「コステロガーデン」さんのページ

料理漫画を媒体にした作者の偏見に満ちた思想書。

これほど食文化に関するノウハウや問題を
知識として取り入れるのに適した漫画はないでしょう。
そして、初期の海原雄山のいろんな意味でのすごさが読み手を夢中にさせました。
お前は何様?というくらいの悪漢パワーはすごいものがありました。
ただし、バブル崩壊後、美食ブームが去っていく中で、転換期を迎え、
親子対決をぼかしてしまい、それにあわせるかのように海原のパワーも激減し、
この作品の魅力がどんどん失われていきました。
特に最近は、マンネリ感、無理矢理感が随所に見られ、
人間ドラマとしての質もかなり落ちており、
それに追い討ちをかけるキャラの性格の豹変振り。
ましてや、初期の毒舌、暴言も見られず、つまらないの一言。

また、さまざまな問題に取り組む姿勢は評価しますが、
作者の頭が古いせいか、釈然としないモノが残ります。
いくら真実の一端を捉えているからといって、
偏り過ぎた思想を読者に押し付ける作風は危険極まりなく、
間違っても人には薦めたくない作品です。

◇この作品の個人的価値=92巻までで 2800円也

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[投稿:2005-08-16 12:28:00] [修正:2005-08-16 12:31:42]