「みかん」さんのページ

この作品をきっかけに、幕末や明治維新に興味をもった方って多いのではないでしょうか。小学生の頃は(ふーん…)とあまり食いつけなかった歴史の授業も、この作品を読み始めて中学で再び日本史を習う頃には、大久保利通や自由民権運動など、興味津々で授業を受けていた記憶があります。

それはさておき…。。。罪と贖罪という一筋縄では答えの出せないテーマを扱いながら、少年漫画らしい魅力も取り込みつつ、ジャンプの人気漫画(当時はおそらく看板)としては珍しくテーマを描き切って終わるべきところで完結した作品だと思います。

キャラクターたちもそれぞれに「らしい」魅力があり、作中にも表現されていたように、何が正しいか、何を幸せと感じるかは自分の物差しだけでは決めつけられない所が面白かったです。主人公サイドだけでなく敵サイドにも魅力を感じるのはこういった部分が影響してるのでは。

惜しむらくは、最終章である人誅編の縁以外の敵キャラ(特に呉黒星一味)やバトルが、京都編の敵やバトルに比べてしょぼく感じられてしまったところでしょうか。おそらく根幹のテーマをどう描くかということの方に作者がいっぱいいっぱいで、敵やバトル面を丁寧に創り上げることにまで追い付かなかったのではと推測してしまいます。
それでも京都編までは文句無しに、リアルな世界観を残したまま剣術を巧く少年漫画風にアレンジし、動作が分かりやすく迫力もあり、優れたバトル描写だと感じました。

最後に、あまりこういった評価は見かけないのですが、作者は女性キャラの恋愛心理をなかなか巧く描いていると思います。薫・恵・操・由美・鎌足(心は女性なので)・巴。それぞれの恋心が絡んだ言動は女性視点でみて共感できる部分が多く、少年漫画を読む上でこういう風に共感できるのは珍しいと思います。

ナイスレビュー: 5

[投稿:2009-05-02 02:26:47] [修正:2009-05-02 02:26:47]