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7.53点(レビュー数:214人)

作者鳥山明

巻数42巻 (完結)

連載誌週刊少年ジャンプ:1984年~ / 集英社

更新時刻 2012-10-15 02:26:08

あらすじ 7つ集めて「神龍(シェンロン)」を呼び出すと、どんな願いも1つだけ(後に3つ)叶えてもらえるという、『ドラゴンボール』をめぐる冒険活劇。

備考 完全版も全34巻で発売中。

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ドラゴンボールのレビュー

点数別:
16件~ 20件を表示/全214 件

10点 ほげさん

[ネタバレあり]

『ドラゴンボール』は,冒険漫画から始まり,格闘漫画へと発展した,という読み方が一般的だが,それはどこを起点として考えればいいだろう.僕は,厳密には冒険漫画としての『DB』,格闘漫画としての『DB』とは分けられないと思っている.せいぜい分けられるにしても,それは最後の「魔人ブウ」編くらいだろう.ここでは確かに,冒険という要素は影を潜めているといっていいかもしれない.

だが,『DB』は,中国のような山奥から端を発して,宇宙にまで足を広げる「フリーザ」編まで,冒険を拡大し続けてきた.中国のような山奥にいる,『西遊記』の孫悟空を模した主人公に,あたかも「開国」を迫るようにやってきた「西の都の少女」ブルマ.この関係にどこか明治時代の日米関係を観たくなる読者もいるだろう.パンドラの箱を開けてしまったかのように,孫悟空は世界を制圧し,宇宙を制圧してしまうのだけれど,「フリーザ」編の宇宙的大活躍を見ると,僕ら読者は,日本が,米国を超え,世界を超え出でていけるような錯覚を抱いても,変ではない.

僕らネチズンが,ネットサーフィンをしていて,『DB』の情報を集めると,奇妙なことに,「フリーザ」編の人気が高いことに気づく.それは,冒険漫画としての『DB』が,頂点に達した瞬間であるからに他ならない.中国の山奥のような異世界から出発した孫悟空は,遂に宇宙の極みにまで達した.それを描く「フリーザ」編は,文字通り『DB』の最終譚として見たがる読者がいるのも妥当だろう.

結局冒険は,地球への孫悟空の帰還ということで終止する.「人造人間」編は,昔々に孫悟空が妥当した筈のレッドリボン軍の生き残りが作ったロボットが,孫悟空の敵として立ちはだかる.これが嫌だという読者は冒険後の内省すべき心理を読もうとしていないように思う.「人造人間」編ほど孫悟空が脇へおいやられている物語もない.事実上孫悟飯が主人公の位置へかけあがる章である.悟空は,「人造人間」編で心臓病を患って死に掛け,最終的には地球を救うために死ぬ.

ベジータやトランクス,息子の悟空の成長に比べて,孫悟空の地味な存在の置かれ方.悟空は相変わらず強いが彼ら三人のように成長したという描写は多くないままに終わっている.「魔人ブウ」編よりも成長していない.あたかも日本経済の失墜のように孫悟空は地味な存在になった.最後の「魔人ブウ」編においては,奇想天外さが更に増した内容になっており現実味が薄れた.これは「人造人間」編で描かれた,「倒すべき相手」を見失った孫悟空に,日本人の不安さを対照させているものを,更に延長させたものだが,蛇足であるのは否めない.これさえなければ,『DB』は最高だが,という声があるのを僕は何度も見てきた.

とはいえ,「人造人間」編までの冒険漫画としての『DB』は,ひたすらな経済成長を経て,行く末を見出せなくなり,内省するだけの日本のそれと同じになっていることを読むことができる.その時,『DB』が冒険物語を途中で捨て,単なる格闘漫画に成り下がったというような批判はまとはずれであることが,理解されるに相違ない.

ナイスレビュー: 2

[投稿:2006-03-27 22:02:21] [修正:2006-03-27 22:02:21] [このレビューのURL]

5点 ムキッキーさん

漫画という枠を飛び越えてあまりにも有名ですね。
でも初期と最後では、あそこまで人物の設定が変わってしまった事に抵抗を感じてしまう。
ドラゴンボールも、物語中盤から仲間を生き返らせるアイテムとしてしか存在意義が無くなった。
後付けに後付けを繰り返した挙句のあの最終回といい、
事情があったのだろうが、もう少しましなやり方はなかったのでしょうか・・・
当初は好きな作品だったので、それが残念でなりません。

それでもファンを最後まで引っ張っていく魅力・吸引力。インパクトの強さ。
やはり凄い漫画だと思います。

クリリンが結婚できて良かった。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-06-04 22:57:59] [修正:2005-06-04 22:57:59] [このレビューのURL]

