「コステロガーデン」さんのページ

総レビュー数: 225レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年06月12日

パックが時々うぜえ!

連載当初はそんなに面白いとは思いませんでした。
画力も今ほどうまいわけではなかったですし。
でも多くの人が言うように
鷹の団編は別格の面白さがありました。

迫力ある戦闘描写に磨きがかかり、
彼らを襲う情け容赦ない設定とストーリーは
ベルセルクを大変魅力的な作品へと押し上げていく
大きな要因になってます。

何よりもすごいと感じたのは
グリフィスのカリスマ性です。
あれほどのカリスマ性を持たせることができてるキャラは
あまり記憶にありません。
できれば鷹の団編だけで作品を作って欲しいくらいでした。

最近の展開にはちょっと疑問を抱きつつも、
今は「つなぎ」としてのストーリーだと我慢して、
今後、鷹の団編以上のすばらしい内容を描いてくれることを、
大いに期待してます。

◇この作品の個人的価値=29巻までで 9000円也。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-04-08 18:15:57] [修正:2006-04-20 02:15:09] [このレビューのURL]

これぞカルチャーショック!

アジアの癌といわれ諸外国から嫌われまくっている日本人。
レジスタンス相手に啖呵をきったタカハシのセリフは、
されど日本人と思わせる名セリフでした。
日本人は根っからのビジネスマンなんだよなあと納得させられました。
いやいやかっこいいですよ企業戦士MADE IN JAPAN、金に埋もれて死んでゆけ。
発展途上国を大切に。近隣国を大切に。現地妻も大切にw
ああそういう私もメイドインジャパンだなぁ〜

◇この作品の個人的価値=全4巻で 文化交流1ヶ国分也

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-11-03 15:48:41] [修正:2005-11-03 15:48:41] [このレビューのURL]

ナイーブな内面とハードな現実のコントラスト(引用)

コミック巻末にある解説が、この作品の世界観により深みとコクを与えてくれて、
またしっかりとした知識の元で話が成り立っているので、
大人が読んでも楽しめる作品。

主人公ガリィの、戦いの中に自分の存在を求めるの姿が魅力的に描かれ、
彼女と一戦交えるサイボーグ連中も、機械の見た目とはウラハラに、
実に人間臭い複雑な感情を持ったナイスな連中ばかり。
賞金稼ぎあり、格闘スポーツあり、恋愛あり、さまざまな要素を取り入れ、
飽きさせずに作品に広がりを持たせているので、
濃い世界を楽しめると思います。

内容とは別にして面白いのは
映画「ローラーボール」を元にしたストーリーが組み込まれているこのマンガが、
今度は原作として、ジェームス・キャメロン監督の元、映画化されるという事。
映画から→マンガへ→そしてまた映画へ。
珍しい流れだなぁと思いました。
映画大国アメリカとマンガ文化のニッポン、
お互いが刺激し合って、パクり合ってのスキルアップは
映画ファン、マンガファンにとって嬉しい事なので、どんどんやってほしいものですね。

◇この作品の個人的価値=全9巻で 2700円也

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-10-11 19:22:06] [修正:2005-10-11 19:22:06] [このレビューのURL]

まさに和醸良酒の世界です。

酒に関する数多のウンチク、
ここに近代農業の問題、地域社会の問題が絡んできます。
それも物語を展開していく上での
欠かせない要素として絡んでくるのです。
これは本当に勉強になる作品。
ストーリーに関しては「良い話」という感想しか持てませんでしたが、
人生を酒造り一筋にかけるじっちゃんの生き様はすばらしく、
そしてまた切なかったです。

また「味」が絡んでくる為、やはり作者の表現力不足の感は否めませんでした。
確かに日本酒は世界一味が複雑な酒なので、表現は難しいと思いますが。。。
それでも日本酒への見方がだいぶ変わる良質の作品です。

◇この作品の個人的価値=全12巻で 3500円也。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-06-07 19:31:39] [修正:2005-10-09 22:39:34] [このレビューのURL]

この漢、温情にして豪快なり!

