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7.78点(レビュー数:14人)

作者鶴田謙二

原作梶尾真治

巻数1巻 (完結)

連載誌月刊COMICリュウ:2006年~ / 徳間書店

更新時刻 2012-06-22 15:29:33

あらすじ
異国風の彫りの深い顔立ち。すんなりと伸びきった肢体。ジーンズにナップ・サック。ながい髪、おおきな瞳、そしてわずかなそばかす―。彼女はエマノン、ぼくが出会った不思議な少女。彼女は言った、「私は地球に生命が発生してから現在までのことを総て記憶しているのよ」と。

鶴田謙二5年ぶりとなるコミックスが加筆修正&カラー多数書き下ろしての刊行!

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おもいでエマノンのレビュー

点数別:
6件~ 10件を表示/全14 件

何億年と地球生命の歴史を記憶してきたエマノン
その記憶のなかで最も'記憶に残るもの'
それはやはり人とのつながりなのだろう。

30億年の脈々と続いてきた一連の線上で重なったひとつの点
それはエマノンにとっては刹那だが青年にとっては忘れられない出会い

名前は記号でしかないと話し、
何一つ忘れることができないと煩い、
自分の存在意義を探し続ける。
そんな孤独なエマノンはどんなときも人とつながっていたはずである。

鶴田謙二氏の絵。
今ではあまり聞かない「フーテン娘」と呼ばれるエマノンを魅力的に描き
当時(60年代?)の味を感じさせるフェリー
そしてメインシーンとなる食堂での、曇ったガラスを手で拭く描写には思わず見とれた。

無機質なものではない、温かさを感じるSF。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-20 23:37:22] [修正:2013-03-18 17:17:22] [このレビューのURL]

7点 勾玉さん

この漫画の雰囲気と全体に漂う空気感はまさに絶品。
描き文字や効果線などの漫画的表現を用いず
瞬間、瞬間を切り取ったかのように描写する鶴田謙二のスタイルが、
原作の魅力を最大限に引き出しています。

写実性に優れた情景は、臨場感に溢れ
冬の夜空と、漆黒の海に
思わず肌寒さを覚えてしまうほど。

物語の内容もまとまりがあり、読後の後味も爽やか
悠久の存在との、うたかた程の一時が
切なさと、そしてそれ以上の浪漫を感じさせてくれます。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2012-06-22 15:30:47] [修正:2012-09-10 21:03:33] [このレビューのURL]

一コマ一コマに作者の思いが詰まってる
一コマ一コマをゆっくり見て行きたい
とにかく言葉に出来ないくらい素敵だった
人類の記憶と人との繋がり
彼にとって掛け替えのない一日が
彼女からしたら刹那だとしても・・・
二人の時間の概念が違えども二人の思いは変わらない
最後まで自分の手元にあってほしい名作
少しでも多くの人に読んでほしい

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-08 01:00:27] [修正:2012-01-12 00:47:15] [このレビューのURL]

6点 ジブリ好き!さん

結局記憶の継承が嘘なのか本当なのかはわからない。
単純に、母と子が口裏合わせただけなのかもしれない。
するとこれは単なる主人公の失恋話になるのだけれど、彼が最後に救われた気持ちになることには変わりない。この作品がSFであろうがなかろうが、誰にとっても思い出は大切なものなのだ。

もちろんこの作品はSFなのだろう。わかりやすく、答えや解釈も非常に説得力があった。ただ、この世界観にのめりこむには少し短すぎたかな。

芸術って、風景画の場合、そこに含意なんてなくてただ純粋に画家の見た世界に浸ることに意義があるようで。つまりその風景を見たいだけならそこに行けばいいけれど、その風景が画家の目にはどう映っていたか、風景を介して画家の感性を共有することに意義がある。
それになぞらえると、この作品の芸術性って、原作小説の世界観やエマノンの人物像を鶴田氏がどう見てるか、表現しているか、なのかも。原作者の絶賛に関わらず、読み手が感じて決めること。
自分は原作小説を読んでないからこの作品の芸術性うんぬんは良く分からないけど、鶴田氏が非常に丁寧な仕事で作品に命を吹き込んだことはとても感じられました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-02-08 13:52:28] [修正:2011-02-08 13:52:28] [このレビューのURL]

9点 torinokidさん

鶴田氏の絵はホントに丁寧だと思う。まさに絵師。

原作付きではあるが、ちゃんと終わっているのは
鶴田氏の作品としては珍しい。

名作だと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-13 18:32:02] [修正:2010-12-13 18:32:02] [このレビューのURL]

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