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7.4点(レビュー数:82人)

作者稲田浩司

原作三条陸

巻数37巻 (完結)

連載誌週刊少年ジャンプ:1989年~ / 集英社

更新時刻 2011-04-16 01:16:02

あらすじ モンスターが平和に暮らすデルムリン島。その島で唯一の人間・ダイは、勇者に憧れている少年。ある日、島を訪れたアバンに、才能を認められ、アバンの弟子であるポップと共に修行を開始する。しかし、そこにアバンが倒したはずのハドラーが!

備考 テレビゲームの『ドラゴンクエストシリーズ』の世界観・設定を元にした漫画作品。ストーリー自体は本作オリジナルであり、ゲーム作品との接点はない。文庫版全22巻

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ドラゴンクエスト -ダイの大冒険-のレビュー

点数別:
36件~ 40件を表示/全82 件

9点 とろっちさん

現在ではゲームが原作の漫画なんて全く珍しくもないですが、児童向け雑誌やゲーム雑誌以外での
本格的なゲーム原作長編漫画は恐らくこれが初めてだったのではないでしょうか。
しかもそのゲームは当時既に国民的ゲームとなりつつあったドラゴンクエスト。
それを、いくらドラクエ誕生に大きく関わっていたとは言え、当時は発行部数が今の倍ぐらいあった
天下の週刊少年ジャンプで連載するという恐るべき計画。
「ドラクエだから人気が出て当然」などという甘いものではなく、「ドラクエだから必ず人気が出なければ
ならない」という猛烈に激しいプレッシャーの下で連載された本作。
結果は…、予想を上回る大成功を収めた作品となりました。

前置きが長くなりましたが、ドラクエの世界観をベースにしつつ、ジャンプらしさをも出すために
「友情、努力、勝利」を全て盛り込んで融合させ、素晴らしい少年漫画として生み出された作品です。
大風呂敷を広げまくり、それを矛盾なく見事に畳み切る、というジャンプらしからぬ稀有な構成力を誇り、
長期作品でありながらも作中で一番の盛り上がりの場面をラスト付近に持ってこれるのが凄いです。
個人的には今まで読んだ中で最も見事な少年漫画の一つじゃないかなと思っています。

今でこそドラクエは大人のプレーヤーの方が多いかもしれないですが、当時のターゲットは
完全に子供なので、この漫画のターゲットも必然的に子供を対象としたものになっています。
余談ですが、後発作品の「ロトの紋章」はこの作品との差異化を図るために対象年齢が少し高め。
作者にとって最も気を遣う点だったであろうオリジナルのモンスター、アイテム、呪文等も、
ドラクエの世界観を崩すことなく作品と調和していて、ゲームに逆輸入されたものもある程の出来栄え。

もちろん残念な点もいくつかあって、原作者が「当初は20巻前後で終わらせる予定だったけど
人気が出すぎて終われなかった」と確か当時のインタビューで語っていたとおり、
テンポの良い前半と比べて後半がかなり間延びしてしまっていることは否めないです。
いくら生き返りの呪文があるゲームとは言え死んだと思っていたキャラがぞろぞろと復活することや、
ジャンプ恒例の急激なパワーインフレなども特に後半で目立つようになってきます。
最後の戦いもジャンプだけに1対1の戦いになりましたけど、ドラクエ(初代を除く)らしく
パーティープレイで戦ってほしかったですね。

登場人物は各々魅力的に描かれていてみんな良い味を出していますが、やっぱりポップとハドラー、
この準主役とも言うべき二人の描き方が抜群に上手いと思います。
特にポップ。 皆さん書いているとおり、この作品はポップに尽きます。
ポップはまさにドラクエの「レベルアップ」の概念を体現するキャラ。
序盤であれだけ頼りなくてイライラさせられた貧弱な魔法使いが、自らの弱さに傷つき、苦しみ、
逃げ出しながらも少しずつ勇気を振り絞って困難に立ち向かい、冒険が進むごとに成長を重ね、
やがて「大魔道士」の称号が似合うほどに頼れる存在となって大魔王にすら啖呵を切る。 素敵すぎ。
他の仲間にコンプレックスを抱きながらも、足手まといにならないように、自分だけ遅れないように、
精一杯背伸びをしながら成長していくポップの頑張りには胸を熱くさせること必至です。


(補足)
何だかんだ長々と書きましたが、この作品の成功は「アバンストラッシュの着想」も大きいと思います。
剣を逆手に持ってスパッと斬り裂く、シンプルながら唯一無二で、多大なインパクトを誇るこの必殺技。
ゲームでの戦闘といえば文字情報のみだった時代に、「勇者の一撃とはこういうものだ」ということを
絵で表現することで漫画化のメリットを強調し、ひいてはそれが作品の大ヒットにつながっていきます。
作中での存在感も秀逸で、師匠の遺した技であり、心の拠り所であり、最後の決め技でもあります。
この技とドラゴンボールのかめはめ波の型は一生忘れることはないと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-28 01:03:16] [修正:2011-11-28 01:06:13] [このレビューのURL]