8点 鋼鉄くらげさん

漫画においてもアニメにおいても大成功を収めた作品です。普通、特に最近のアニメは、予め漫画で人気を獲得しておいて、その土台の上でアニメ化を行なうのですが、実際アニメの放送が開始されても、あまりその作品の面白さは継承されないことが多いのです。なぜならそれは、漫画とアニメは全く別の表現手段だからです。

しかし、この作品は漫画においてもアニメにおいても、それぞれの表現方法で伝えるに相応しい要素を持っていました。それが、この作品が大きな成功を収めた要因ではないかと思っています。

思えばアニメは声優陣も豪華でした。野沢雅子、田中真弓、古谷徹、その他にも今思えば考えられない程の豪華なキャストだったと思います。

絵に魅力がある。キャラに魅力がある。話に魅力がある。声にもアクションにも魅力がある。これ程までに高いエンターテインメント性を兼ね備えた作品が人気を博したことは当然だったかもしれません。

もう一つ、この作品には時代も味方しました。当時日本はバブルの絶頂期で、力こそが全て。お金こそが絶対的なものでした。そうした時代の中で、戦闘力という単純明快で、絶対的な尺度は、当時の日本が持つ価値観と上手く共有され、この作品に対する共感を高めていったように感じます。

私は、どんなに面白い作品も時代の流れや、時の運が味方しなければ、大成功は出来ないと思っています。「ジャンプ黄金期」と呼ばれる作品達は、その運を味方に出来た数少ない幸運の作品達だったと思います。


※ ここから下の文章はレビューではありません。一個人の独り言だと思って聞き流してください

歴史の流れに「もしも」は無いが、もし鳥山明という漫画家が生まれなかったら漫画やアニメの文化はどのような文化になっていたのだろうと、この度の氏の逝去を受けてふと考えるようになりました。

今回の一連の出来事の中で大変興味深かったのが、SNSによる「鳥山明が週刊少年ジャンプで連載する前週のジャンプの表紙」の投稿で、その作品の多くが劇画調というか、ある意味でかなり時代を感じる画風だったことがとても衝撃的で、改めて鳥山明という漫画家が文字通りの意味で「時代を変えた」のだと痛感させられました。

奇しくも先日かつてゲーム界の潮流を変えた作品のリメイクが発売されたのと同じように、「もしこの出来事が無かったら世の中の潮流はどうなっていたのだろう」と思うような出来事がこれまでの人生の中でも多々あったことを思うと、歴史の妙味を感じます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-11-24 23:13:21] [修正:2024-03-09 22:29:38] [このレビューのURL]

10点 kaineさん

思い出補正、という言葉はあまり好きではないのですが、この作品だけは思い出補正抜きには語れません。

それほどまでに当時の少年達に影響を与え、圧倒的な存在感を誇示し続けた唯一無二の作品だと思っています。

当時の少年達、少なくとも子供時分の私の周りでは一番面白い漫画は何か?という議論すら起こりませんでした。

そんなもの論じるまでもなくドラゴンボールに決まっているからです。

目の肥えた現代の読者から見れば少なからず欠点の目立つ作品でしょう。

しかし誤解を恐れずに言えば、ドラゴンボールはもはや少年漫画というカテゴリーですらなく、ドラゴンボールという1つのメディアなのだと思います。

二郎はラーメンではなく二郎という食い物なんだ、みたいな感じでしょうか。

作品としての質はおそらくワンピースやHUNTER×HUNTERの方が上なのかもしれません。

しかしこれらの作品が、少年に限らず今の読者達の間で当時のドラゴンボールに比肩し得るような存在感があるのかというと、どうしてもそうは思えないのです。


…個人的な補正にまみれたレビューでスミマセン。
しかしこの作品に10点を付けなければ、他に付けるものはないので…

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-10-26 23:35:17] [修正:2016-10-26 23:53:49] [このレビューのURL]

8点 arunaud1323さん

[ネタバレあり]

スーパーサイヤ人に悟空が覚醒したフリーザ編でやめておけば
最高の傑作だったと思います。
やっぱりスーパーサイヤ人は選ばれし者がなれるもので
あってほしかったですね。最後のほうではスーパーサイヤ人に
誰でもなれて当然!って感じでしたからね

鳥山明さんの絵のうまさには本当に見惚れてしまいます。
いったいどうしたらあんな動きのあるしなやかな線を
描けるのでしょうか。
動きのある絵ってけっこう空間能力がないと描けないものだと
思うので。あと、キャラクターデザインの発想力も
本当に素晴らしいほど魅力的で愛着が沸きます。
鳥山さんの画力に尊敬してます

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-12-02 01:32:02] [修正:2013-12-02 01:32:02] [このレビューのURL]

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