ホーム > 青年漫画 > ビッグコミックスピリッツ > ルサンチマン

6.7点(レビュー数:24人)

作者花沢健吾

巻数4巻 (完結)

連載誌ビッグコミックスピリッツ:2004年~ / 小学館

更新時刻 2010-03-10 19:27:55

あらすじ 金ナシ、女ナシ、おまけにブサイク! 
三拍子そろったダメ男・坂本拓郎(30歳)が辿り着いた先は、3D美少女ゲームの仮想現実世界…!!

シェア
Check

ルサンチマンのレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全19 件

連載終了して数年になりますが仮想現実の技術開発のニュースが出るたび
未だに「『ルサンチマン』の世界に〜」という言い回しをちらほら聞きます。
4巻と比較的短いながらオタク界隈ではなかなかの印象を与えた漫画。
というのもこの作品
仮想現実で女の子とイチャイチャといういわゆる二次元オタクが
妄想しがちな理想郷をかなり詳細に描写しており
一部で非常に惹きつけられる世界設定を持っているのです。

ストーリーは実際の現実と折り合いをつけつつ仮想現実にはまっていく
主人公をめぐるハード?SFですが作品全体が上手く練りこまれていません。
開発者の存在や暴走するAI、仮想現実を支配するボスの正体など
個々の素材はなかなか素晴らしいのですが中途半端に出ては退場したりと、
非常にバタバタ詰め込まれています。
ストーリーはなんとかまとめたものの仮想現実が本物の現実を超えられるか?等々の
テーマが上手く伝わらず消化不良といった感じです。
作りようによっては傑作になっただけに非常に惜しい作品。
…でもやっぱり世界観は魅力的なのでこの点数でw

この種のコンプレックスへの葛藤をテーマにした作品は
まだまだ主張してもしきれないほどの鬱屈さとそれ求める土壌があるため
これからますます開拓されていく事とは思います。
とりあえず二次元最高!を掲げる人は通過儀礼として読んでおきましょう。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-10-15 00:09:18] [修正:2009-12-03 00:51:22] [このレビューのURL]

7点 佐々木裕健さん

「もてない男の恋愛」を近未来の世界と融合させ、今までの恋愛ものからは取りこぼされてしまったものを上手にすくい上げている。

作者の力量、経験の不足から、物語が進むにつれむちゃくちゃになってきたが、それでもこの作品で描こうとしていたこと自体が極めて今日的、それでいて誰も正面から手をつけてこなかった題材であり、未熟な状態で生まれてしまったことが惜しまれる。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-06-12 20:22:20] [修正:2007-06-12 20:22:20] [このレビューのURL]

8点 tamoriさん

初めて1巻を読んだとき、新人とは思えない漫画のレベルの高さに衝撃を受けました。
仮想現実(オンラインゲーム)で擬似的なアクションが体験できるのに加え、擬似SEXまでも可能というのは斬新でしたね。
打ち切りという話もあるようですが、個人的にはこのくらいすっきりと終わらせるのも悪くはないと思います。
次回作にも期待。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-05-14 01:21:39] [修正:2005-05-14 01:21:39] [このレビューのURL]

5点 朔太さん

表題の意味を調べてみると、”弱者が敵わない強者に対して内面に抱く、
「憤り・怨恨・憎悪・非難・嫉妬」といった感情。
そこから、”弱い自分は「善」であり、強者は「悪」だという「価値の転倒」の
こと”でニーチェの思想用語だそうです。

このルサンチンマンに焦点を合わせた着想は、大したものです。
弱者が価値の転倒を行うのは、現代社会においてメディアが弱者側のフリをして
盛んにルサンチマンをかこつけているのは承知の通りです。
貧しくて自己肯定の小さい若年層から老人まで、多くの底辺層は同じ思想に取りつかれます。
しかし、文学のテーマになりえても青年誌の読者層に共感は得られるのか、
という問題は残ります。

同じような取り組み、ライフワークを感じる作家さんに、古谷実氏、新井英樹氏
を連想させますが、花沢健吾氏には彼ら以上に下層に降り立つ思想を感じます。
抑圧どころか、あまりのコンプレックスぶりに、権力に立ち向かう気力すら無様さで、
遠くから小さな石ころを投げつける程度の反抗心を持つ階層者をイメージさせます。
前者の作家さんたち、あるいは他の作家さんたちには、権力に立ち向かう熱情を
少なくとも主人公に与えます。

これが、花沢氏の場合には、最終的に主人公にその熱情を与えるにしても、
そのきっかけは少女との小さな共感、結びつきであり、たとえ虚構にあっても
小さな自己満足が成果になります。
小市民のささやかな自己実現をそんな風に見せられても、多くの健全な読者には
そんな人種も世の中にはいるんだな、ぐらいの感想しか持てないでしょう。
様々なジャンルで表現できる漫画は素晴らしいのですが、需要も考えると疑問です。
こんな作品も有ではありますが、ご苦労様ですとしか言えません。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2025-07-12 09:14:09] [修正:2025-07-12 09:20:01] [このレビューのURL]

5点 デビルチョコさん

「あー、こうゆう事ある、ある!」っと、
男なら一度は思った事があるような心情が上手く描けている。

そういった感覚のまま読み終えてしまった。
もう少し物語に起伏が欲しかった。

絵は綺麗で、心理描写も丁寧だった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-02-28 12:34:15] [修正:2015-02-28 12:34:15] [このレビューのURL]

PR


<<前の10件
1234

ルサンチマンと同じ作者の漫画

花沢健吾の情報をもっと見る

同年代の漫画

ビッグコミックスピリッツの情報をもっと見る