「コステロガーデン」さんのページ

総レビュー数: 225レビュー(全て表示) 最終投稿: 2005年06月12日

[ネタバレあり]

男の孤独と魂をうたう感動巨編。

少年院での出逢いから続く、ライバル力石との宿命の対決が終わる8巻までは
その強烈な面白さに、今なお熱狂覚めやらぬといった感じ。
そのあとの展開は、陰鬱で爽快感に欠けるもので、
リングの中に死に場所を見つけ、破滅への階段を一歩一歩登っていくような、
そんな悲愴感に読んでいて苦しくなるばかりでした。
でもこれは、ジョーを慕う白木葉子が抱える苦しみといっしょだということに気づき、
その結果わかった事は、
結局、読んでいた私自信も、矢吹丈が放つ眩いばかりの情熱と
それに反するように敏感で繊細な心と、
悲しいくらいに不器用な生き方に
すっかり魅入られていたことでした。

非常に残念なのは、
作品は知らなくても、これだけは知っているというくらい有名な、
力石が試合後に握手しようとして倒れるシーンや
ラストの真っ白に燃え尽きるシーンにいくまでの、
迫力や盛り上がりが欠けており、
淡白な味気のない構成になってしまった事でした。
この点に関してはアニメの方が断然良かったという印象です。

名作と謳われ、もてはやされいる作品ですが、
そういう先入観を持たずに読んだ方が、より面白くなることと思います。

◇この作品の個人的価値=全20巻で 7000円也

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-08-16 00:42:37] [修正:2005-08-30 22:11:28] [このレビューのURL]

底の浅い幼稚な医療マンガ。

ストーリーは医療マンガなのに、「死」というものが同居していない為、
明るくてとっつきやすく、わかりやすく、万人向けの仕上がり。
少年誌で医療という、ある部分デリケートなものを扱うのに対して、
「死」という描写を出すのに抵抗があるのは
しょうがない事なのかも知れませんが、
どうしてもその分軽くなってしまいます。

今までの医療マンガは、「死」が最大のテーマでした。
最善を尽くしても救えぬ命があり、だからこそ尊い。
死から逃れることは絶対にできない。
だからこそ、死と向き合って、死というものを乗り越えて成長する。
そういった医者や患者の絶望感や怒り、悲しみ、希望がドラマとなって
作品の大きな糧となっていくもの。
現に、数ある医療マンガは
なんらかの形でこの「死」を作中に取り入れ、消化しています。しかし、この作品では「死」の存在が薄いので、
その代わりになるテーマで勝負しています。
そこをどうとるかが面白さの分かれ道になるのでは?と考えます。
少年誌という枠の中にしては、
良く出来ている医療マンガだと思います。


◇この作品の個人的価値=24巻までで 1200円也

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-08-16 14:06:34] [修正:2005-08-30 22:06:16] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

絶望の先にあるのは。。。希望?絶望?

人が壊れていく様がよく描かれていて、
序盤トンネルでの全く予測のつかない内容に、
ぐいぐい引き込まれてしまいました。
生き延びようともがく主人公たちは、好印象でしたが、
ちょっと追い詰めすぎなところがあり、同情を買ってしまいます。
絶望の中にもわずかな望みがあればいいのですが、
畳み込むように絶望と恐怖を与え続けたのは、
バランス的な問題からいってもあまり良い展開とはいえなかったです。

不可解な終わり方は、破滅パニックものではよくあることですが、
過程が面白いだけに、萎える原因になるので、もう少し流れを汲んで
それに見合ったエンディングを考えるべきでした。
それだけで、名作になりうる事ができたのに残念です。
その点「デビルマン」なんかは同じバッドエンディングにしても
潔さと意外性があってよかったです。

なにぶん読み終わるととても疲れますし、
精神的ダメージを受ける場合がありますので、
よっぽどこういう作風が好きじゃない限りは
読む事をお薦めしません。

◇この作品の個人的価値=全10巻で 800円也

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-08-16 16:34:21] [修正:2005-08-30 21:45:21] [このレビューのURL]

