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6.1点(レビュー数:28人)

作者荒川弘

巻数15巻 (完結)

連載誌週刊少年サンデー:2011年~ / 小学館

更新時刻 2012-07-16 19:44:56

あらすじ 北海道に所在する大蝦夷農業高校(通称・エゾノー)は、農業に従事することを目指す農家の子供が多く通う学校であった。進学校として名高い中学出身でありながら、低偏差値校であるエゾノーにわけあって入学した八軒勇吾は、他のエゾノー生徒たちの多くが明確に将来の夢を持つ中、一人だけ何も夢を持っていないことに焦燥を感じ始める。高校としては日本一の広大な敷地面積を持ち、動物と自然に囲まれ、一年生の間は全寮制という慣習を持つエゾノーで、勇吾の青春の日々が始まる。(Wikipediaより)

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銀の匙 Silver Spoonのレビュー

点数別:
21件~ 25件を表示/全28 件

8点 鋼鉄くらげさん

人間の価値観は千差万別で十人十色。百人いれば百通りの好みや価値観が存在します。そんな中で、全ての人間の価値観に符合する「誰が読んでも面白い作品」なんてものは、未来永劫、半永久的に存在しえないなんてことは、今更ここで長々と語るまでもなく明白なことです。しかし、そんな人類不変の絶対真理を語っておいてなお、この作品に対する感想を述べさせてもらうと、「この作品は面白いです」。

さすがは荒川先生と言うべきか。農業高校の学校生活なんていう地味なテーマの話でも、実に興味深く、そして分かりやすく、作品のテーマから引き出す事のできる面白さを十二分に伝えられています。

さて、今回レビューを書くにあたって作品全体を見た場合、現段階ではレビューを書くにはまだまだ話そのものが始まったばかり。道半ばという段階です。なので今回は、2巻まで読んだ中で特に印象に残ったエピソードを一つ、紹介するだけに留めておこうかと思います。

そのエピソードとは、1巻134ページから展開される「獣医になる夢を叶えるために必要なものは何か?」という主人公の台詞に対して獣医が答えた言葉。
「殺れるかどうか」です。

例えば「小さくて可愛いペットが大好きだから」なんて理由で将来ペットショップ屋さんになりたいなんて言うのは、それこそ幼稚園児レベルの発想で、そんな志望動機は、実際にペットショップ屋さんが抱える苦悩や葛藤をまるで理解していないからこそ出てくる台詞そのものでしかないわけです。

生物を育てるにしろ、生物を救うにしろ、「命」を養うという事は、同時に「命」を奪うという事もその裏返しとして存在しています。そんな厳然たる事実を置き去りにして、安易で一時的な感情論で物事の指針を判断していると、いつか必ず「命」を扱う仕事が抱える絶対的な問題に直面します。それはつまり「死」です。自分が対象生物の生き死にを扱う覚悟があるのか。その覚悟を受け入れる事が、獣医として(命を扱う仕事として)必要な「資格」であると。そんな事を言いたいシーンなんじゃないかと思います。

普段。私たちの食生活は「命」を感じる事が少なくなってきています。今どきの子供たちは、スーパーの魚の切り身がそのまま海を泳いでいると思っている、なんて笑い話もあるくらいです。しかしそれは、逆に言えば、それだけ「生物=食物」という意識が希薄化していると言う事の証明でもあります。食物が大量生産され、製造工程が機械化されれば、それだけ「命」の存在感が薄れ、消失していく。それが善か悪かの二元論では無く、歴史の必然と言われれば、それは人間の傲慢なんじゃないかと、そんな事をこの作品を通して考えます。

自動化され、流動化される時代の中で、敢えて「生(せい)」を描くこの作品が、今後どのような物語を辿るのか。とても楽しみです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-12-28 20:44:29] [修正:2011-12-28 20:52:39] [このレビューのURL]

7点 臼井健士さん

「ハガレン」を完結させた著者による新作は農業学校を舞台にした一風変わった作品。
優等生が家庭を離れて何の夢も無く農業高校に進学し寮生活に。
周りは研究者志望の人間や獣医師志望やら農家の跡取りやら。
「場違い感」丸出しで居心地は良くなかった。しかも、慣れない実習生活に心身ともに疲労困憊。
けれど個性的な仲間たちと共に送る生活は自身の新たな可能性を目覚めさせるのか?

