「punpee」さんのページ

[ネタバレあり]

この作品からは尋常じゃないエネルギーを感じる。
完全に「負」のエネルギーの方だけど。
ただ、作者が出し惜しみ無く全力を注いでいるのが伝わってくる。

単行本の帯にもある、
「恋愛ゲームにも参加できず、学歴コースからも脱落し、現状打破をねらった漫画コンクールでは相手にされない。
このままじゃダメになる…すべてがダメになる大いなる予感」感はひしひしと伝わってくる。

まんが道やバクマン。も読んでますが、この作品の主人公は、あくまでも一人。
孤独、絶望、自己嫌悪と闘う鬱々とした日々が痛々しいです。

地に足が付いてない日々の中で、何度も諦めながらも、衝動的に湧き上がる漫画への情熱。

「意識を遮断して描くんだ…どこでも描くんだ…とにかく描くんだ…
原稿に何かされたら、刺し違えてでも殺す…殺すぞ?」と、定時制高校の授業中に漫画を描くシーン。

漫画からしばらく離れ、好きな女性と一緒に過ごす日々の中、
前触れも無く急激に沸いた「漫画が描きたい」という衝動に駆られ、喫茶店で彼女を前に原稿を取り出し、漫画を描き始めるシーン。

とにかく、熱いです。

なんとも言えない終わり方を迎えますが、
この後に細々とメジャー誌で連載したり、陽の当たる場所にいけたと考えると、結果ハッピーエンドなのだと嬉しくなりますね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-02-13 18:37:40] [修正:2016-02-13 18:37:40]