「メカざわ」さんのページ

[ネタバレあり]

ヒーロー格闘漫画・・・プロレス漫画?絵は序盤と後半で革命的に変わる。基本ギャグ漫画でありながら、ストーリーはシリアスに進む。とにかくキャラは独創的すぎることであり、無駄にかっこいい。現代までファンが耐えないのも分かる気がする。

本作品をとらえるには完全に賛否両論になるだろう。「ギャグマンガ」としてとらえるのか「ヒーローマンガ」「キャラクターマンガ」としてとらえるのか「プロレスマンガ」「格闘マンガ」としてとらえるのか?読み手がどうとらえるかによって評価が0〜10とかわる漫画である。

ギャグマンガとしてとらえるのであれば、私は間違いなくこう評価する・・・
「真顔でギャグをする天然ギャグマンガ」
これは有名なジョジョの「なにをするだぁー」に近いものがある。悪魔将軍のダブルスピンアームにかかるジェロニモ・・・ロビンスペシャルの謎・・・サンシャインの弱点など・・・本気なのかギャグなのか分からないところを、真剣に描き、真面目に子供をだましているそんなゆでたまご先生が好きだ。なお、前例にあげたジェロニモについては完全な事故だと思われ、新刊ではすでに修正されたと聞いているが実に残念である。

ヒーローマンガや格闘マンガととらえ、作品上の問題点をさておき、純粋に楽しむとしても面白いといえよう。キャラクターの一つ一つが、必ずオリジナルティのある極端な個性を持ち、特異な能力を持っている。その戦いぶりについては、その能力をいかした方法で正義超人を苦しめるわけだが、攻略については必ず弱点をついて倒している。このバトル方式についてはジョジョの奇妙な冒険と類似している(マンガの方向性は違うが)。つまりは、一つ一つの戦いにテーマがあり、ただ強いものが勝つというドラゴンボール的なバトルではないということだ。もちろん、キャラ同士に強さのパラメータといえる超人強度はあるが、実際はあまり関係がない。ただ、マンガを楽しむ要素として超人強度を与える点や戦いの前にかませ犬をぶつけて、敵の強さを主張する表現力は、実に分かりやすい秀逸な表現ともいえよう。

ただ、残念なことは、大人になってしまうとこのマンガの本当の魅力に気づかないということだ。ドラえもんのように「大人になってから分かるおもしろさ」「子供の視点からみたおもしろさ」の2つが完全に分かれてしまうのだ。理想を言うならば、私のように、子供時代にだまされて、大人になってだまされていたことに気づき笑う、これがこの漫画の楽しみ方と言えよう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-08-17 23:03:12] [修正:2009-08-17 23:03:12]

月別のレビュー表示