ポーの一族のレビュー
7点 とろっちさん
少女漫画における最高傑作との呼び声も高い古典的超名作。
永遠であるがゆえの孤独。少年であり続けるがゆえの儚さ。
愛する人を失った喪失感までも永遠に持ち続けなければならない辛さ。
永遠の時を生きる運命を背負わされた悲しみを描いた、繊細で優美な物語です。
ある意味一つの芸術品とも言える完成度を誇り、この作品自体に人を寄せ付けないような
圧倒的な雰囲気があるため、誰にでも親しみやすい作品ではないことも確か。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-04-29 22:28:23] [修正:2010-04-29 22:28:23] [このレビューのURL]
10点 ttnkさん
作者がこの作品を描いたのが20代そこそこだと言うのだから、まったくもって信じがたい。
舞台はヨーロッパ。遥かな時を越えて生きるバンパネラたちの美しくも悲しき物語。
この作品こそ不朽の名作という名に相応しいと確信している。
現代の女の子達に是非是非読んでもらいたい。
絵柄も話を重ねるにつれ洗練されていき、より一層作品に儚い印象を与えている。
触れれば壊れそうな世界。これぞ少女漫画の醍醐味。素晴らしい。
主人公エドガーの紳士っぷりも必見。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-02-08 12:02:09] [修正:2009-10-11 19:09:57] [このレビューのURL]
7点 まれらさん
時代が前後する複雑な構成に戸惑ったが、作品世界の全貌がおぼろげに掴めてくるあたりで引き込まれる。良質なミステリーのような味わいで、相当の力量が窺える。永遠に生きる者の宿命と悲しみを繊細かつ緻密に描いており、不朽の名作としての評価も納得。絵も古典的なタッチながら、ファンタジー世界を芸術的に描き出している。
そこまで理解した上であえて難点を言えば、あまりに格調が高すぎて敷居が高い印象を受けるところか。漫然と読んで楽しむような作品ではないので、あまり無節操に他人に勧められない。国境を越え時代を超えて輪廻するエピソードを相互に関連づけながら読むのは思いのほか骨が折れるし、美文調の散文詩のような表現も技巧に過ぎるように思う。
読者側にも味わうためのスキルを要求されており、そういった部分も含めて実に大作然とした作品。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2008-01-23 21:13:50] [修正:2008-01-23 21:13:50] [このレビューのURL]
10点 ぷたりうさん
不朽の名作。
これだけ繊細なペン使いで繊細なストーリーを描ける人が今いたら教えて欲しい。これは反語ではなく,ほんとに生きているうちにもう一度これだけの作品に出会いたいと感じる。作者本人でさえ,作風が変わってしまった今,この世界を再度表現することは不可能。奇跡のような作品だと思う。
この作品には「さとう菓子」ということばがぴったりの甘いファンタジーの世界と,永遠のこどもでありながら,永遠の時を生きる運命を与えられた主人公たちの過酷さと喪失感が同居していて,なんて名前をつけていいかわからない感覚におそわれます。
また,時を超えて生きる彼らと絡む「人間」のストーリーが時代を前後しつつ描かれていますが,その描写はヒューマニスティックで軽い話も重い話も残ります。作者の人間やその歴史に対する深い造詣と愛情を感じる。しかし,説教くさいところはみじんもないクールな作品です。ちょっとほめすぎですかね。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2007-12-03 12:40:20] [修正:2007-12-03 12:40:20] [このレビューのURL]
7点 gundam22vさん
人外など永遠の命で生きなければならない悲哀、各編で色々な場所を巡る一話完結、時系列シャッフル、ボーイズラブ(本作では現在のそれ向けに比べると広義愛に過ぎないが)、今では当たり前ながら当時では斬新な要素が豊富で今読んでも面白いとは思えました。
昔の少女漫画の絵柄、作風もやや詩的に過ぎて、耽美なのはともかく舞台的悲劇のヒロインが濃いのは仕方ないところでしょうが。
全体は主人公エドガー、ヒロイン妹メリーベル、親友アラン、三人の物語といえ印象深かったです。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2017-11-26 11:11:39] [修正:2017-11-26 11:12:08] [このレビューのURL]
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