ブラックジャックによろしくのレビュー
8点 佐々木裕健さん
漫画、というかストーリーの定石、エンターテイメント性を大幅に犠牲にしてでも社会、現実をリアルに描こうとしているように感じる。
主人公の医局内での嫌われっぷりはその典型である。『医龍』のようなスーパーマンでもない普通の研修医(下っ端)が、医局(組織)に対して従順でない、その軋轢の描写は本当にお見事。
主人公の行動が完璧、正解かどうかの判断はできないが、こんな風に嘘の無い行動をすることを「偽善的」と切り捨てること自体、すでに社会に毒されている何よりの証拠であろう。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2007-06-17 22:23:53] [修正:2007-06-17 22:23:53] [このレビューのURL]
10点 natyuさん
何がすごいって社会を動かした事。多少のオーバー気味な内容はあったかもしれないがこれができた後に医療における新たな法が改正されたりした。社会を変えるのは世論で、その世論を漫画が変えれるんだ。と感動した。絵は上手いし、構図、演出もすごいが個人的には好きなタッチじゃないのが残念。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2006-07-31 02:12:10] [修正:2006-07-31 02:12:10] [このレビューのURL]
8点 shutaroさん
前作「海猿」でも感じたのだが、この人は葛藤を描くのがとても上手い。
無駄を省いたピンポイントのセリフと内面描写が、過剰なまでの強烈な絵と
相まって、もの凄く濃いドラマを形成している。
主人公の苦悩もさることながら、医師対患者や医師対医師との間で
起こる価値観と価値観のぶつかり合いが大きな見所であり、さらにそこから
価値判断の根底となる人間のエゴを暴き出そうとする筆致は、時に見ていて
痛々しい程に内なる激情を揺さぶられる思いがする。
久しぶりに漫画を読んで泣いてしまった。辛い展開山盛りの「がん医療編」で、
最期の彼女なりの「死に様」とその家族なりの受け止め方を見て、「あざとい
演出だなぁ」と思いながらも文字通り涙が流れてしまった。
「BJへの冒涜だ」とか「医療考証がなってない」とか「実際の現場と
かけ離れてる」とか言ってもしかたがない。
セリフに感動しストーリーに泣いたのだからこの点数である。
一部で騒がれたが、個人的にはこのタイトルはアリだと思う。
表現や手法は違うものの、しっかり受け継いでいこうという気概を感じた。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2005-11-03 19:46:05] [修正:2005-11-03 19:46:05] [このレビューのURL]
7点 doneさん
タイトルがすごい。
本当に辛いです。読んでる途中に手を止めることも結構あります。でも話に引っ張り込まれていてつづきをよんでしまいます。
ここまでリアルに医療をかいた作品は他になかったのでは?
タイトルの中にもあるブラックジャックも結構辛いはなしは
ありますが、こっちの方がより身近な辛さがあって、
将来自分もこうなるんだろうなぁ、なんて考えさせられます。
強くヒューマニズム溢れる人間ばかりではないことを
すごく意識させられる漫画です。
心臓が強いひとにお勧め。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2005-06-21 22:36:48] [修正:2005-06-21 22:36:48] [このレビューのURL]
7点 noriさん
研修医である斉藤が現在の日本医療の現実と自分の理想の
ギャップに苦しみながら成長していく(してないかも;´Д`)話
編ごとの締め方が非常にうまい。
編の最後に見開き1ページまるごと使ってるんだけど
いつもそこで一気に感動させられる。
その中でも一番光ってるのがベビーER編。
障害児の父となった父親の苦悩と心の変化がリアルに書かれていて感情移入できる。
「会ったら…お別れを言わなきゃいけないじゃないか…」
この父親の台詞に子供を誰よりも愛しているのに、子供の命を認めようとしない葛藤が現れている。
ここのシーンを読んだ後しばらく切ない余韻が残った。
そしてこの編の締めも何回か出てきていた「夕日」を上手くつかって見事に締めている。
難点を言えば主人公に感情移入しにくい。
斉藤は理想を絶対に曲げようとせず、あまりにも不器用。
自分の理想を他人にも押しつけようとして正義のつもりがエゴになっている。
主人公が日本の医療の問題点を強調するためと物語の進行役をするためだけに存在している気がする。
それでも各編独自のキャラクターとドラマが素晴らしいので十分魅力的な漫画になっている。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2005-03-30 05:04:23] [修正:2005-03-30 05:04:23] [このレビューのURL]
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