変幻科学忍者漫画。といってもガッチャマンではない。。。

この頃の作者は、忍者や鬼神、陰陽師系統が好きらしく、
当時のどの作品にもこれらの要素が含まれていますが、
この作品が一番そういった部分を色濃く感じます。
キャラセンスが無く、この作者が描くヒロインはみんな
風船みたいな胸を持つ下半身デブばかり。
ミューテーションと叫んで、キューティーハニーばりに
全裸になって変身する読者サービス的な設定も、
この絵ではいかがなものかと言いたくなってしまいます。
作者自信も気に入らなかったのか、復刻版では、
完全なる萌えロリ系の絵柄がカバーを飾っていましたが、
個人的にはさらに印象が悪くなってしまいました。

バトルセンスにも多少の問題あり。
でも、この作者の中では一番好きな作品。

◇この作品の個人的価値=全2巻で 200円也

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-08-22 23:01:18] [修正:2005-08-30 21:44:47] [このレビューのURL]

才能最盛期の作品群!

鳥山明の作品が好きな人は読んで間違いはないです。
「ドラゴンボール」後の枯渇した才能しか見た事がない人は、
ひとつひとつの作品のレベルに驚くかもしれません。
特に「Dr.スランプ」連載時から「ドラゴンボール」?連載中期の頃までに描かれた作品は、
天才と謳われたその才能が、存分に盛り込まれていて楽しめるものが多いです。
後半になるに従い、だんだんその才能も衰えはじめ、
今現在のレベルに落ち着いてしまいます。
個人的には1巻が一番好きです。

◇この作品の個人的価値=3巻までで 700円也

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-08-22 23:34:11] [修正:2005-08-30 21:43:00] [このレビューのURL]

わたし残酷ですわよ。

「ゴージャスアイリーン」
若かりし頃のエレナがスタンド使いになったような話。
「ビーティー」
推理マンガばりの駆け引きが面白い。
ビーティーはDIOの幼少期じゃないのか?と思うような雰囲気あり。
「バージニアによろしく」
「武装ポーカー」
絵はとても下手ですが、独特のストーリー展開はこの頃から。。
洋画のような雰囲気が感じられました。

◇この作品の個人的価値=全1巻で 100円也

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-08-28 22:50:56] [修正:2005-08-28 22:50:56] [このレビューのURL]

8点 火の鳥

手塚治虫の先見性には改めて脱帽!

「面白い」というよりは「すごい」という表現が合う作品です。
壮大な時間軸で輪廻している巧みな構成は、きっと手塚治虫にしかできない究極の芸当でしょう。
手塚流の哲学で織り成すこの物語には、少数派な思想と説明くさいセリフが多く見られるので、
そこをどう感じるかで面白さが違ってくると思われます。
なにぶん宗教的な要素が強い為、嫌な人はとことん嫌かも知れません。

「黎明編」
まさに火の鳥が主人公。永遠の命に翻弄される人々の生きるための戦い。
「未来編」
想像できない程の時間の経過をみごとに描いています。すごい!
火の鳥を大傑作へと押し上げたすばらしい編。
「ヤマト・異形編」
ロミオとジュリエットばりの愛の惨劇。(ヤマト編)
巧みに因果応報を魅せています。一番恐い話かもしれません。(異形編)
「鳳凰編」
宗教性を全面に出した悟りチックな人生ドラマ。
「復活・羽衣編」
スタンリーキューブリックを思わせる天才的なストーリーは見物。(復活編)
内容は兎も角、面白い構成です。(羽衣編)
「望郷編」
ながい年月と壮大な宇宙規模で、望郷の思いを綴っています。切ない。。。
「乱世編」
源平の歴史と絡めた手塚流日本史。個人的には駄作。
「宇宙・生命」
斬新なコマワーク(宇宙編)・すごく深いラストのセリフが印象的。(生命編)
「太陽編」
個人的には一番マンガらしく、一番面白いと思える長編作。
「ギリシャ・ローマ編」
カラーが多いのが嬉しい、それ意外に特筆すべき所はなし。

この作品は、
思わぬところで他編と繋がっていたり、
各編に登場する猿田一族が手塚治虫本人に見えたり、
ちょっとしたところに他の手塚作品のキャラが隠れていたり、
何度読み返してもその度に新たな発見があるのも嬉しいですね。

