「MAGES」さんのページ

総レビュー数: 32レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年04月07日

[ネタバレあり]

身も蓋も無いことを言ってしまうと、読者にとって作品が持つテーマなんて何を扱ってようが構わないんですよね。
ただ、キャラクター達がそれに即して行動し、考え抜いた挙句に自分なりの結論を出す様がしっかりと描かれているということは非常に重要だと思うわけです。

この作品においてのテーマは贖罪。かつて多くの人間を殺めた主人公はその自責の念に作中常に苛まれるわけですが、大事な人を救う為だったり、誤った道へと進もうとしている者を説得するためだったり、或いは国家転覆を狙うテロリストから日本を守る為に、悩みながらも自らの力を振るっていきます。
そして最終章において一度はどん底に突き落とされた主人公が復活し、求め続けていた贖罪に対する答えを最後の最後に導き出す。そこでようやくこの物語のテーマは完結するわけです。

この漫画の評価内容で多いのが、いわゆる京都編で終わっておけば良かったというものなのですが、確かに少年漫画としてみるならば勢い良しバトル良しの京都編は傑作だと思います。しかしこの作品が持つテーマと真正面から向き合い決着させるには、その後の人誅編こそが物語の核心部ではないでしょうか。
それまでのお話に比べて勢いが無くなった。話が重く、暗くなった。少年漫画という括りで見るなら決して喜ばしいことではありません。しかし「るろうに剣心」という作品を本当の意味で完結させるにはやはりこの章は必須であると感じますね。

悩んで悩んで悩みぬいて、ついに自分なりの答えを出す。そのプロセスをちゃんと描いているからこそ、読み手も感情移入できるし、キャラの心情も伝わってくると言うものです。その点において優秀なこの作品は評価したいなぁ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-07-24 22:33:44] [修正:2009-07-24 22:33:44] [このレビューのURL]

8点 銀と金

アカギやカイジなどを手がける福本伸行先生の作品。
前述の作品に比べると知名度はやや劣りますが読み応えは抜群です。

各々の人物の緻密な心理描写、莫大な財産や自らの命を賭けた緊張感溢れるギャンブル、知略走る駆け引き等々の福本漫画ならではの持ち味が遺憾なく発揮されており、特に勝負方法が常に斬新で先の展開の予想を許さない意外性に満ちているのも魅力。
この作者さんの作品の中では一番のオススメです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-12-25 04:56:54] [修正:2008-12-25 04:56:54] [このレビューのURL]

これだけの長期に渡って連載を続けているのに、作品に一定のクオリティを保ち続けているのは素直に凄いと思います。

ひとりひとりのキャラクターの掘り下げも丁寧だし、何より試合の描写は迫力満点。名作です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-04-24 23:48:55] [修正:2008-04-24 23:48:55] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

深く造りこまれたストーリー、個性的で魅力あるキャラクター達、哀しくも熱い名シーンや名言の数々など素晴らしい要素のあふれた作品。
それだけに終盤の駆け足すぎる展開には少々拍子抜けしたけど、それを差し引いてもこの点数で。一読の価値アリです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-04-07 16:39:46] [修正:2008-04-07 16:39:46] [このレビューのURL]