百鬼夜行抄のレビュー
8点 とろっちさん
主人公は祖父譲りの強い霊感を持ち、霊的なトラブルによく巻き込まれますが、
彼は退魔などを専門としていない一般人であり、基本的にはただ「見える」だけ。
妖怪や霊の類と戦ったり、逆に仲良くなったりするのではなく、
あくまでも畏怖の対象として描かれている点が良いです。
伏線が効果的に張られたミステリー仕立てのストーリーと、繊細で艶やかなタッチの幻想的な絵柄。
作品の雰囲気は、時にシリアスに、時にコミカルに、時にほのぼのと。
しかしその裏側には、気を抜けば引きずり込まれる恐怖が常に存在しており、
生と死が隣り合わせで身近にあることを感じされてくれます。
和の美しさ。迷信の怖さ。伝統の大切さ。そして人の思いの強さ。
恐ろしい話も、心温まる話も、考えさせられるような話もあり、
読むごとにじわじわとその面白さが伝わってくる良作です。
ちょっと読んだだけではこの作品の良さが伝わりにくいのが残念。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-03-28 17:29:52] [修正:2010-03-28 18:15:36] [このレビューのURL]
6点 Mサトゥーさん
文庫版10巻まで読んだ感想です
祖父から霊力を受け継いでしまった主人公が、自分の能力に振り回されながらも、異界の住人と
折り合いをつけて日々を過ごす話です。
タイトルは本格ホラーっぽいですが、自分には「少し不思議な話」くらいな感じでした。
おどろおどろしい話もありますが、割合としては多くないように思われます。
現代を舞台にして古風な雰囲気のなかで送られる主人公達の日常はどこか新鮮です。
繊細な絵で描かれる妖魔は時に美しく、時に滑稽で飽きがきません。やたら祓ったり倒したりしないのも◎です。
主人公の家族や親戚たちも魅力的で、特に主人公の父親(?)と叔父さんがいいキャラしてます。
絵柄は非常に綺麗なのですが、顔の描き分けが微妙で見辛い時があるので-1点です。
たまに複雑な話があり、自分は完全に理解するために読み返しが必要でした。
民俗学などを知っていればもっと楽しめたかもしれません。
良作です。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-02-25 00:32:04] [修正:2009-02-25 00:32:04] [このレビューのURL]
7点 臼井健士さん
いちおう妖怪ものに分けられる漫画だが、「おどろおどろしさ」よりもむしろ画集が出るような作者の絵の美しさのほうが目立つ。
幼い頃から作家であった祖父の血を引くせいで霊感の強い主人公と、その周囲の人々が経験する不可思議な事件にまつわる「この世にあらざるものたち」。
だがそれらの多くは我々人間の浅ましい欲が生み出したものだったりする。
日常の平穏さとその影に潜む「非日常的」な妖魔のものたちとのストーリーは、平和の裏にある危険を示唆しているようでドキッとさせられる。
妖魔たちの目から見れば、我々人間はさも滑稽な生き物と映ることであろう。
そういえばこの漫画のタイトルで、四字熟語にもある「百鬼夜行」(化け物が群れを成して、ねり歩くこと)の読み方は「ひゃっきやこう」ではなく、「ひゃっきやぎょう」が正しいようです。
つまりこの漫画も「ひゃっきやこうしょう」ではなく、「ひゃっきやぎょうしょう」と読むのが正しい・・はず。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2012-01-07 08:50:39] [修正:2013-08-15 14:02:49] [このレビューのURL]
8点 キマグレさん
絵、特に表紙が上手くて綺麗。
また一つ一つの話が深くて、面白く不思議な余韻が残る感じ。
でも、ストーリーの構成でおかしなところがあった。
何回読んでも飽きがこなくて、古い日本の文化?民俗学?を知ることが出来る素晴らしい作品だと思うので是非一度は読んでみてほしい。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2012-08-27 23:36:17] [修正:2012-08-27 23:36:17] [このレビューのURL]
5点 blackbirdさん
せっかく面白い切り口で、話も絵も楽しめるのですが、
入り込めたのは6,7巻位(文庫本)までだったでしょうか。
残念ながら、私の理解力が落ちたのか、その後はストーリーの組み立ても、時間や場面の設定も、キャラたちのかき分けもわからなくなってしまいました。絵もかなり乱れてきた感じが・・・。
ただ、尾白と尾黒のコンビと、気まぐれな青嵐は大好きですね。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-04-13 00:08:39] [修正:2011-04-13 00:08:39] [このレビューのURL]
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