農業学校と言っても「農作業」よりむしろ「畜産寄り」の話という印象です。
牛・馬・豚という「食われる側」の悲哀を浮き彫りにする。
「動物のお医者さん」をもっと現代的にしてシリアスな味付けにしたようなイメージ?
週刊誌連載なのでそれなりの巻数にはなるのではないかと思いつつも、ドラマは少なさそうです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-12-17 01:36:41] [修正:2011-12-17 01:36:41] [このレビューのURL]

7点 s-fateさん

 週刊でこの密度の濃さは素晴らしいと思います。荒川さんの作品「百姓貴族」を読んだ人ならわかるとおり、作者のバックボーンである北海道・酪農の要素が容赦なく用いられています。
 内容的には今までとまったく違う周囲環境に叩き込まれた主人公がカルチャーショックを受けつつも成長していく話だと思います。「俺だけ目標がない」といいながらもテストじゃ負けねぇ、みたいな後ろ向き要素なしの部分も荒川さんらしい作品かと思います。
 個人的には資料をもとにした創作よりも、作者が実際に経験したものが含まれた作品のほうが面白い作品になりやすいと思っています。名作「鋼の錬金術師」の後にこのテーマを選んだ荒川さんの意気込みに、今後も期待しています。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-08-06 16:12:47] [修正:2011-08-06 16:12:47] [このレビューのURL]

7点 ITSUKIさん

サンデーつながりでいうと「じゃじゃ馬グルーミン★UP!」と「モンキーターン」を混ぜた様な雰囲気を持ってます。

特に各々何かしら長所を持つクラスメイト達と寝食を共にするっていうのが初期のモンキーターンに似てますね。(もちろんタマコ的な意味でも似てる笑)

地味な題材かと思いきやとんでもないっていうのは「百姓貴族」を先に読んでいたのでわかっていましたが、それでもやっぱり面白い。
ほとんどの人が知らないであろう世界を魅力的に描こうとされているのが伝わってきます。

主人公が何の将来設計も持たずに農業高校へ入ってしまったとい設定なので、「夢」が結構重要なキーワードなんじゃないかと一巻を読んで感じました。
少年漫画らしく、主人公とその仲間の成長を見ていきたいです。
少なくとも「じゃじゃグル」の様にラブコメ寄りにはならなそう。

絵柄的には女性キャラの描き方が結構変わった印象。
キャラの掘り下げがまだまだ序盤なのもありますが、魅力がイマイチ。

なんだか現在のレビューが7点ばっかりという奇妙な状態ですが、それくらいに安定して面白いと思います。
自分の中では、今サンデーで買っている作品の中では一番好きな作品になりまいた。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-07-26 23:12:22] [修正:2011-07-26 23:14:00] [このレビューのURL]

7点 booさん

荒川弘の農業高校学園もの。

農業高校を舞台にしているとはいえ同作者の百姓貴族に比べると作者の農業問題に対する主張や農業あるあるは抑えられていて、どちらかというと八軒の進む道への葛藤や仲間との交流などを描く青春ものに近い印象。
恐らく広い年齢層に読んでもらいたいと荒川先生は思っているようなのでこの方向性で正解だと思う。
農業問題や現場に深く切り込むのは百姓貴族に任せて、こちらでは少しでも家畜の意義と生命の大切さ・当たり前のようにある食物などについて考えてもらえたらいいなという感じ。食事の意味を分かっていれば「頂きます」なんて自然に出てくるよね。

かなり期待が持てる内容だけど、1巻だしまだ先が見えないのでとりあえず7点。私以前がみんな7点というのも同じような気持ちからな気がする。おすすめです。
銀の匙を呼んで農業について興味を持った方・より深く知りたいと思った方は百姓貴族も合わせてどうぞ。

しかしいろんな意味でタマコがモンキーターンのありさにしか見えないんだけど、パロディ?w

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-07-23 01:29:34] [修正:2011-07-24 00:14:26] [このレビューのURL]

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