ホーム > 少年漫画 > 週刊少年ジャンプ > ドラゴンクエスト -ダイの大冒険-

7.4点(レビュー数:82人)

作者稲田浩司

原作三条陸

巻数37巻 (完結)

連載誌週刊少年ジャンプ:1989年~ / 集英社

更新時刻 2011-04-16 01:16:02

あらすじ モンスターが平和に暮らすデルムリン島。その島で唯一の人間・ダイは、勇者に憧れている少年。ある日、島を訪れたアバンに、才能を認められ、アバンの弟子であるポップと共に修行を開始する。しかし、そこにアバンが倒したはずのハドラーが!

備考 テレビゲームの『ドラゴンクエストシリーズ』の世界観・設定を元にした漫画作品。ストーリー自体は本作オリジナルであり、ゲーム作品との接点はない。文庫版全22巻

シェア
Check

ドラゴンクエスト -ダイの大冒険-のレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全82 件

8点 creさん

漫画だろうが小説だろうが物語りってのはどんなにリアルにしようとしても、どこか現実離れしたリアルとは違うなというキャラクターたちが出てくるもので、特にファンタジーだとその度合いが激しい。

ダイのようにどんな困難にも立ち向かい、ヒュンケルのように死をも恐れず、マァムのように誰にでも優しく、レオナのように圧倒的なカリスマ性がある。こんな人間は実際どっかにいるのだろうけど現実で会ったことがない。

だけど、ポップだけは妙に現実感がある。ヘタレでビビリでサボりやで、すぐに投げ出し、逃げ出し。それでも好きな子のために、親友のために、尊敬する先生のために、必死こいて無い勇気を振り絞って現実に立ち向かい、色々なものを手に入れていく。

現実に大量にいる俺も含む普通の人たちにとって、この物語は「ダイの大冒険」ではなくて「ポップの大冒険」としての方が読めるんじゃないかなという気がする。ポップの方が元が元だっただけに、より勇気をくれる。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2008-11-01 05:31:06] [修正:2008-11-01 05:31:06] [このレビューのURL]

勇者と大魔王、光と闇、正義と悪、魂の力と暴力、平和と混沌・・・

ダイ達と魔王軍の性質や理念・目的をわかりやすく対極の関係で分けたため、物語の軸がぶれず一貫して高い完成度を維持できた名作。とにかくアツい。
だがそれだけではなく、子供の頃に読んでも実感の湧かないような深みがあるので、大人が読んでも非常に楽しめる。

その深みの一例として“太陽”を挙げてみる。

最初に述べたように、ダイ達と魔王軍は基本的には対極の存在に位置しているが、双方に共通した源は太陽である。

力が強いというだけで地の底に封じられた魔界のために太陽を手に入れようとする大魔王。そして自らが太陽となり仲間を照らそうとするダイ。
ある意味でこの作品の最大のテーマともいえる。

そして太陽を巡るテーマにより、序盤はどう見ても勧善懲悪だった作風に疑問を投げかけ深みが生じる。
加えて竜の騎士の運命も交えることで、人間の本質にも踏み込み、単なる子供向けの漫画とは明らかに異なる重厚さを感じさせる。

本当に素晴らしい作品だと思う。子供の頃の少年漫画の入門書としてだけではなく、是非大人になっても読み直してもらいたい作品である。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-12-07 13:25:42] [修正:2011-12-07 13:25:42] [このレビューのURL]

9点 columbo87さん

ジャンプ史上最も完成度高く、少年の成長を描いた漫画だと思っています。
まずドラゴンクエストの世界観を見事に体現し、それを崩すことなく素晴らしいオリジナリティによって昇華させている点は他作品にはない所だと思います。必殺技もいちいち格好よく、同年代の少年は野球の時に絶対一度はアバンストラッシュをやったことがあるはず。
数々の名勝負や名台詞など評価すべき所は語りつくせませんが、特に本作を名作にしているのはキャラクターの魅力でしょう。敵味方全てに魅力があり、カリスマ性があり、そして成長するといったように具体性を感じさせる人物ばかりです。ストーリー展開は王道でありながら、キャラクターが脚本のためだけに動くような無機質さを感じさせないのは、いわゆる勝手に動きだすような独立性を持っていたからだと思います。それだけに展開が予想できずいつもワクワクして読んでいました。


少年ジャンプでも屈指の名作だけに、いつかまたちゃんと映像化して欲しい。
ゲーム化でもいいから、またダイと大冒険をしたいと思い続けています。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-08-09 16:21:10] [修正:2011-08-09 16:21:10] [このレビューのURL]

9点 ITSUKIさん

ジャンプ黄金期を支えた作品の一つです。
「DRAGON BALL」や「スラムダンク」とは違い連載時は読んでいないのでいわゆる「想い出補正」はほとんど無いのですが、それでも少年漫画の傑作のひとつだと思います。

