20世紀少年のレビュー
7点 勾玉さん
少年時代の郷愁と共に、徐々に輪郭を帯びていく事件の真相。
子供の頃の何てことない些細なやり取りが、
因果となって現代の悪意に結びついていく、という構成に何とも胸が踊ります。
一つの大きな謎に決着がつく12巻まではミステリーとしても凄く楽しめた本作ですが
よく言われているように、結末は描写足らずな感が拭えません。
さらに後半のバーチャルアトラクションの万能さにも興醒めしてしまいます。
「死人が現実世界の人間に思念を送る」、など
もうSF通り越してファンタジーの世界でしょう。
とはいえ、過去、現在、その後の世界へと続いていく物語は
一大スペクタクルと言うにふさわしい、スケール感があります。
後半、失速したとは言え読んで損をする漫画では無いんじゃないでしょうか。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2012-11-05 16:41:37] [修正:2012-11-05 18:24:11] [このレビューのURL]
8点 やじウマさん
5巻までは最高におもしろい。
現実が子供時代の馬鹿げた妄想(ロボット、秘密基地、ハットリくんのお面)に浸食されていく様子が、奇跡的なバランスを持って描かれていく。
だが未来の話になってからそのバランスが少しづつ崩れていく。
刑務所を脱獄するところなど瞬間瞬間では最高におもしろいのだがどうにも乗れない。
この原因はなんだろうと考えたが、やはりケンヂの不在が原因だろう。
五巻までは、作品の裏テーマとして「バンドをやめてアイデンティティをなくしたケンヂが子供時代の自分が生み出した妄想とケリをつけるために立ち上がり、段々と生きる気力を見つけ直す」みたいなものが一応あり、だからおもしろかったとも言えた。
胡散臭い設定にリアリティを持たせることに成功していたのだ。
だがそれが未来の話になるとケンヂが退場するわけでそれがなくなる。
後任のカンナは不思議な能力があったり不幸な生い立ちがあるのだけれど、キャラとしてはいまいち何してたか思い出せないくらいに薄い。(書いてて気づいたけどモンスターのニナと一緒だ。)
この辺りから伏線の過剰な盛り込みが始まって次第に収拾つかなくなるが、それには主人公の魅力で話を引っ張れなくなったということへの苦肉の策もあったんじゃないだろうか。
通してみると「1970年の嘘」も「カツマタくん」も大して意味がなかったし。
リアルタイムで読んでたときはまるで漫画界のトップに輝いていたようなこの作品が実はそういうことで頭を悩ませていたと考えると少し微笑ましい。
まあ、あまり自信はない。
結局終盤でケンヂは帰ってくるんだけれどもその頃にはもう話の核は「ともだち当てゲーム」になり、失われたアイデンティティなんてものはどこか遠くへ消えてしまっていた。
結局、最後に漫画は「オトナ帝国の逆襲」のパクリみたいな世界設定の中、死んだ人間が辻褄合わせのために何の説明もなく生き返るという男塾のような展開を見せ、最初の緊迫感などどこにもないゆるい道徳観のエピローグを展開させて終わる。
でもさ、今じゃこういうそれっぽい分析してるけど中学生の頃リアルで読んでた時は本当にすごかったんですよ・・・
新刊がでると朝日新聞のテレビ欄の下全部使った広告出たり、帯に「応募者に浦沢直樹のプライベートライブご招待!」なんていうふざけた事載ってても「すげええ」とか思った。
15巻のラストなんて初め読んだときは死ぬかと思うくらい興奮したし(ここから地獄だったのに)次巻が3ヶ月後の発売なんて知ってまた「くそおおおお」とか思って・・・
だから低評価つけるのは当然だけどさすがに1点、2点とかついてるのとか「クソだ」「騙された」とか見ると少し凹む。
まるで昔好きだった野球選手がボロボロになってるのを見て「昔すごかったとか言うけど昔もたいしたことなかったんじゃないの」とかしたり顔で言ってるガキを見てむなしくなるかのような・・・はぁ・・・
ナイスレビュー: 3 票
[投稿:2012-10-21 20:51:05] [修正:2016-09-27 22:45:17] [このレビューのURL]
8点 kuroneko3298さん
ラストでは「なんじゃそりゃーー!(涙)」と思った一人ですが
一気読みしてガタガタ言ってる方々に一言だけ伝えたい。
私がどんだけ次の巻が出るのを楽しみにしてたか・・を。
ともかく引っ張り込む力は半端ないんだと思う。
とはいえ 浦沢作品は確かに読者に冷たい。自己補完は不可欠。
この作品の結末に映画ほどの「ともだち」の感情が描かれていたら
名作になったのにな?と思ったりしたけど。
それはここだけの秘密ね・・♪
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2012-10-02 18:39:56] [修正:2012-10-02 18:41:21] [このレビューのURL]
5点 tamajiroさん
他のレビューの方々も仰る通り伏線に次ぐ伏線のいわゆる「伏線漫画」となっています。
伏線マニアにはたまらんですなw
まあ、こういった伏線漫画というのは二度三度読み込むとまた違った味が出て一度目とは違った楽しみ方ができると思うんですけど、
今回に関しては僕は「もういいやw」ってなっちゃいましたw
その大きな理由としては
「ギャグが弱い」のと「キャラが弱い」ことですかね。
ギャグが弱いから作品自体が重くどんよりしている
キャラが弱いからこの作品を全部読んでも特に「好きなキャラ」とかいないんですよね・・・。まあ主人公は最後の方とかはカッコいいんですけど・・やっぱりいないですね。それが痛恨です。
しかもそんな影の薄いキャラ達が伏線要因でポンポコポンポコ出てくるんで、一回読んでも全然名前を覚えられないというorz
読んでる途中で「こいつは誰だっけ」って前の巻を引っ張り出して読む。
この行為自体は漫画を読むうえでは良くあることなんですが
この漫画は少しそういった機会が他の漫画より多くなると思います。
相当多くのキャラがこの作品に登場するのですが、この漫画が映画化されたときに僕が覚えてたのは「ケンヂ」と「カンナ」と「トモダチ」だけでした。(あれ?黒幕は?ww)
「伏線マニア」にはハマるだろうけれど「キャラの魅力」を大事にしている人にはイマイチだろうなぁ。
という感じで点数も辛目につけさせて頂きました。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2012-08-09 15:24:30] [修正:2012-08-09 15:27:12] [このレビューのURL]
8点 ドルバッキーさん
伏線好きにはたまらない作品となっています。
謎がまた謎を呼ぶという感じで物語が展開されていきます。
ともだちの正体は誰だろうと考えながら読んでしまいますね。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2012-04-03 14:57:07] [修正:2012-04-03 14:57:07] [このレビューのURL]
PR