「いーらび」さんのページ
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7点 鋼の錬金術師
この手のよくある漫画の中では、芯がしっかりしていて面白い方だと思う。
キャラの志が高く、話にも惹きこまれる。
ただ魅力はあるものの、今ひとつ足りなかったのが残念。
善悪も良く描けていて、しっかりと作り込まれた世界ではあるが、
多くの登場人物が、各々今どこにいて何の目的で動いているのか、といった描写が弱い。
ホムンクルス中心になり過ぎて、当初の目的がブレていくのも気になる。
折角魅力的なキャラが多いのに、活かしきれていないところも然り、全体的に薄い印象。
(どうしても『からくりサーカス』とリンクさせてしまうためか、比較するとその薄さが際立つ。)
独りよがりな運びが気になり出したと思ったら、途中からそれがどんどん加速して、
気が付いたら終わっていたという感じ。
単純に面白いが、もう一歩を期待出来た話だけに残念。
巻末の四コマこそ傑作である。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-09-29 12:05:11] [修正:2010-09-29 12:06:54] [このレビューのURL]
10点 三つ目がとおる
個人的に一番好きな手塚作品。
三つ目族が残した遺産を、その末裔写楽が、
桁外れの知能「第三の目」で読み解いていく。
彼の存在そのものが時にとんでもないことを巻き起こすが、
その常人離れした頭脳、発言、行動がとにかくブラックユーモアに溢れていて魅力的。
ドジで可愛い、いじめられっこの絆創膏写楽が、悪い三つ目写楽になった途端、
同級生への仕返しをクールにやってのけるところなんか痛快の極み。
あのギャップが堪らない。
遺産を狙う愚かな現代人と対比され、冷徹にすら映る三つ目写楽だが、
実はとっても人間的というところも憎めない。
全編が古代遺跡に絡む冒険で、知的好奇心をくすぐられて面白い。
そこかしこに古代人のメッセージも織り交ぜられ、考えさせられる。
主人公写楽保介とヒロイン和登千代子の名前を、
シャーロック・ホームズとワトソン博士から拝借したというセンスも流石。
名コンビ。
「アブドルダムラル、オムニスノムニス、ベルエスホリマク!我とともに来たり、我とともに滅ぶべし!」
三つ目写楽が、赤い矢印を呼ぶこの決め台詞が好き。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-24 17:48:07] [修正:2010-09-24 17:51:06] [このレビューのURL]
6点 MASTERキートン
『シャーロック・ホームズ』のように、
これは小説として読んだ方が、格段に面白い。
というのも、原作の出来が秀逸な割に、漫画の視覚的面白さが足りない。
はっきり言って、この作品に絵はいらない。
各々の想像力で自由に世界を構築していく方が、数倍は楽しめるだろう。
表情も動きも運びも単調で退屈。
これでは漫画として表現したことが無意味。
考古学や、外国(主にヨーロッパ)の文化的価値観など、目新しい話題が豊富なところや、
ウィットに富んだ人間同士のやり取りが、簡潔で素晴らしいだけに非常に残念。
個人的には終始物足りなさを感じた。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-09-22 19:12:27] [修正:2010-09-22 19:12:27] [このレビューのURL]
2点 境界のRINNE
『犬夜叉』に続いてこれ。
最近の高橋留美子には、全くもって衰えしか感じない。
それ程にこれは酷い。
まずヒロインに可愛げがないのが致命的。
六道に対しても、とる態度がいちいち癇に障る上、
何を考えているのか何をしたいのかも伝わらない。
全く可愛くないのに「かわいい」の描写には閉口するばかりで。
作者の独りよがりに終始ついていけない。
戦闘シーンにも何ら緊迫感が無く、そもそも必然性が無いから
何がどうしてこうなのかという作品の根本に入り込めない。
その上、肝心な熱意が感じられない。
生活かかった崖っぷちの、必死でがむしゃらな、そんな若さ
から生まれ出る名作の匂いがまるで無い。
余生を漫画で…?もはや自堕落にしか感じられない。
この程度の物を、
これからもサンデーで延々と連載していくこと自体疑問。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-08-05 15:23:45] [修正:2010-09-06 12:51:25] [このレビューのURL]
10点 まんが道
志を同じくする2人が出逢い、切磋琢磨し合い、
人との関わりに助けられながら漫画家になっていく過程。
その全てが不思議なまでに運命的で面白い。
満賀と才野の血の滲む様な努力に、「本気」の凄さを思い知らされる。
好きで描いていた頃とは明らかに違う、締め切りに追われるプロの厳しさ。
裏には想像を絶する努力があったということに驚かされる。
生半可な覚悟では到底歩めない『まんが道』を、
2人で支え合って進む様が微笑ましい。
よほど仲が良くなければ、出来ない芸当である筈の合作。
それを自然に継続していく姿は、羨ましくなる程に清々しい。
2人で1人となって漫画に人生を捧げた、正に不屈の『まんが道』。
その生き様には学ぶものが多々ある。
そして忘れることが出来ないのが、手塚治虫の存在。
独り雲の上を突き進んでいた神様。
多くの漫画少年たちに夢を与え、今日の礎を築いたその偉大さが、改めて身に沁みる。
彼の功績なしに漫画は語れない。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-09-01 19:17:34] [修正:2010-09-03 17:40:23] [このレビューのURL]