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6.5点(レビュー数:4人)

作者夏目義徳

巻数8巻 (完結)

連載誌週刊少年サンデー:2001年~ / 小学館

更新時刻 2010-11-11 00:06:56

あらすじ 統兵衛は、生前の16年間で数多の大罪を犯し、処刑された極悪人。
地獄に落ちて、300年間、反省どころか未だに脱走を企てる統兵衛に、地獄の首魁・エマは現世の罪狩りを命じる。
罪が実体化した“咎(トガ)”を狩るための木刀“咎狩”で、一〇八日間の間に一〇八の罪を集めれば、統兵衛は
自由の身。ただし、現世の秩序を乱したり、罪を犯してはならない。
現世に降り立った統兵衛は、さっそく最初の罪を回収し、少女・いつきを救出。
だが、現世のあまりに激しい変貌振りに、とまどう統兵衛。
地獄の監視役・オセが見守る中、さらなる悪を求めて闘いが始まる!
(――以上、トガリ2巻のあらすじより)

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トガリのレビュー

点数別:
1件~ 4件を表示/全4 件

7点 チーズカバオさん

出す時代が早すぎた、又は遅すぎた不運な名作。

本作は藤田和日郎や師匠である皆川亮二の作品に通じる、90年代前半のサンデーの名作アクション漫画に近い趣きがあった。そして、そういった作品を好む読者からは一定以上に評価された、硬派な王道ピカレスクアクション作品だった。
特に魅せゴマの作り方や、主人公の葛藤の描写は秀逸で、ところによっては師匠以上のセンスを発揮していた。

だが、不運にも発表された時代が悪かった。
当時はサンデー誌面のカラーが低年齢層化する過渡期であり(固定ファンの多い藤田や皆川作品の読者も年齢層が高まり単行本派にシフトしていった時期で、本誌では基本的に後ろの方に掲載されていた。本誌のメイン読者層にはバイオレンスアクションより、ガッシュやうえきの法則等の、低年齢層向けのポップなバトル漫画がウケていく時期だった)、本作の優れた部分が当時のサンデー読者にイマイチ評価されないまま打ち切りという憂き目を見ることとなった。

もし発表される時期が、進撃の巨人等のヒットを受け漫画のアプローチが多様化した現在であれば、もしくは藤田や皆川等が最前線でブイブイいわせていた90年代前半から中頃であれば、世間での評価は大きく異なったのではないかと思ってしまう。

なお、打ち切りの約10年後にフラッパーに連載の場を移し無事に完結しているのだが、その頃には夏目義徳が漫画界の荒波にもまれてセンスが衰えてしまったように思える。
個人的にはやはり打ち切られずに、当時の勢いのまま完結させてほしかったという無念が残った(それでもラストは非の打ち所のない、完璧なものだったが)。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2020-11-13 09:56:38] [修正:2020-11-17 13:00:36] [このレビューのURL]

6点 ankoさん

罪と罰をテーマにしたと思われる伝記アクション。

テーマが重いので一般受けされず、途中で打ち切りっぽい終わりになってますが、その後、別雑誌で再開(咎狩 白)、完結させた作品。

絵もストーリーもよく練られていて良作だと思うんですけど、少年サンデー誌上で完結出来なかったのはサンデーっぽくないからかな?(苦笑)
連載時はバブルまっさかりだったし、世紀末か現在なら違った受け止められかたをされた作品だった気がします。

少年誌で描けるギリギリのダークさ(ストーリーが)で、ちょっとキャラ構成に難があるかも(主人公に匹敵する魅力あるキャラがいない点で)ですけど、それ以外の点で特にマイナス要素はないと思います。

続編含めても一気読みしやすいので、未読の方はどうぞ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-07 01:30:57] [修正:2011-11-07 01:30:57] [このレビューのURL]

7点 十歩神拳さん

当時サンデーで大好きだった作品。

主人公の統兵衛自身は基本的には必殺技も特殊能力も持っていなく、攻撃方法は木刀を振るだけ。そのため並みの漫画家では戦闘シーンが残念なことになりかねないのですが、この作品は作者の圧倒的な演出のセンスにより非常に格好良く仕上がっています。

驚くべきことに、最近月刊コミックフラッパーで続編に当たる「咎狩白」の連載を始めたので、念願の完結を見られそうです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-02 14:08:47] [修正:2009-12-05 16:05:09] [このレビューのURL]

6点 団背広さん

最初は残酷で人殺しをなんとも思わないような極悪人だった主人公が、罪の化け物を倒すうちに罪悪感に目覚めて葛藤する…というテーマが少年サンデーには不向きだったのか、少なからずファンもついていたのに打ち切りになってしまった作品。
作品中にも少年漫画でこれをどうやったらいいんだろうか的な作者の迷いが見られる気が…もともとは青年誌向きなんだろうね、この人は。

しかし特筆すべき部分があるんですよ、この漫画。演出がスゴイんです。
この作者は1コマを際立たせる技術がムチャクチャ上手く、下手な映画監督より演出技術があります。構成はトガリの時点ではまだちょっと…というところですが、それが気にならないくらい上手い。これはかなりの才能ですよ。
まだ構成が拙い故に話の途中でちょっとダレてきたかなーと思う部分もあるんですが、それでも演出で引っ張る引っ張る。この力技(って言うと失礼かねぇ)はほんとにスゴイ。
この映像演出、だいぶ漫画を読み込んでる人でも驚くところがあると思います。未読なら是非。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-05-03 23:27:59] [修正:2005-05-03 23:27:59] [このレビューのURL]


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