質の高い舞台や映画を観て高揚する感覚を憶えるほど、
この作品は美しさと優しさに溢れ、ロマンに満ちています。
原作の雰囲気を残しつつ、
少年誌という難しい枠のなかで作品を描ききった作者の意気込みと意地を感じます。
また、表情や仕種などの表現力がすばらしく、
心の奥底の感情を目もとや口もとの微妙な描きわけで適格に表現しています。

そして、とにかく主人公「前田慶次」の人柄がすばらしい。
人には上も下もなしとし、さらに人も獣も花も樹も違いがなく、それらを愛でし暖かな心と、
己の信念を貫く事に命をも惜しまない度胸の良さと、それを愉しみとするスケールの大きさには
男として、人として、思わずみとれてしまうものがあります。
彼に惹かれ、共にいくさ場で死ぬ事を誇りに思うもの、
または敵対するも、いくさ人としての彼の生き方を尊重し、尊敬し
合いまみえる事を喜びとするもの、
前田慶次のもとにはそんな真の男たちが自然と集まってきます。

戦国の世を自由奔放に駆け抜けた「前田慶次」という爽やかな風の物語は、
作品の善し悪しという次元ではない崇高なモノを感じずにはいられません。
終わり方もとてもよく、言葉ではなかなか表現できない、
なんともいわれぬ風流さと華やかさと儚さに満たされています。
より多くの人に読んでもらいたい、そう思える作品です。

◇この作品の個人的価値=全18巻で 5400円也

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-10-09 21:55:05] [修正:2005-10-09 21:55:05] [このレビューのURL]

壮大な生命を描きだす叙事詩。

まずはスケールの大きさに圧巻。
そして、これだけ世界を広げても
破綻もさほど見つからずにまとめきるという作者の力量には、
すばらしいと誉め讃えるしかないです。
全7巻ですが、内容の濃さと重いテーマも手伝って、
10巻以上の読みごたえを感じました。
(マスの小ささも関係しますが。。)
登場するキャラも非常にたっており、
それぞれがそれぞれの役割をきちんとはたしているのも良。
連載に長い時間を費やした分、世界情勢の影響からか、
当初あった視点がズレていき、それが終わり方に影響してしまったこと、
ナウシカがだんだん神がかり的な存在になってしまったこと、
難しいテーマゆえ、内容が難解になってしまったことのきらいがありますが、
人類の終焉という世界観のなかで生きる
さまざまな種族、生物の観念論の相違は、
現代に生きる我々に大きく訴えかけるものを残してくれます。
とても残念なのは、漫画というよりは絵コンテに近い画風が見づらいのと、
それを悪化させている紙質と印刷インクの色でした。
宮崎作品は「シュナ」にしてもこの「ナウシカ」にしても、
作品の特長を活かす印刷や製本の仕方を、もっと配慮すべきと思いました。

◇この作品の個人的価値=全7巻で 3000円也

ナイスレビュー: 3

[投稿:2005-08-07 21:46:58] [修正:2005-09-26 22:49:25] [このレビューのURL]

牧場を舞台にとびっきりの青春っしょ!

競馬にさほど興味のない私ですが、半信半疑で読んだところ
すっかり面白さにはまってしまいました。
たいして期待してなかったぶん、余計に面白かったです。
馬中心、騎手中心、レース中心の競馬マンガが多い中、
生産者側からみた競馬の世界というアングルは新鮮。

日常の何気ない生活の一コマをそっくりそのまま描いたような
丁寧なストーリー展開とリアルな会話のやり取りは、
他人の人生をのぞき見ているような面白さがあり、
それをぐいぐいと引き込み読ませるテクニックもすばらしいものでした。
時折見せるギャグも、同作者の作品「究極超人あ〜る」の頃に比べると
かなりレベルアップしているのを感じました。

作品全体として見せ場にインフレ感がないので、
いざ見せ場となるといやがうえにも盛り上がります。
その差がなんともいえず心地よく、
次はいつくるかもわからない見せ場に期待し、
ワクワクと待ちわびる気持ちになっていきます。

エンディングまでさほど失速させず、
また、わざとらしいクライマックスをつくらず、
日常的、現実的なストーリーを崩さずに
全26巻きっちり読ませた作者の力が感じ取れる秀作。

しいて言うなら後半のあの事件以降、
ひびきさんの魅力がなくなってしまったことが悔やまれます。

◇この作品の個人的価値=全26巻で 5200円也

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-09-06 20:23:36] [修正:2005-09-06 20:23:36] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

男の孤独と魂をうたう感動巨編。

少年院での出逢いから続く、ライバル力石との宿命の対決が終わる8巻までは
その強烈な面白さに、今なお熱狂覚めやらぬといった感じ。
そのあとの展開は、陰鬱で爽快感に欠けるもので、
リングの中に死に場所を見つけ、破滅への階段を一歩一歩登っていくような、
そんな悲愴感に読んでいて苦しくなるばかりでした。
でもこれは、ジョーを慕う白木葉子が抱える苦しみといっしょだということに気づき、
その結果わかった事は、
結局、読んでいた私自信も、矢吹丈が放つ眩いばかりの情熱と
それに反するように敏感で繊細な心と、
悲しいくらいに不器用な生き方に
すっかり魅入られていたことでした。

