花の慶次−雲のかなたに−のレビュー
8点 コステロガーデンさん
この漢、温情にして豪快なり!
質の高い舞台や映画を観て高揚する感覚を憶えるほど、
この作品は美しさと優しさに溢れ、ロマンに満ちています。
原作の雰囲気を残しつつ、
少年誌という難しい枠のなかで作品を描ききった作者の意気込みと意地を感じます。
また、表情や仕種などの表現力がすばらしく、
心の奥底の感情を目もとや口もとの微妙な描きわけで適格に表現しています。
そして、とにかく主人公「前田慶次」の人柄がすばらしい。
人には上も下もなしとし、さらに人も獣も花も樹も違いがなく、それらを愛でし暖かな心と、
己の信念を貫く事に命をも惜しまない度胸の良さと、それを愉しみとするスケールの大きさには
男として、人として、思わずみとれてしまうものがあります。
彼に惹かれ、共にいくさ場で死ぬ事を誇りに思うもの、
または敵対するも、いくさ人としての彼の生き方を尊重し、尊敬し
合いまみえる事を喜びとするもの、
前田慶次のもとにはそんな真の男たちが自然と集まってきます。
戦国の世を自由奔放に駆け抜けた「前田慶次」という爽やかな風の物語は、
作品の善し悪しという次元ではない崇高なモノを感じずにはいられません。
終わり方もとてもよく、言葉ではなかなか表現できない、
なんともいわれぬ風流さと華やかさと儚さに満たされています。
より多くの人に読んでもらいたい、そう思える作品です。
◇この作品の個人的価値=全18巻で 5400円也
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2005-10-09 21:55:05] [修正:2005-10-09 21:55:05] [このレビューのURL]
5点 朔太さん
戦国時代を背景に傾奇者(かぶきもの)あるいは、
いくさびとのポリシーを世に紹介し、
男気に結び付けて美化した作品である。
男はかくありたいと、少年たちに啓蒙した功績は大きい。
化け物のような怪力と巨体があれば、
怖いものなどあるわけがなく、男気の自信の源が
肉体的に圧倒的な格差であることが見て取れるだけに、
手が届かない希望を見せられている気もする。
中には、力を得るためには、体を鍛え格闘力を
身に着けようと決心した少年も多かったことだろう。
少年誌だから許されるのだが、エンターテインメント
としては心から楽しめないシーンがたくさんあったこと、
強者の論理が鼻についたことが残念ではある。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2020-11-20 06:12:21] [修正:2020-11-20 06:12:21] [このレビューのURL]
8点 ヒデリウさん
登場人物みんなかっこいいですね。
良作です。
琉球編が唐突な印象を受けます。
パチンコはやられてばっかりww
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2014-09-04 00:43:29] [修正:2014-09-04 00:43:29] [このレビューのURL]
5点 notatallさん
歴史フィクションとしての説得力は皆無。
歴史浪漫への入門書としても微妙。
琉球編は、史実上の空白時間帯を作者のフィクションで埋めたもの。
架空の人物の、超人的な活躍を楽しむ、純粋な娯楽作品として読むことはできるだろうが、それなら北斗の拳のような、荒唐無稽な世界観であって欲しい。
あと有名どころの勢ぞろい入浴シーンは、ギャグだと思…。
ちょい上方修正。娯楽漫画としてまで、否定する気はないのです。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-07-18 22:21:22] [修正:2011-07-09 19:26:05] [このレビューのURL]
8点 森エンテスさん
「前田慶次郎利益」という人物を三国志でいうところの「呂布」の位置にまで押し上げたのは間違いなくこの作品。
原作とは展開が違く、オリジナル作品と思った方がよいが、脚本が素晴らしく、大きな中弛みもなく綺麗に物語が終わったことが素晴らしい。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-02-17 22:56:00] [修正:2011-02-17 22:56:00] [このレビューのURL]
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