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6.57点(レビュー数:38人)

作者ヤマザキマリ

巻数6巻 (完結)

連載誌コミックビーム:2008年~ / エンターブレイン

更新時刻 2012-07-26 21:17:44

あらすじ 古代ローマの設計技師(風呂限定)ルシウス。仕事熱心な彼は浴場のアイディアについて悩みまくり、そのあげく現代日本の銭湯にワープ!?彼は日本と古代ローマ(風呂限定)を往来できる体質になってしまったのだ!!好漢ルシウスの時空を越えた大冒険(風呂限定)が始まった!!

備考 2012年にフジテレビ系「ノイタミナ」枠にてテレビアニメが放送され、同年、阿部寛・上戸彩主演での映画が公開された。

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テルマエ・ロマエのレビュー

点数別:
21件~ 25件を表示/全38 件

8点 十歩神拳さん

この漫画は、従来のギャグ漫画とは違います。

私が思う従来のギャグ漫画とは、主人公はあからさまな非常識人であり、その人物の半ば悪意にも見える馬鹿げた行動「ボケ」により作品を混乱に陥れ読者を笑わせるというのが基本型です。
また、たいていの場合はツッコミポジションを除く他の人物や、その世界観自体がお馬鹿だったり非常識だったりします。

しかしテルマエ・ロマエは違います。本作の主人公・ルシウスは真面目な浴場建築技師であり、彼の行動理念はその殆どが仕事に対して全力で取り組むプロ根性だけです。
そして、ルシウスの周りのローマ人もまた、彼らの果たすべき役割に真面目に臨み、ただ普通に日常を過ごしているだけなのでしょう。たぶん・・・

そして、本作のもう一つの舞台となる「平たい顔族」の世界、すなわち現在の日本での出来事もまた、その世界にとっては変哲のないただの日常なのです。

つまりこの漫画には、人物にも世界観にもボケらしいボケが見当たらないのです!


では、本作の笑いの根源はどこにあるのかと言うと、それはおこらく文化の異なる二つの世界を常識×常識でぶつけ合わせた化学反応です。

ギャグ漫画の中には真面目さとシュールさを追求した「シリアスな笑い」を武器にする作品は稀に見ますが、本作の笑いにはより豊富な知識と、複数の常識的な視点を使いこなすセンスが作者に求められる分、さらにシュールで高度なギャグだと思います。

美術学校出身等の、作者の特殊な経歴により育まれた能力と感性あっての作風でしょう。

本当に面白いです。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-11-22 14:21:23] [修正:2010-11-22 14:27:02] [このレビューのURL]

8点 即身仏さん

この漫画の一番のキモは、しっかりとしたローマの生活風俗の描写と堅物の主人公ルシウス・モデストゥスの素直なまでのリアクションから見て取れる、快楽を追求するという根っこでは共通ながらも日本人と古代ローマ人の思考の違いによるギャップから来る笑いだと思います。

主人公ルシウスの(日本人から見たら)結構強烈な自尊心が、平たい顔族(日本人)の(遠い未来の文化だから当然だけど)当時のローマを超越した風呂の技術を目のあたりにして言いようの無いショックを受けたり、自身が閃いた発想で無い為に後ろめたさを感じてしまったりしたとか思えば、フルーツ牛乳や温泉卵を口にして素直に「美味い!」と感動する素直さに思わずニヤリとしてしまったりと、読んでるこっちも楽しいです(笑)

後、自身がタイムスリップしていると自覚していないという点でしょうか。よくよく考えたら、当時の人間がタイムスリップなんてSF的な考えを思いつくのは無理が有るかと。だからこそ、タイムスリップしたという自覚が無く未知の国家に来てしまっていると「勘違い」していると読者に思わせる事によってルシウスが古代ローマ人だというキャラクター付けが強固になって、読者が新鮮に感じるようになっている仕掛けだと、個人的には思います。

だからこそ、タイムスリップするきっかけがチープであろうと(酷)、面白いまんまなんだと感じます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-25 01:16:10] [修正:2010-09-25 01:16:10] [このレビューのURL]

6点 ヒナミさん

個人的に凄く面白い、というわけではありませんでした。
絵も結構好き嫌い分かれるかもしれません。

しかし、お風呂を題材に漫画を描くという発想は斬新だし、ローマ人の驚きっぷりには笑えます。
また、古代ローマの世界観を結構調べて描いてあるみたいなので、勉強にもなります。

二巻も出たら読んでみようかな、と思える作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-08-15 01:48:12] [修正:2010-08-15 01:48:12] [このレビューのURL]

7点 Sealさん

現代日本の風呂やトイレに対するこだわりを古代ローマ人の視点から描くという手法が新しい。
日本の風呂文化を目の当たりにした時の主人公ルシウスのリアクションがいちいち笑わせてくれる。自分たちにとっては何気ないものだから余計に面白い。
確かに日本の風呂事情は異色ですからね。そういったことを我々にもあらためて認識させてくれます。

この漫画の肝は文化の優劣を比較することでは無くて、現代日本と古代ローマの風呂文化との共通点にあるのだと思います。
古代ローマ人が現代の我々と同様に風呂を愛していたという設定には多少の推測も入っているとは思いますが、遠く時代も距離も隔てた両文明が似たような価値観を共有していたなんて面白い考えですね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-08-06 14:54:20] [修正:2010-08-06 14:54:20] [このレビューのURL]

5点 臼井健士さん

マイナーな掲載雑誌「ビーム」から飛び出た大ヒットがようやく完結の最終巻。
だが、もう完全にお風呂文化はどうでもよくなっており、当初と話の主旨が違っております。

「お風呂のみのタイムスリップ」であったはずのルールがいつの間にやら書き換えられ、
お風呂以外の日本人とも触れ合ったり、遂には現代日本人女性と恋愛して結婚とか
「大団円」なんて表面だけのような気がします。

元々、このヒット自体が想定外で著者自身も「長期連載は予定していなかった」んでしょうね。
だから、最初の勢いが最後まで持っていないのは明らかだし、展開が無理矢理なのも致し方なしなのかな。

2・3巻で終わらせられなかったのはヒットした故の悲劇だったかもしれないけど、
同じ「ビーム」連載の「放浪息子」も終了して、もうビーム作品は読むに値する作品がなくなってしまったよ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-06-27 11:14:58] [修正:2013-10-13 12:59:06] [このレビューのURL]

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