非常に残念なのは、
作品は知らなくても、これだけは知っているというくらい有名な、
力石が試合後に握手しようとして倒れるシーンや
ラストの真っ白に燃え尽きるシーンにいくまでの、
迫力や盛り上がりが欠けており、
淡白な味気のない構成になってしまった事でした。
この点に関してはアニメの方が断然良かったという印象です。

名作と謳われ、もてはやされいる作品ですが、
そういう先入観を持たずに読んだ方が、より面白くなることと思います。

◇この作品の個人的価値=全20巻で 7000円也

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-08-16 00:42:37] [修正:2005-08-30 22:11:28] [このレビューのURL]

8点 火の鳥

手塚治虫の先見性には改めて脱帽!

「面白い」というよりは「すごい」という表現が合う作品です。
壮大な時間軸で輪廻している巧みな構成は、きっと手塚治虫にしかできない究極の芸当でしょう。
手塚流の哲学で織り成すこの物語には、少数派な思想と説明くさいセリフが多く見られるので、
そこをどう感じるかで面白さが違ってくると思われます。
なにぶん宗教的な要素が強い為、嫌な人はとことん嫌かも知れません。

「黎明編」
まさに火の鳥が主人公。永遠の命に翻弄される人々の生きるための戦い。
「未来編」
想像できない程の時間の経過をみごとに描いています。すごい!
火の鳥を大傑作へと押し上げたすばらしい編。
「ヤマト・異形編」
ロミオとジュリエットばりの愛の惨劇。(ヤマト編)
巧みに因果応報を魅せています。一番恐い話かもしれません。(異形編)
「鳳凰編」
宗教性を全面に出した悟りチックな人生ドラマ。
「復活・羽衣編」
スタンリーキューブリックを思わせる天才的なストーリーは見物。(復活編)
内容は兎も角、面白い構成です。(羽衣編)
「望郷編」
ながい年月と壮大な宇宙規模で、望郷の思いを綴っています。切ない。。。
「乱世編」
源平の歴史と絡めた手塚流日本史。個人的には駄作。
「宇宙・生命」
斬新なコマワーク(宇宙編)・すごく深いラストのセリフが印象的。(生命編)
「太陽編」
個人的には一番マンガらしく、一番面白いと思える長編作。
「ギリシャ・ローマ編」
カラーが多いのが嬉しい、それ意外に特筆すべき所はなし。

この作品は、
思わぬところで他編と繋がっていたり、
各編に登場する猿田一族が手塚治虫本人に見えたり、
ちょっとしたところに他の手塚作品のキャラが隠れていたり、
何度読み返してもその度に新たな発見があるのも嬉しいですね。

完結した時に、全ての話が実は長い物語の一部に過ぎなかった
ということがわかる仕組みになっています。
そう言っていたこの作品も、ついには最終話まで目にすることも叶わず、
未完に終わってしまいました。。。
日中戦争の頃の中国を舞台にした「大地編」の構想メモと、
アトムが登場する予定だった「再生編」のタイトルを残して。。。

◇この作品の個人的価値=全17巻で 5000円也

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-08-26 22:36:40] [修正:2005-08-26 22:36:40] [このレビューのURL]

オシリの描写に命を賭けて。。。

恋愛モノは、基本的にあまり好きじゃないので、
評価の高いことはあまりないんですが、
この作品は、中学の頃に私自信が体験した恋愛にオーバーラップする部分があり、
感情移入してしまったためか、素直にうるうると感動できました。
この作品では、ヨータと貴志のその後は描かれていませんでしたが、
私の場合は親友との仲が元に戻るまで、7年ほどかかりました(笑)

出てくるキャラがみんな感じのいい人ばかりで、好感が持てました。
恋愛話にリアリティーはないものの、心理描写が多く描かれており、
そちらの方は共感できるリアルさが多く見受けられました。
この作品は、アイ編、レン編と2部構成ですが、
名のとおり、アイ編は「愛」がテーマで、レン編は「恋」がテーマです。
アイ編が本作で、レン編はあくまで本作のエピローグ的な役割になっています。
古典的なワンパターン設定が多い恋愛モノとはひと味違うところがとても良いです。
恋愛漫画という枠の中ではトップレベルの作品ではないでしょうか?

◇この作品の個人的価値=全15巻で 3000円也

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-08-07 21:58:42] [修正:2005-08-07 21:58:42] [このレビューのURL]

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