この作品の魅力と思う点をいくつかあげていきます。順不同。

・ドラクエをベースとしたファンタジー設定の使い方の上手さ
本作はタイトルにある通りかの有名な「ドラゴンクエスト」の世界をベースとして作られています。
しかし歴代のゲーム作品と別に設定上の繋がりは無く、呪文・アイテム・モンスターなどのアイディアを利用しているだけのオリジナル作品となっています。
ドラクエ未読の方でもわかりやすく、たとえば「ホイミ」は「回復呪文」に「ホイミ」とルビが振られる等の工夫もされています。
むしろ「ダイの大冒険」からゲームの方へ逆輸入された技・呪文なんかもあります。
装備や衣装のデザインもファンタジーらしくて大好きです。

・ストーリーの大筋がはじめからぶれず、最後までそれを描き切られている。
最初から最後まで一直線なストーリーで、長編ですが無駄は少ないです。
これも「ドラクエ」だからこそ上手くいった事かもしれません。
普通の少年漫画で最初からラスボスがわかっていてワクワクできるでしょうか。
この作品がそれが出来たのは「ドラクエ=ラスボス撃破が作品の終り」というパターンが事前に出来上がっていたからです。
作中時間が3か月というのは確かに短いですけど。
多少被りますが、作中で張られた伏線が無理なく回収されているのも素晴らしい点です。特に打ち切り(あるいは引き延ばし)が多いジャンプでは奇跡的。

・極力納得できるパワーアップ
自分がこの「ダイの大冒険」の構成で一番感心したのはこの点です。
作中で三カ月しか経過していないのに、主人公ダイをはじめとした仲間たちの成長スピードは異常なレベルです。
しかし「竜の騎士」「竜の紋章」「ダイの剣」「アバンのしるし」「ゴメちゃん」等のキーアイテム・キャラクター・設定を違和感なくストーリーに盛り込む事でキャラのパワーインフレを極力納得できる様になっています。
これも「ドラクエ」という世界観を活かしていると思います。

・名言、名セリフの多いキャラクター達
本作の一番の見どころ。
序盤はどうしようもないヘタレであるポップの成長ぶり、同じく敵方の三流魔王だったハドラーの武人への成長ぶりには驚くばかり。
自分はなんだかんだでダイの純真な所が好きですけど。
「何かを守るのが自分の使命」…両親と同じ道を選んだダイには感動しました。
この作品のキャラ達は多少芝居がかったようなかっこいい台詞を連発するので後半はもう名言だらけです。

敵がただのどうしようもない悪党ではなく、いわゆる悪の美学というのが存分に描かれているのも魅力的な点。もちろん煮ても焼いても食えない様な悪党もいますが、そういうキャラにはそれなりの最後が用意されています。
大魔王バーンのラスボスとしての威圧感は圧倒的です。老バーンが人気ですが真バーンも「さあ 刮目せよ!」とか「魂などでは余は殺せぬ!」とか「爆発はどうしたああああ!」とかがあるので個人的には好きです。
ラストバトルのじょじょに仲間が減っていく中での攻防は必見。


自分の良いと思う点をいくつか挙げましたが、もちろん「う-ん」と思った点もあります。
それは後半になってからのキャラクターの連続しての復活です。
復活したキャラクターにはその後それぞれの活躍の場がしっかりとあったので復活後の扱いには文句ありませんが、流石に連続すぎて「おいおい」と思ったのも事実です。
作中時間が短い、というのもありますけどそこは自分は特に違和感はありませんでした。
あとヒュンケル…w不死身すぎて作者が死なせ時を逸してしまうという珍しいパターンでした。ジョーみたいになったシーンは流石に燃え尽きたと思ったので目を覚ましてびっくりしましたw
この二点があるので9点です。

※22 8/12
レビュー全文書き換え。点数は同じです。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-08-16 05:38:53] [修正:2010-08-12 17:26:03] [このレビューのURL]

10点 tetsushikiさん

【全巻読了】

前半は正直あまり面白くないが、
20巻を超えたあたり(ハドラー親衛隊)が出るあたりから急激に面白くなっていく。

僕の中で歴代ベスト1位の漫画。

この漫画の魅力は間違いなくキャラクター。

計算してつくられた個性じゃなく、
「一生懸命描いていたら
 キャラが一人歩きを始めちゃいました。」というような印象。

敵も味方も魅力的なキャラクターが満載。
僕のお気に入りはポップ。
賢者じゃなく、大魔道士のポップ。

弱くても、
地べたを這いずり回っても、
時に逃げ出しても、
何も分からなくても。

強くなろうとし、
立ち上がろうとし、
歯を食いしばって立ち向かい、
少しだけ何かを得る。

僕の永遠のヒーローポップ君。
彼の生き様こそ人間だと思う。

閃光のように、僕も生きたい。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-08-08 15:42:13] [修正:2010-08-10 01:32:21] [このレビューのURL]

PR


<<前の10件
123456789

ドラゴンクエスト -ダイの大冒険-と同じ作者の漫画

稲田浩司の情報をもっと見る

同年代の漫画

週刊少年ジャンプの情報をもっと見る