人ひとりのエピソードにどれか一つでも自分の琴線に触れるものがあったら、それだけでこの作品は読むに値するものになるだろう。これだけ多くの世界観・価値観を提示した上に、エネルギーの過剰さ・世界観の複雑さを最後に(賛否両論はあるが)収束させたのは見事である。ストーリー全体に溢れる過剰なエネルギーを許容できれば、ラストは良く分からないにしても「凄い」と思えるのではないでしょうか。
逆に、過剰なエネルギーに辟易してしまうと、単に不快な作品という印象のまま読み終わってしまい、ラストも「わけ分からん。」で終わってしまう。
この作品が賛否両論なのは当然でしょう。作画はとっつきにくいし、全体を通して抽象的な感も否めない。作画も含めた過剰なエネルギーを許容できるか否かで評価が全く変わってしまう。ザ・ワールド・イズ・マインを読んで強く感動できる人と全く受け付けない人のどちらが偉いということではない。
私は読後に快く世界観に圧倒され、存分に楽しむことができました。しかし、3巻くらいまで読んで受け付けられないという人は読まない方が良い気がします。それ以上読んでも不快になるだけかと。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-12-16 19:14:35] [修正:2007-12-16 19:14:35] [このレビューのURL]
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