「みかん」さんのページ

総レビュー数: 29レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年04月27日

私個人としてはとてつもなく思い入れがあるという訳ではないのですが、改めて客観的に作品自体を振り返ってみると、かなり質の高い作品なのではと感じます。

可愛いだけじゃなくイラッとさせられる赤ちゃん・子供の言動なども主人公たちを通して伝わってくるし、また、その苛立ちと向き合い昇華していく様子も丁寧に描かれているので、読み手として様々な感情を体感しながら読み進められる作品だと思います。

「優等生で良い子」な主人公も、真面目すぎて頑固だったり、色々と気にし過ぎて却って状況を悪化させてしまう節があったりと欠点もちゃんと描かれているところに好感がもてました。

登場人物やそれぞれの家族も個性的で、主人公以外の人物目線の話自体も多いので、脇役キャラやその家族がお気に入りだという読者も多いのではないでしょうか。私は藤井くん一家の、もめ事が絶えないけれど絆がちゃんと深く感じられる所が好きでした。

ラストのエピソードはありがちといえばありがち。ですが、初期の読み切り作品への原点回帰のようにも思えます。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-05-05 01:01:16] [修正:2009-05-05 01:01:16] [このレビューのURL]

この作品をきっかけに、幕末や明治維新に興味をもった方って多いのではないでしょうか。小学生の頃は(ふーん…)とあまり食いつけなかった歴史の授業も、この作品を読み始めて中学で再び日本史を習う頃には、大久保利通や自由民権運動など、興味津々で授業を受けていた記憶があります。

それはさておき…。。。罪と贖罪という一筋縄では答えの出せないテーマを扱いながら、少年漫画らしい魅力も取り込みつつ、ジャンプの人気漫画(当時はおそらく看板)としては珍しくテーマを描き切って終わるべきところで完結した作品だと思います。

キャラクターたちもそれぞれに「らしい」魅力があり、作中にも表現されていたように、何が正しいか、何を幸せと感じるかは自分の物差しだけでは決めつけられない所が面白かったです。主人公サイドだけでなく敵サイドにも魅力を感じるのはこういった部分が影響してるのでは。

惜しむらくは、最終章である人誅編の縁以外の敵キャラ(特に呉黒星一味)やバトルが、京都編の敵やバトルに比べてしょぼく感じられてしまったところでしょうか。おそらく根幹のテーマをどう描くかということの方に作者がいっぱいいっぱいで、敵やバトル面を丁寧に創り上げることにまで追い付かなかったのではと推測してしまいます。
それでも京都編までは文句無しに、リアルな世界観を残したまま剣術を巧く少年漫画風にアレンジし、動作が分かりやすく迫力もあり、優れたバトル描写だと感じました。

最後に、あまりこういった評価は見かけないのですが、作者は女性キャラの恋愛心理をなかなか巧く描いていると思います。薫・恵・操・由美・鎌足(心は女性なので)・巴。それぞれの恋心が絡んだ言動は女性視点でみて共感できる部分が多く、少年漫画を読む上でこういう風に共感できるのは珍しいと思います。

ナイスレビュー: 5

[投稿:2009-05-02 02:26:47] [修正:2009-05-02 02:26:47] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

キャラクター一人一人が非常に魅力的です。次女ほのかの彼氏も、実際居たらあまり関われない苦手なタイプだけど、どこか憎めない。作者はどんなキャラクターも巧い具合に魅力的に描くのが上手だなぁと思います。
3巻でのうららの登場には驚いたし少女漫画的には掟破りな展開だったけど、相性としてみるととても納得のいくラストだったしキュンときました。どの話も読後感が温かくて素敵です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-28 00:45:35] [修正:2009-04-28 00:45:35] [このレビューのURL]