7点 くろしびさん

ドラゴンクエストという偉大なゲームを原作に
世界観のみを踏襲してうまくアレンジしたオリジナルストーリー。

低年齢向けというのは否めないが、
マァムが戻ってきたあたりから絵も向上し、
ストーリーも成長や友情などを中心にしっかりした
テーマを持っていた。

結構死んでたと思いきや生きてたパターンが多いが、
元々ゲームも呪文で復活するし、そこは大目に見るしかないんだろう。

伏線の回収や、全キャラ総動員や、敵の強さを表したために
最後の決戦が始まってからが半分と後半はちょっと長すぎだった。

ドラクエを舞台にしながらも、恋愛も含ませていて、
突っ込みどころなどはあまり気にしないで読めば、
よくできた物語になっている。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-24 13:37:15] [修正:2011-11-24 13:37:15] [このレビューのURL]

8点 臼井健士さん

ドラクエの世界観を上手く漫画化に成功させたと言って良いのではないでしょうか。
ただ、やっぱり子供向けの印象は免れられないな・・・・。

敵側は次々とやられていくのに味方側の死者は実質パランだけってのも都合が良すぎる気が。アバンもヒュンケルもクロコダインも次々と復活したし。後、チウの実力も無いくせに勘違いした振る舞いの数々は見ていて頭にくる。唯一、嫌いなキャラ。
同じドラクエ漫画の藤原カムイ先生の「ロトの紋章」と比較されることが多いようですが、自分は内容的にはほぼ互角。構成力・画力で若干カムイ先生のロトの紋章に軍配が上がるかなと思います。

ポップの最強呪文「メドーローア」ですが、せっかく習得したのに見せ場がほとんど無かったのは残念。
実質、メドローアで倒したのは親衛隊のシグマだけだし。ま、キルバーンのトラップを脱出するのには役立ちましたが、「ドルオーラ」と並ぶ最強呪文がそれじゃちょっと・・・・(笑)

コミックスの呪文紹介にもありましたが、やはり「決まればいかなる敵であろうとも消し飛ばせる」というのは使いどころを難しくしただけだったのでは。相手が強敵であればあるほど一撃で勝ってしまっては困るわけですし。元々「対親衛隊」を想定して身につけた呪文だったからそれでも「結果的には」良かったのかもしれませんが。

最後に疑問をひとつ。バランが滅ぼしたリンガイア王国とフレイザードが滅ぼしたオーザム王国ですが、両国ともに国王の生死が不明のままのような気がするのですが、サミットのときの捜索中は登場の伏線ではなかった?

この作品、大魔王バーンは完全に滅ぼしたものの、冥竜王「ウェルザー」を登場させながらも、最終的に「そのまま放置」・・・という問題が残ってしまった。

ウェルザーは封印されているだけで、しかもその封印もいずれは解ける・・・となれば、明るい未来の完全勝利!・・・・で終わっていない。
まあ、ウェルザー復活までにはまだ数百年以上の年月が必要らしいので、レオナやマァムやポップは人間だから寿命によって生きている間に危機を迎えることは確かに無いのだが。(ダイも寿命的には人間とそんなに差は出まい。)子孫が困る!
「未来に確実に災厄が先送りされてしまった」ので、明るいラストシーンなのだが、前述の問題点を思い出して「ちょっと待てよ・・・」と勘のいい人間なら思う。

この点の解決法として続編の構想もあったようだが、結論からいって「やらなくて正解」。
コミックスにして数えて37巻も続けたのだから、これ以上の引き延ばしは、致命傷になるところだった。
だから前述の問題と、この点が「矛盾」してしまい、
「(ウェルザーの復活する)未来に『ダイ以上の勇者』が現れることを祈ろう!」
という、なんかなあ??っていう妥協点に落ち着いた。でも・・・これは仕方ないのかな・・・?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-03 09:14:46] [修正:2011-10-30 17:04:32] [このレビューのURL]

8点 森エンテスさん

ドラクエをテーマにした作品の中では圧倒的に名作です。

長く続きすぎたキライがありますが、最終バトルでのポップの言葉があるだけで全てを許せませす。

幾つもの障害をどんどん乗り越えて急速にスペシャルな存在になっていく主人公ダイと、つまずき転びながらも心身ともに自分のペースで成長を遂げるポップ(RPG界ののび太君)との友情マンガ。

子供達に読んで欲しい作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-10-30 14:05:51] [修正:2011-10-30 14:05:51] [このレビューのURL]

7点 Mikky-Dさん

 王道。だが優れたバトルもの少年漫画。

 ポップの人間的成長、これに尽きます。戦闘能力の成長ばかりが目立つバトルもの漫画の中で、ここまで全編にわたって一登場人物の内面的な成長にスポットライトが当てられるのも珍しい。

 ただ、あの物語がわずか数か月程度の期間という設定はちょっと。マァムの武闘家修業がたった10日って・・・。また、後半のクロコダインの扱いには、天津飯やウォーズマンと似た哀愁を感じてしまいます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-10-02 05:04:31] [修正:2011-05-20 14:04:19] [このレビューのURL]

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