完結した時に、全ての話が実は長い物語の一部に過ぎなかった
ということがわかる仕組みになっています。
そう言っていたこの作品も、ついには最終話まで目にすることも叶わず、
未完に終わってしまいました。。。
日中戦争の頃の中国を舞台にした「大地編」の構想メモと、
アトムが登場する予定だった「再生編」のタイトルを残して。。。

◇この作品の個人的価値=全17巻で 5000円也

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-08-26 22:36:40] [修正:2005-08-26 22:36:40] [このレビューのURL]

人情味溢れる新世代の不良ギャグ漫画。

タイプでいくと、「湘南爆走族」と同じ匂いがする作品。
ギャグのセンスは天下一品で、ストーリーもきっちり魅せてくれます。
1話、2話くらい読むと、この作品と馬が合うかどうかがわかるので、
面白いと思った人は、右肩上がりに面白くなっていきますから読破をお薦めします。

ギャグは、卑怯で強くて自由奔放な三橋と、男気溢れる伊藤のコンビに、
単純バカの今井が加われば最強のトリオ・ザ・漫才という感じ。
彼等のバカさ加減に自然と笑いが込み上げてきます。

シリアスストーリーの中では開久高校への殴りこみ、
相楽のリターンマッチ含め、開久がらみのモノがダントツに面白かったです。
それでもストーリーとして高いテンションを維持できていたのは軽井沢編まで、
それ以降は、最終バトルまでスタミナ切れの感じを受けました。
エンディングもググッと盛り上げて終わらせて欲しかったのですが、
スカッとする感じが無く、煮え切らない終わり方で残念でした。

追伸、三橋のやんちゃで意地悪な行動、言動が
ロンブ−のアツシとかぶるのは私だけでしょうか?

◇この作品の個人的価値=全38巻で 5700円也

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-08-26 22:17:40] [修正:2005-08-26 22:17:40] [このレビューのURL]

変態マニア図鑑って。。

主人公よりも、カリスマ性のある脇役達の方が魅力的に描かれています。
出てくる犯人が、変態チックな連中ばかりというのが、
良かったというか悪かったというか。。。
サイレントボマー編とテロリストの挽歌編の話がずば抜けて完成度が高く、
とても面白かったです。
それ以外の話は特に目を見張るようなところはないですが、
サイコメトラーという実在する超能力者を用い、謎解き風味にしたのは
推理モノの新ジャンルという感じがあり、
時々のギャグも、スパイスとして楽しめた為、
当時、それなりに読みこなす事ができた作品でした。

◇この作品の個人的価値=全25巻で 2000円也

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-08-22 23:32:34] [修正:2005-08-22 23:33:01] [このレビューのURL]

人生を賭けたイカサマ勝負

私自信、麻雀はルールくらいしか知らないので、
あまり好んで麻雀マンガは読みませんが、
この作品は、ひと癖もふた癖もある玄人(バイニン)が、
これまたひと癖もふた癖もあるイカサマを使って勝負する様子を、
独特のタッチと怪しい雰囲気で描いており、なんの抵抗も無く
作品の世界にすうっと引き込まれていきました。

特筆すべきはやはり、怪しい雰囲気を醸し出している星野氏の作風にあると思います。
戦後のファンクな様子もとても良く描かれていますし、
登場人物達の、裏の顔を写すような、奥の手を隠しているような、
そんな怪しさ、無気味さが非常によく描けています。
コマワークも綺麗に間引きされたがごとく読みやすく、
迫力もあり、個人的にはかなり好きな部類の作風です。

ストーリーは、イカサマを見抜く行為をくり返していくマンネリさは多少あるものの、
登場人物の強烈な存在感に、そのマンネリ感も影を潜めてしまいました。
手に汗握る緊張感のようなものはあまり感じとれませんが、
勝負に対する哲也の執念と、玄人として成長していく姿に読みごたえを感じました。

◇この作品の個人的価値=全41巻で 5000円也

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-08-22 23:27:13] [修正:2005-08-22 23:27:13] [このレビューのURL]

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