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7.65点(レビュー数:129人)

作者荒川弘

巻数27巻 (完結)

連載誌月刊少年ガンガン:2001年~ / スクウェア・エニックス

更新時刻 2012-10-15 02:24:28

あらすじ エドワードとアルフォンスの兄弟は、幼き日に喪った母を錬金術により蘇らせようと試みる。しかし、錬成は失敗しエドワードは左足と弟のアルフォンスを失ってしまう。なんとか自分の右腕を代償にアルフォンスの魂を錬成し鎧に定着させることに成功するがその代償はあまりにも高すぎた。そして兄弟はすべてを取り戻す事を誓うのだった…。

備考 2004年 第49回小学館漫画賞(少年向け部門)受賞

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鋼の錬金術師のレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全129 件

8点 ヒナミさん

私はこの作品の最終回を本誌の方で読みました。

その時は正直納得出来なかったんですよね…。なんかあまりにも綺麗に大団円過ぎるというか。なんか正直この漫画の描きたかった事ってなんだったんだろう、と思いました。命の大切さ、仲間との絆の大切さ、どっちを重点的に描きたかったんだろう、と。しかも最後に「痛みを乗り越えたその先に鋼のこころを手に入れるだろう」っていうメッセージで締めくくられていてなんか感動的な言葉で逃げられたような気分になってしまったんです。

そもそも「おとうさま」というキャラクターの設定が最後までよく理解できなかったです。この世のすべてを理解したかった、とか言っていたけれど、じゃあどうして「おとうさま」はそう思うように至ったのか、という理由が全く描かれていないからです。

荒川先生は非常に才能ある漫画家だと思うのです。それは1巻から20巻までの話の構成力ではっきりとわかります。しかし21巻からの最終章に入ってからそれまでの話の構成力が急に落ちてしまったような気がするのです…。とにかく自分の描きたいことを詰め込もうとしている印象を受けました。
やっぱり、アニメ化のせいなのかもしれません。アニメと同時に終わるか、それよりも早く完成させる必要があったでしょうから。


私は本当はもっと説明したいこともあったのではないか、と思っています。
でも時間も限られているし、すべてを描いている時間もないので、所々省略して最大限いいものを描こう、という感じがしました。
でもあくまで私の推測でしかありません。今のままでも十分面白いのです。しかし私は鋼の錬金術師という作品は少年誌的な面白さだけでなく、もっと深いメッセージ性もある作品だと思って見ていました。だから最後の終わり方も、ハッピーエンドのなかにも重みのあるものにして欲しかったのです。
ハードルを上げすぎたのかもしれませんが、そうしたくなるくらい、この作品は面白かったです。


結構辛口になってしまいましたが、私のようにハードルを上げすぎなければ、最後まで本当に面白い漫画だと思います。




ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-02-19 04:47:32] [修正:2010-08-14 19:38:41] [このレビューのURL]

8点 zeebra2001さん

この漫画と出会えなかったら、「等価交換」とか「命の重さ」なんて
分からなかったと思います。ともかく、ストーリーとテンポが良すぎる。
自分たちの責任とはいえ、弟の体を取り戻す為の「賢者の石」探し。また
斬新とも言える錬金術の法則や国家試験による現実世界にも通じる厳しさ。
戦争による悲劇に矛盾、更には謎の人造人間が国家を運営していると言う
設定は素晴らしいです。ただ、魅力あるキャラや動きは良いんですが背景や
機械の表現がちょっと雑なのが惜しい。もうちょっと描き込めば、リアリティ
が出るのに、面倒だから省いている。あと演出はハッキリ言えば「どっかで
見た事ある映画」からの模倣ですね。それでも、現在2大人気を誇る少年誌
で描かれている二流漫画よりも、王道で泣ける少年漫画だと思います。うん。
まだまだ発掘されていないテーマやジャンルがある事を教えてくれる名作です。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-04-05 19:13:17] [修正:2010-04-05 19:13:17] [このレビューのURL]

8点 チーズカバオさん

丁寧に練られたストーリー構成の中で、少年少女にも届きやすいよう丁寧に描かれるテーマ性が素晴らしい。
作者の人格が滲み出ていると思う。
道徳的観点で言えば、寄生獣並に子供に読ませたい名作である。

惜しむらくは、アニメの完結に追われる形で半ば強引に纏められたラスト数話の展開の早さか。
アニメ版を見るからに、初期プロットではもう少し丁寧に描かれていたであろうことが予想される。
そこに至るまでが過不足無かったため、最後の駆け足的展開のバランスの悪さが本当に惜しい。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2019-11-16 05:43:22] [修正:2019-11-16 05:43:22] [このレビューのURL]

9点 白い犬さん

この作品は完結するまでレビューを書かないつもりでした。先ほど連載誌で完結したのでレビューします。
等価交換という錬金術の仕組みはシンプルであるようで画期的なものであると思っています。
ジョジョのスタンド並みの発明といっていい。
私は漫画で魔法が出てくるものが苦手でした。印を結んだり呪文を叫ぶだけで火柱が立ったり凍結したりするのが納得できなかった。
漫画だから、といえばそれまでですが虚構の世界だから求められるリアリティというものがある。
現在の少年漫画に出てくる能力モノはどうもご都合主義で、私には読めないものが多かった。(ただのババアになって感性がにぶくなっちゃっただけだろ、とツッコれたら言い返せないけどね)
錬金術は等価交換、つまりその場に材料があってそれを錬金術師が練成して物を作る、火をおこすという仕組み。これは裏を返せば材料がなければ何もできないという弱点でもある。
さらにはそういったバトルだけの要素ではなく、物語全編において等価交換の概念が主人公(とすべての登場人物)に課題を与え、悩ませ、最終回で答えを見つけ出すという構成のうまさもすばらしい。

以下ネタバレですが、主人公たちがたどり着いた、等価交換を壊すたった一つの冴えたやり方は、交換するものに、少しだけでもこちらから上乗せするというもの。
シンプルな等価交換のルールの鎖をとくのはやはりシンプルな答えだったけれど、それだけで壊れる。世界は変わる。
私は上乗せして与える人になりたい。そう思いました。

で、ここまでほめているのに9点。
あと1点は何かというと、この漫画が後世にちゃんと語り継がれるかどうか、もう若くない私には判断できないから。
メディアミックスなどで、その時代において一時バーッと売れる漫画は実はけっこうあるけれど、次の世代まで感動を受け継ぐ漫画って少ないんですよ。
つまり名作は次世代に受け継がれて完成するんです。
私は若人の君たちが、この漫画をどれくらい受け継いだか見届けた暁に1点をプラスしようかなと思っています。
・・・・って健康で事故に遭わず生きれば平均寿命まであと40年はあるんですけどね。
若人よ、三十路なんて遠いようであっという間だぞ。面白い漫画にたくさん出合えよ!  



ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-07-16 21:13:31] [修正:2010-07-16 21:13:31] [このレビューのURL]

8点 電光石火さん

 キャラ、画力、ストーリー全て秀逸。月間連載ということもあるが、ストーリーはかなり丁寧に作られていると実感する。読んでいて全く飽きず、次の展開も気になって単行本の発売が常に楽しみな漫画。

 はっきり言って、これと言って文句のつけようがないが、たまにキャラの台詞やしぐさがさぶいときがある。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-04-15 20:25:18] [修正:2008-04-15 20:25:18] [このレビューのURL]

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