「ぽこらて」さんのページ

総レビュー数: 13レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年02月23日

エヴァに似ている、というような前評判を耳にして読んでみましたが、正直そこまで似ているというほどでは無いですね。
少年少女がロボットに乗って敵と戦う、という部分についてはエヴァと同じですが、こちらは「生と死」をテーマに据えているので、作品の雰囲気はエヴァとは全然違います(あちらは青春群像劇と言われているのかな?)。
「死」をテーマにしているので、暗い雰囲気だったり、残酷な描写があったりすることもありますが、目をそらさずに読んで欲しいと思う。

『「死」が「生」に価値を与える。』

これは個人的な哲学ですが、「ぼくらの」でもそういったメッセージがあった気がします。

中学生の頃といえば、誰もが「死」について考え始める時期であり、だけど、生きている事をリアルに実感できない年頃でしょう。
そうした同じ年頃の少年少女が死のロボット(ロボットを操縦すると必ずパイロットが死ぬ)を通して取る選択、そこになんとなくですが、生のリアルさみたいなものを感じました。

とくに最終巻は読んでいて鳥肌が立った。
生きているのが当たり前の現在の日本では感じることの無い現実。

ぼくらは、他の生命を殺して生きているんだ、という現実。

それを少しだけですが、体感できた気がする。

話が少しズレますが、自分は今まで自殺について割りと肯定的な意見を持っていました。
その人が苦悩しながら出した決断な訳だから、第三者が無責任に口を出すべきじゃないと思ったからです。
だけど、「ぼくらの」を読んでその考えに自信が無くなってきました。
他の生命を殺して、今自分達が生きているのなら、生きている事は権利ではなくて義務なのかもしれません。

難しい問題なので、「ぼくらの」で書かれていることについては当然賛否両論あるのかも知れませんが、自分は非常に惹きつけられました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-03-14 19:22:44] [修正:2011-03-14 19:22:44] [このレビューのURL]

ジャンプ好きにとっては中々興味深い内容。美化されてる部分がある気もしたけど、普段知ることの無い漫画家の仕事風景を知れて面白い。それでなくとも、漫画家の仕事に興味を持っている人は多いと思うので作品のネタとしては上手い所を狙ったと感じる。

主人公達の目的意識もはっきりしている(人気漫画化になりアニメ化する事!)ので作品にも入り込みやすくて良い。
七峰編ではネット上の「自称漫画評論家」の実態を描けていて、漫画のレビューを書いている自分としても耳が痛くなる時も。

ただ、絵についてはデスノートやヒカルの碁の時と比べると質が落ちた気がする。少年漫画らしさを出すためにわざとやっているのかもしれませんが、前の絵の方が好きでした。

何度も読み返そうと思うほどではないが、最近のジャンプ漫画のなかでは良作だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-03-09 20:57:04] [修正:2011-03-09 20:57:04] [このレビューのURL]

7点 ARMS

小粒だが辛い、そんな感じの漫画。何気なく読んでみたら以外に面白かった。
一見少年向けのバトル漫画の様に見えるし、実際そういった要素もあるが、他のバトル漫画に比べると、アクションシーンだけでなく、登場人物たちの心理描写などが丁寧に掻かれていたり、設定や世界観がやたら凝っていたりするので青年から大人までも楽しめると思う。

戦闘に関しては、力任せのゴリ押しだけで敵を倒していくわけじゃなくて、ある程度の「作戦」に基づいて戦っていく理論型のバトルです。逆に言えば、「バトル漫画はとにかく勢いだけあればいい」と思っている人にはこの漫画は向かないかも・・・。

絵が苦手な作者なので個人的にそこが少しマイナスですが、良作漫画であることは間違いないかと。
「ARMSとよばれる謎の武器を移植された子供達が・・・」という平凡なあらすじからは想像も付かないほど奥が深い作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-03-01 16:48:27] [修正:2011-03-01 16:59:14] [このレビューのURL]