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7.46点(レビュー数:15人)

作者志村貴子

巻数8巻 (完結)

連載誌マンガ・エロティクス・エフ:2004年~ / 太田出版

更新時刻 2011-01-12 12:48:52

あらすじ 「もし私の好きな人が女の子だったらどうする?」鎌倉のお嬢様学校&進学女子高を舞台に紡がれる、胸キュン“ガール・ミーツ・ガール”ストーリー!(太田出版webより)

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青い花のレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全15 件

7点 punpeeさん

作者独特の柔らかく繊細なタッチが魅力的です。
前作「放浪息子」の千葉さんの様な強烈なキャラはいないが、キャラクターも躍動している。

ただ、この作者の「放浪息子」以降の作品全般に言える事だけど、
そもそも作者自体のミーハー志向が強く、キャラに対する自己投影も感じ、少し鼻に付く時がある。
これは非リアに属する私の偏った見方なんだろうけど。笑

それでも理想と現実の違いは痛々しく描いているので、基本的には好きです。画集も買いました。

この作品のラスト手前も、やっぱり現実はこうなんだろうな、という、「ジョゼと虎と魚たち」に似た絶望感を覚えつつも、
ラストでは一応ハッピーエンドっぽく終わっているので、読後感は良いです。

「ジョゼと虎と魚たち」は言い過ぎました。
あと、あーちゃんストラップを後からネット画像で見て、応募すれば良かったと少し後悔しました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-02-06 15:50:35] [修正:2016-02-06 15:50:35] [このレビューのURL]

9点 shunさん

単純に同性愛を扱った漫画というには失礼なほど、感情の動きを描写で繊細に表現されており、
ただ単に同性愛を許容し、女性が好きになりました、と言うだけの展開ではなく、
一個人の女性を好きになっていく、という表現が大切に描写されている。

細いのに迷いのない画のタッチが、透明感のある世界観を作り上げている。
必要なものだけを描いた綺麗な世界だが、仰々しい綺麗ではなく、
精神的な観点で、綺麗として受け取れる内容になっている。
漫画の中ながら、演技臭くないという印象。

「好き」と、それとは違う意味の「好き」の間で揺れる少女達の、
見てはいけない世界を覗いているような気がしてくる。

完全に内向的でもなく、一般社会における「そういう人」の位置を隠さず表現し、
「気持ち悪く思わないで」、「怖い」等のネガティブな印象も受け止めながら、
少女の成長とともに、女性が女性に恋をするという感覚を少し味わえる。
性別を超えて、作品世界にのめり込ませる力が素晴らしい。

画も作風とあっていてよいし、お嬢様学校の雰囲気を違和感なく描写できている。
キャラの書き分けがうまく、髪型を変えてもキャラの同一性を保てている。

いろいろなエピソードを織り交ぜているが、長くもなく短くもない調度良くまとめられている。
非常に完成度が高い作品といえる。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-08-25 15:03:13] [修正:2014-08-25 15:03:13] [このレビューのURL]

5点 asd5さん

放浪息子なんかと比べちゃうと、ちょっと薄いですよね。
好きという自分の気持ちを受け入れるだけなら、それほどたいしたテーマにならない。
とはいえやはり志村貴子、面白いです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-01-17 19:44:24] [修正:2014-01-17 19:44:24] [このレビューのURL]

9点 臼井健士さん

「放浪息子」で性不同一性障害を扱った作品を描いていることで知られる
志村貴子氏の女子高を舞台にした作品。

松岡女子高等学校に入学した「万城目ふみ」ちゃんと、
藤ヶ谷女学院高等部に入学した「奥平あきら」ちゃんは幼馴染。
小学生の頃はしっかり者のあきらが大人しくて泣き虫のふみを守っていた。
でも、ふみちゃん家の引っ越しで離ればなれに。やがて忘れていった。

が、2人が高校生になってすぐに運命的な再会が待っていた。
通う高校は別々だが「共に女子高」も何かの縁か?
ふみちゃんはひとつショックな出来事があった・・・・。
従姉妹の千津ちゃんが結婚してしまう。
実はふみちゃんは千津ちゃんと一線を越えた関係が・・・・・。
身体を許した相手の裏切りともいえる行為にふみちゃんは泣き崩れるしかなかった。

傷心のふみちゃんが高校で文芸部と間違えてバスケ部に入部してしまう切っ掛けとなった
先輩との出会いがあった。
同性愛の女の子と同性愛ではない女の子。
冒険の始まりが「ボーイ・ミーツ・ガール」であることは
宮崎アニメの名作「天空の城ラピュタ」を観れば明白であるが、
では「ガール・ミーツ・ガール」は何のスタートなのか?

付き合うことになった先輩との関係は親友となったあきらにも言うことを躊躇ってしまうような「秘め事」のようなもの。
実は先輩にも秘密があった。先輩は以前はあきらの通っている藤ヶ谷女学院高等部に通っていた。
でも、好きになった演劇部の顧問の先生に受け入れてもらえず退学した。
で、その頃の後輩の女の子に先輩を想い続けている子がいて、あきらの友人。

進むのは茨の道か?はたまたけもの道か?
「女の子」って男の子よりも同性愛に陥りやすいのかもしれないな・・なんて思った。
心細いとき優しくされたら・・・可愛い子を可愛がることも抵抗はないだろうし・・・。
そして「少女性」は陽炎の如き青春のごく一瞬の煌きにも似たものなのかもしれない。
人は「同じ場所に一瞬たりとも留まってはいられない生き物」なのだ。
だからこそこの作品ではそのせつなさが「一層映える」のである。

漂うのは「危うさ」である。嵌りやすく、惑いやすいのだ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-11 23:18:39] [修正:2012-01-03 09:48:19] [このレビューのURL]

8点 ITSUKIさん

一巻の結構怒涛な恋愛模様の移り変わりに正直ついていけず、いったんはそこで読むのを止めていたのですが、続きを読んで正解でした。

漫画としての読みやすさは「放浪息子」にも負けない位良いと思いますが、扱う題材の面白さ・とっつきやすさは個人的には少し及ばないかなという感想です。

あーちゃん、春花をはじめ、その他にもポンちゃん、モギー、やっさんなどの良い脇役がいるから重くなりがちな雰囲気が軽くなってくれています。
ふみちゃんと杉本先輩と京子しかでてこなかったらホントに一巻で読むのやめていたでしょう。

あと「お嬢様学校」な雰囲気がとても出てて凄いです。
なんていうか女同士の恋愛がごく自然にありそうな雰囲気というか。
モデルとなった学校もとても作風似合っていて、良いチョイスだと思いました。

志村貴子先生の作品はこれで4作目ですが、現時点では「放浪息子」の次にお薦めしたい作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-22 23:50:06] [修正:2010-07-22 23:50:06] [このレビューのURL]

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