アドルフに告ぐのレビュー
10点 デビルチョコさん
サスペンス漫画の傑作。
戦争や差別がしっかりと描かれており、
更に史実と上手く絡めたストーリー展開に引き込まれた。
最後も見事。
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[投稿:2015-02-12 23:23:44] [修正:2015-03-15 13:15:51] [このレビューのURL]
7点 paranaさん
手塚治虫の後期作品で硬派なサスペンス作。
アドルフ・ヒトラーの出生の秘密が記された書面を巡って
点々と描かれたストーリーが一つの線に繋がって行く様は圧巻。
ストーリーは複雑ながら綺麗にまとまっており、読む者を夢中にさせる。
手塚先生のストーリーセンスを称賛せざるを得ない。
ただ、ページの都合か、ヒトラー死後のストーリーが大分端折られているのが残念。
最低限、カミルがパレスチナに行き様変わりした経緯は描写して欲しかった。
また、できればランプvs峠の最終決戦が読みたかった。
ストーリーの端折りさえなければ、確実にもっと高得点の評価を付けたことだろう。
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[投稿:2014-05-24 11:53:54] [修正:2014-05-24 11:53:54] [このレビューのURL]
8点 pazzoさん
手塚作品の中でも上位にくるお気に入り作品。
民族や宗教の対立が親から子へ受け継がれていってしまうことの悲劇を描いている。
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[投稿:2013-03-11 17:32:46] [修正:2013-03-11 17:32:46] [このレビューのURL]
7点 DEIMOSさん
ヒトラー出生に関する秘密文書を巡って、アドルフの名を冠する二人の少年による数奇な運命を綴った戦中譚。
第二次大戦下のドイツと日本を舞台に、ヒトラー出生に関する秘密文書を巡って人間がひたすらに「すれ違う」様は、もどかしくも滑稽で、数奇な運命の連鎖が読者を飽きさせない最大の仕掛けとなっている。あたかも「めぞん一刻」で五代君と響子さんの想いがすれ違い続けたように―。このモチーフの上に複数の小さなサスペンスや恋愛ドラマが折り重なりつつ、タイトル「アドルフに告ぐ」という名どおりの終結に向かって見事にストーリーが収束していく様は圧巻だ。
手塚治の晩期に非漫画雑誌で連載された本作。手塚作品の中でも異彩を放つ。同時期のブラックジャックの絵柄は、画線の「ブレ」が露見されるが、本作では、比較的しっかりとした筆跡を感じられる。それだけ作者の格別な思いが詰まっているということか。
なお、史実との関係については、秘密文書の存在も含め、多分にフィクションが混在していることに留意したい。しかし、ユダヤ人の迫害と彼らが世界の経済界・学界等で大きな存在感を示す現実の裏に何があるのか、人はなぜ人種差別をするのか等、歴史上の本質的問題について思索に耽るには十分すぎる歴史「小説」だといえるだろう。
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[投稿:2013-03-03 18:05:27] [修正:2013-03-03 18:13:02] [このレビューのURL]
5点 勾玉さん
ヒトラーはユダヤ人だったという俗説を元に
ヒトラー出生の文書を巡り奔走する日本人青年の奮闘と、
アドルフの名を持つ2人の少年の宿命を描いた物語。
ナチスに忠誠を誓いつつも
幼馴染の親友、そして意中の女性がユダヤ人であるという
事実に苦悩するカウフマンの悲哀は、
同作者の「火の鳥」に匹敵する人間ドラマを感じさせます。
一方で日本人青年の峠草平のキャラクターにはあまり魅力が感じられず
文書を巡り東奔西走する導入部は少し退屈に感じてしまいました。
またエピローグ的にあっさりと語られるイスラエルでの一節も味気なく
著者の他の名作に比べると、本作はいささか物足りない印象があります。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2012-10-20 19:49:18] [修正:2012-11-04 18:17:10] [このレビューのURL]
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