幽☆遊☆白書のレビュー
8点 KAKAさん
「最高だみんな!いつまでもこの物語は忘れない!」
私は最近このマンガを久々に読み返しましたが、当時初めて読んだときと全く同じ爽快な気分で全巻を読み終えました。
内容はなかなかにグロテスクで残虐、人間の矛盾やもろさへの皮肉が大半を占めています。なのにあれま不思議、読んでみるとなんとも爽快。
悪役の突きつけてくる信念は「性悪説」です。その信念は読者が「確かにそうかも」と納得してしまうような欲望であったり狂気であったりします。しかし主人公たちの「性善説」の前に、そんな説があまりにも稚拙で退屈で、自分の殻に閉じこもったツマラナイ物であると痛感させられるのです。
幽助・桑原・飛影・蔵馬の誰が欠けてもこのマンガの痛快さは引き出せないと思います。
仲間とは何か?
色々なマンガで当たり前のようにいる主人公の仲間、日常でも私たちの隣にいる友人・・・それらがどれだけ大切で奇跡的な関係であるか・・・いやそんな複雑な考えよりも、単純に「仲間っていいな」そう素直に爽快に感じる数少ない作品だったと思いました。
冨樫、ありがとう!
初心忘れるべからず、ハンターに生かすべし!
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2009-01-08 00:15:30] [修正:2009-01-08 00:15:30] [このレビューのURL]
9点 yumenneさん
冨樫の作品はどれも好きで、優劣はつけられないから困る。
この作品は冨樫を一躍有名にした作品ということで、ハンターハンターなどで大物漫画家として好き勝手やっているのに比べ、編集に影響されたりしながら、色々テコ入れをしたりまだ自分のスタイルをつかみきっていない感がある。
(冨樫という作家はここで、"明らかに後付けなのに、その場の勢いで許せるし楽しめてしまう"、というような作品の進め方をマスターしたように感じる。)
しかし、本作でも著者の魅力は遺憾無く発揮されている。厨二心溢れる、グロテスクで独創的で洒落たキャラクタでありその魅せ方、そして、洋画などに影響されたような、他の漫画では見ない言い回し、演出。
印象に残るシーンは無数にある。例えば、仙水が見ている映画について、”この映画は全く陳腐なストーリーだけれど、ただ、エンディングがとても綺麗でね"と語るシーンだとか、魔界編で飛影と骸の過去が語られ、互いに奇妙な絆が生まれるシーン、戸愚呂弟の敗北シーン、あとキャベツ畑。こういうカッコいいシーンは他の漫画家には描けないのだ、なぜだか。
数話完結の幽霊お悩み解決漫画、王道バトル漫画やらなんやかやとやっていたのも一粒で二度美味しいと思えば良し。
あと、ハンタと違って普通に可愛い女の子が出てきて正直目の保養になる。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2018-05-13 20:03:56] [修正:2018-05-13 20:03:56] [このレビューのURL]
9点 山しょうさん
面白い。
もう6回ぐらい読み返していて
アニメ放送も何回も観てるのにやっぱり
何度見てもその凄さを実感できる。
この作品は平成5年生まれの
ゆとり世代の僕らでは
少し世代が違うのですが、
関西地方の認知度は凄まじいと思います。
正直、80%ぐらい観てました笑
再放送が毎年、夏休みにやっていて
まぁ周りでも観てない人いないくらい
みんな観てましたから
小学校の時は暗黒武術会編が好きで
中学校になると仙水編が好きになる
高校生になって、序盤の良さがわかって
大人になって、魔界編が1番好きになりました。
あと、今回読み返して変わったのは
桑原が1番好きになったことです。
桑原はなんか、ダサくて不細工、
ネタキャラみたいにしか見えてませんでしたが
彼が1番かっこいいんですよ。
僕はちょっぴり大人になりました。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-06-07 04:36:06] [修正:2016-06-07 04:36:06] [このレビューのURL]
8点 kaineさん
最近再読しました。
レベルEやHUNTER×HUNTERに比べて、
若干評価が低い印象のある本作ですが、
すでに才能の片鱗は充分に伺えます。
作風の変遷が著しく、魔界の扉編からが本領発揮というところでしょうか。
力押し一辺倒にならない能力バトル
頻繁に見え隠れするダークな描写
終盤特に顕著になる邪道な展開
いずれも他の作品とは一線を画してましたね。
あとこの漫画、敵キャラのセリフ回しがいちいち格好いいんですよ。
「オレは品性まで売った覚えはない」
「お前らはまた別の敵を見つけ、戦い続けるがいい」
「人間は旅行好きらしいな。飛行機が落ちないといいが。
熟年カップル、再婚旅行で悲劇。ワイドショーのネタとしてもB級だ」
などなど。挙げればキリがないですが。
いずれにしても、序盤〜中盤で見切るにはもったいなさすぎる作品。
あんまおもんないなーと思った方も、
せめて魔界の扉編の蔵馬vs海藤の「禁句」対決までは読んで頂けたらなーと思います。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2015-01-08 15:01:00] [修正:2015-01-09 02:29:53] [このレビューのURL]
8点 勾玉さん
途中からバトルに移行した漫画だけあって、全体を通して見るとまとまりがない
他の作品の影響を受けたのか、作者の価値観が変わったのか分からないが
初期の作風はヒューマンストーリーなのに
その後は妖怪退治の漫画になり、終盤にはえぐい話も描くようになる
…と言った具合にどんどん作風が変わっていく。
しかし、この作風の変化が個人的には良い方向に働いてて
暗黒武術会辺りから、敵対相手の思想や、人間性にも焦点が当たるようになり
勧善懲悪のバトル物に留まらない作品へと昇華していったのが面白い。
また、作風同様、画風も相当変化しており
トーンを多用し丁寧に描かれていた初期に比べると
後期はバトル漫画になったこともあり荒々しい描写や、手抜きとも思えるような簡素な絵も目立つ。
だが一方で、キャラの表情は徐々に洗練されていき
特に仙水編は、冨樫義博の作品の中でも、一番絵に迫力がある。
・捨て石にされた天沼を倒し、静かな怒りを感じさせる蔵馬の表情
・魔封環を使う覚悟を決めたコエンマの表情
・裏男の中で、涙し次元刀を発現させる桑原の表情
など、どれもセリフ無しでキャラクターの感情がダイレクトに伝わってくる凄味のある画に感じた。
上に挙げたように、作風、画風共に変遷の激しい作品だが
中盤以降は、「レベルE」「ハンターハンター」を思わせる捻りと黒さが加わり
凡庸なバトル漫画で終わらない、独特の魅力が備わった漫画になったと思う。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2012-01-30 21:04:06] [修正:2012-01-30 21:20:29] [このレビューのURL]
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