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7.92点(レビュー数:40人)

作者池上遼一

原作史村翔

巻数12巻 (完結)

連載誌ビッグコミックスペリオール:1990年~ / 小学館

更新時刻 2012-07-13 12:38:14

あらすじ 表社会での頂点を目指し、国会議員秘書から政治家を目指す浅見千秋、裏社会での頂点をめざし、六本木暴力団組長から関東相楽連合トップを目指す北条彰、この2人の漢が理想郷「サンクチュアリ」を作り上げようとする物語である。

備考 1995年に映画化。

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サンクチュアリのレビュー

点数別:
6件~ 10件を表示/全40 件

9点 Masakiさん

劇画として政治面、暗黒面と両面からきっちり起承転結を描き切った正に傑作です。

ストーリーについては省略しますがヤクザ側での出てくる敵役や味方側のメンツがどれもインパクト抜群、個性的で素晴らしいです。
特に渡海さんの破天荒ぶり、主人公への一途な傾倒ぶりは清く正しい?ヤクザでとても好きでした。
また政治面では伊佐岡幹事長のインパクトが強く、この悪党をどうやって議員の椅子から引きずり下ろすか・・・と思わせてくれます。

本来このような壮大な話は中だるみが起きやすいのですが、ご都合主義な面もあるものの全12巻と絶妙な長さでまとまっており、一気読みできる量ですし、ふとした時に読みなおすのにも最適です。

この作品を読めば政治に興味が湧くこと請け合いです、劇画なので絵柄は人は選びますがちょっとでもピンときたらまず手にとって見てください、一気に引きこまれます!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-09-15 10:50:39] [修正:2013-09-15 10:50:39] [このレビューのURL]

7点 ヒョウマさん

[ネタバレあり]

機能的な面から見れば、自己の信念を貫く政治の裏側には、裏社会(ヤクザ)からの利益供与があるという現代社会に存在する闇の装置を描き、情緒的な面から見れば、男として社会での大義に身を投じていくという生き方を描いた作品。

若さ故の清廉潔白さで日本の改革を決意し政治の世界に身を投じながらも、自己実現を図る過程で、清廉の対極にある裏社会との関係を持たざるを得ない政治家としての自己矛盾が描かれている。

優秀な政治家とそれを支える裏の権力者という2人組の体制は主人公らだけではなく随所に描かれており、その2人の結びつきの堅牢さは別として社会改革の一装置として存在していることには、なるほどと思った。

物語後半で登場する首相公選制の導入と国民投票など、1996年時点としては先見の明であり、2013年現在の政治と比較しても某政党の風は止んでしまったものの、具体的かつインパクトのある政策を主張して日本の改革を志す政治家の出現を予期する作品としても面白く読むことができた。

漫画全体を通して考えれば、自己の信念に基づき構想を描き、忍耐強く実行することで初めて、自分の城が築かれるという男の生き方の真理が書かれている。
個人レベルで言えば、この真理でもある権利を自己として行使するか、しないかという生き方に対する選択肢をつきつけられた作品であった。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-09-15 07:15:15] [修正:2013-09-15 07:15:15] [このレビューのURL]

6点 pazzoさん

冷静になって読めばオイオイ・・・、ってなるんでしょうが、テンポが良いのであまり気にならない。
リアリティ云々は作者もある程度割り切ってるかな?
予想通りの展開から予想通りの結末まで、安定感十分に突っ走ってくれます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-08-29 08:37:29] [修正:2013-08-29 08:37:29] [このレビューのURL]

9点 cottinさん

取り扱っている題材が政治と難しいネタなのにもかかわらず、書ききったなあと思った。読者が思っているような政治の闇を描き出し、それを修正する二人の若者。すごくわかりやすい構造でよかった。政治について考えさせられるきっかけになった。みんなに読んでほしい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-08-22 19:08:20] [修正:2013-08-22 19:08:20] [このレビューのURL]

7点 DEIMOSさん

ヤクザ&政治両面からの世直し系劇画。

まだバブル期の名残ある時代に始まった漫画であるが、世直しの気風に満ちた若者たちがいわゆる「体制」側に戦いを挑むところは、今読んでも十分に楽しめる。昨今、世直し漫画といえば、キーチVSやデストロイ&エボリューションのように「テロ」に題材を移す傾向にあるが、本作は、「ヤクザ」と「政治」という光と闇の2つの統治機構を二人の若者が中から変えていこうとするもの。

その過程は、「暴力」と「権力者の弱味を握る」ことの繰り返しだ。細かいリアリティを追求すれば、ツッコミどころは多々あれど、その展開のテンポの良さは心地よい。お前ら、愛人とセックスするときくらいちゃんとドアのカギかけとけよ!、とか、ここでソイツ殺しちゃうの?!とか、そんなパターンも読み進めていくうちに楽しめるようになってくる。さすが武論尊先生。

絵は、静止画の劇画としては、秀逸。巧い。特に、女性は現代でも通用するエロさ。が、動きはないし、バタ臭さは否めないのだが、一時代を築いた池上先生の絵なのでそれはそれで楽しめる。

本作が連載されていたのは、90年代初期から中期。細川内閣や村山内閣等、連立工作によって目まぐるしく政権が交代していた時代だったからこそ、共闘体制を模索する「劇場型政治」のダイナミズムが注目されたのだろう。が、今や、日本は、国政選挙による2度の政権交代を2009年と2012年に目撃した。そういう意味で、改革の期待感と失望感の双方を既に経験した現代人にとって、この漫画は絵空事ではなく、よりリアリティのもった世直しバイブルとして受け止められて然るべきかもしれない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-02-25 01:58:15] [修正:2013-02-25 01:58:15] [このレビューのURL]

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