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7.85点(レビュー数:41人)

作者木村紺

巻数10巻 (完結)

連載誌月刊アフタヌーン:1999年~ / 講談社

更新時刻 2011-03-24 14:36:21

あらすじ 高校卒業後、東京から神戸に引っ越してきた、神戸の総合大学芸術科に通う「辰木 桂」の大学生活を中心とした日常を描いたエッセイ作品。

備考 2002年5月 第31回日本漫画家協会賞新人賞を受賞

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神戸在住のレビュー

点数別:
11件~ 15件を表示/全41 件

10点 ゆきやさん

漫画において、人が死ぬ場面に直面した時、ほとんどの漫画家が安易な方向へ逃げがちです。もしくは死そのものを避けようとします。個人の人生に触れた相手がいなくなった時、人はもっと生々しい心理状態を迷走するはずです。
この作品では様々な障害を越える様が丁寧に、決して近道などを模索せずに描かれています。

漫画をエンターテイメントとしてのみ捉えるなら、この作品を楽しめない。しかし、漫画に意義を求めるならこの作品を愛せるのでは。僕はそう思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-06-14 20:35:59] [修正:2007-06-14 20:35:59] [このレビューのURL]

10点 えあさん

なるほど、人間賛歌。

阪神大震災の話など、読んでいて胸が痛かった。

人の死に直面した時、私も涙が熱かったのを覚えている。

障害を持っている人に対して、他人の自分がその人の限界のラインを線引きしてしまっている事を気付かされて、自分が嫌になった。

そんな自分でも過度の自己嫌悪に陥らず生きていけるのは、周りの人に支えられているからだ。

人間賛歌、そして生命謳歌。
そんなエッセイ風漫画。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-05-26 16:03:40] [修正:2007-05-26 16:03:40] [このレビューのURL]

8点 yone9085さん

ついに完結……良い最終回でした。

なんとも言えない温もりを持っている漫画だと思います。
特に、手書き感(まあ、手書きだけど)の溢れる絵柄が素晴らしく、
背景の建物やコマの枠を書くにも定規を使わずに、全てフリーハンドで表現するだけで
こんなにも温かな質感が出るものかと唸らされました。

内容の方を語り始めると長くなってしまうので多くは省略しますが、
「『人』という字は人と人とが支えあって出来ている。」
この言葉はこの漫画の為にあるようなものだなあと感じられます。
まあ、この漫画の場合は支えあっている人数が2人どころじゃありませんけどね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-04-01 17:00:30] [修正:2006-04-01 17:00:30] [このレビューのURL]

10点 Leonさん

こういう大学生活を送れたら良かったと思わせる傑作。

「人間」をここまでしっかり描き込めた漫画はこれの他にないと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-11-02 23:12:23] [修正:2022-03-30 08:03:09] [このレビューのURL]

9点 朔太さん

神戸の界隈を丁寧に光溢れる町として紹介し、その町で暮らす
女子大生のキャンパスライフを描いたものとして、1,2巻を読みました。
そんな紀行文のような淡白さは面白みもなく、読むのを
止めようかと思っているうちに、2巻後半に阪神大震災の
ボランティアの話となります。
すっかり騙されてしまいました。
中国人の血を隠しつつ、淡々と被災者の現実を受け止める
リアルさに感服しました。
この1話から、この作品への評価が180度転換です。

6巻では、祖母との別れを描いたお話。秀逸です。
さらには、おばあちゃん子だった主人公桂に対して、
別の巻では母が「おばあちゃんにあなたをとられちゃったから・・」
とつぶやくシーンがあります。
それぞれの関係性がキチンと描かれています。

決しておしゃれともいえない桂が、唯一不遇の画家の
リクエストに応じてスカートをはきます。
そして、突然の別れが淡白に告知されます。
しばらくその話題に触れず、巻が進んだ後、
「そろそろ画家との別れについて、触れましょう。」と、
時間を遡る展開は、これは木村紺という作家のリアルな
時間に並行して描かれているのではないか、と思ってしまうほどです。

画家日和洋次との回想は、その後繰り返し出てくるのですが、
淡白なストーリー展開にあって、強い情感、哀しみが
対照的に輝きます。
涙の出ない絶望的な哀しみです。

また、祖母と画家の二人に対する想いは、桂の人間性を
よく表し、女性ならではのナイーブさ、純粋可憐さが美しいです。
人間なら誰だって、強く傷ついた彼女を守ってあげたい
気持ちになることでしょう。

友人や家族の性格付けも、細かな描写がされています。
父と二人だけの外食シーン。
これだけで1話を読ませます。

1日のさまざなエピソードを繋ぎ合わせて、自分の将来を
ぼんやり夢想するシーンでは、「思いつきをただ並べた
そんなありふれた将来像がどれ一つとして現実感を伴わない。
私に足りないものは何なのだろう。
この胸のざわつきの正体は何なのだろう。」と言わせます。

平凡な日々の中で、若者らしい心の不安定さを見事に表現しており、
素晴らしいです。
すっかり、辰木桂(木村紺)のファンになりました。

しかし、何とも共感できない話も多く、特に連載当初は
読み進めるのも辛いほど無駄な会話が多かったです。
そのマイナスがなければ10点でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-06-04 19:36:31] [修正:2018-06-04 19:36:31] [このレビューのURL]

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