ホーム > 青年漫画 > ビッグコミックスペリオール > 幽麗塔

7.6点(レビュー数:5人)

作者乃木坂太郎

巻数9巻 (完結)

連載誌ビッグコミックスペリオール:2011年~ / 小学館

更新時刻 2011-12-03 00:14:19

あらすじ 犯人は、幽霊なのか、人なのか……時は昭和29年、舞台は神戸。ニートの天野は、幽霊塔と呼ばれる時計塔で、白い何者かに襲われ死の寸前、謎の美青年・テツオに救われる。テツオは曰く「幽霊塔の財宝探しを手伝えば、金も名誉も手に入る」。しかしテツオの正体は、男を装う女であり、その名も偽名であった……

シェア
Check

幽麗塔のレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全5 件

6点 shunさん

[ネタバレあり]

評価することが難しい作品。
終始一貫した敵である死番虫の不気味さや、強敵さを終盤まで構築できたのに、
二話ほどで手放す謎展開。まるで死番虫の正体が消去法で決まってバツが悪いかのような幕引き方。
終盤から性的マイノリティの話にシフトチェンジして誤魔化しているような印象で、
サスペンスとしてかなり物足りない。中盤も必要性を感じないケシ栽培の村の話でダレるし、
週間連載が故のブレなのかなと感じた。

絵は少しだけ癖があるが、全体的に妖艶で迫力のある絵柄。
背景やその他の描写も舞台装置としては十分に機能している。

かなり頻繁にトンデモ展開を混ぜてくるが、全ては状況をつくり上げるためと割り切っている印象。
24時間潜伏する薬物で、時間内に解毒剤を・・・とか、
実は誰々は血が繋がっていて・・・とか、
サスペンスにありがちなストーリーとトンデモなファンタジーを散りばめた世界観に、
いい加減にしろと思わなくもない。
しかし物語を盛り上げるための展開と、キャラクターの変態性と質感たっぷりの絵柄で、
物語に引き込む力がある。
歪ながら風呂敷はたたみきっているし、道中のドキドキ感やテツオの魅力は楽しめた。
読んで損はしない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-02-10 11:34:17] [修正:2016-02-10 11:34:17] [このレビューのURL]

8点 gundam22vさん

名作「医龍」の後で話題が被ることなく、よくこれだけの作品が描けたなというミステリー&サスペンス作品。昭和前半の空気、この時代特有のおどろおどろしさが丁寧に表現され作品に引き込まれました。画力、演出は「医龍」同様にハイレベル。本筋の塔に関する事件を動かしながら、移動して他の事件を解決して行く時もあり、先が簡単に読めませんでした。大量殺人者である死番虫の正体には叙述トリック的なのを漫画媒体で上手くやられて見事に騙されました。細かい伏線も丁寧に回収しています。ジェンダー論をテーマに据えていますがそこについても説得力ある論調が出来ていました。
一方でその辺の微妙な問題を深く扱って、悪く言うと性的変態の集いみたいになっているので少々癖が強かったのは否めません。「医龍」に比べると最後までキャラに馴染みにくかったのもあります(変に人気沸騰で引き伸ばし路線に入らないでキッチリ終われて済んだという面もありますが)。あと死番虫に関しては手強さを描き、正体の謎と共に引っ張った割に、簡単に打倒してしまいあっさりです。真ラスボス役登場からの最終盤も面白さはあったのですが、掘り下げ(一応過去は真ラスボスの口から語られているが)や最後まで立ち塞がって欲しかったという気持ちもありました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-01-14 06:16:38] [修正:2015-01-14 06:19:35] [このレビューのURL]

7点 森エンテスさん

『医龍』のあとの作品だけに大丈夫だろうかと思っていたんですけど・・・・面白いです。

見事な作品だと思います。
実力がある作家なんだなとつくづく思いました。

乱歩とか好きなら、お勧めです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-11-03 19:47:37] [修正:2014-11-03 19:47:37] [このレビューのURL]

8点 s-fateさん

 江戸川乱歩の大人向け猟奇倒錯小説が好きな人にはストライクだと思います。さらに罠いっぱいの塔の中に財宝が、なんて設定も付いてくるのでなおさら。時代も昭和二十年代後半と微妙に近代化が進んでいない時期を設定していますので、隔離された島、村の忌むべき因習とかそういったものも織り込んできたりします。
 しかしなんといってもこの作品の中では性的倒錯が異彩を放ってると思います。男装の麗人だけど実は当時では社会的認知が進んでなかったであろう性同一障害に悩まされるテツオ、敏腕検事として圧倒的権力を持つ丸部の一言では言えない特に妹への嗜好。ついでに流されて女装した結果やや覚醒しつつある天野、ガチショタ刑事山科など、主なところだけピックアップしてもお腹いっぱいです。
 また、晩年の江戸川乱歩を彷彿とさせる土蔵で執筆する小説家が出てきたり、妹を深窓の令嬢に育て上げて、普通の生活には耐えきれなくして見えない鎖でさらに縛り付ける丸部の闇の深さの演出など、小技があちこちで効いているところもこの作品を重層的に面白いものにしていると思います。
 今後が楽しみです。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2013-11-04 01:23:22] [修正:2013-11-04 01:23:22] [このレビューのURL]

9点 asd5さん

なんですかこれは! 面白い!
謎ありかわいらしさあり恐さありとにかく魅力的なキャラクター「テツオ」、
昭和のミステリー小説でお馴染みのあの空気感・時代感、ほんのり漂うエロス、
迫り来る謎、謎、謎に振り回されずしっかり描写されるキャラクター、キレイな絵。
あまりに謎が多すぎる点とちょっと話が1つ1つ飛躍してる感もありますが、
今後も楽しみな漫画であることは間違いありません。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2012-05-12 20:21:48] [修正:2012-05-13 20:22:21] [このレビューのURL]

PR


幽麗塔と同じ作者の漫画

乃木坂太郎の情報をもっと見る

同年代の漫画

ビッグコミックスペリオールの情報をもっと見る