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6.96点(レビュー数:50人)

作者鬼頭莫宏

巻数11巻 (完結)

連載誌月刊IKKI:2003年~ / 小学館

更新時刻 2009-11-25 06:28:37

あらすじ ぼくらの大切な地球に、異形の巨大ロボットが迫る!
迎え討つは15人の少年少女のみ! S
Fファンタジーの鬼才が贈るニュータイプ・アクションコミック。
(amazonより)

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ぼくらののレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全43 件

2点 Scroogeさん

一戦毎にパイロットの命を消費する巨大ロボットで子供たちが戦うアクション漫画。
敵はパラレルワールドの地球を代表する巨大ロボット。
こっちの地球と向こうの地球が勝負して負けた側の地球は消滅してしまう。
回避できない戦いであることだけが要点。
子供たちは自分の使命をどう考え、限られた時間をどう使うのか?
そして周りの大人たちは?というのが本作品のテーマ。

最大の問題は感情移入と状況把握のし辛さ。
1)テーマが非日常的。
2)キャラクターの行いが突飛。
3)顔の見分けがつかない。
かなり早い段階でどうでもよくなり、後は最終回を確認したいだけで読み進めた。
1)巨大ロボットで戦う。
2)毎回勝つ。
3)勝ったら死ぬ
といった単純明快なルールがなかったらどうしようもなかったろう。

最終的なメタメッセージは、自分の命は他の命の犠牲で成り立っているので、もうちょっと頑張って生きろといったもの。

1)主人公と世界の運命が同一化されている。
2)成熟を促す時間の経過や多様性の源になる空間の広がりがない。
といったセカイ系の条件に忠実な作品で、
これを受け入れられない読者には、何もかも理不尽に感じられるだろう。
スピード感を優先した為か、セカイ系作品に親しみのない読者を作中に引き込む工夫がほとんどない。

*2点は個人的に世界観が好きになれないという意味での評価。
 漫画作品としては作画は丁寧だしセリフ回しも周到で欠点が少ない。
 好きな人なら高得点を与えることも十分ある。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-11-27 20:20:28] [修正:2011-11-28 13:37:32] [このレビューのURL]

7点 そのばしのぎさん

一巻を読んで、え?ジアース?コエムシ?
これってジョージ秋山の「ザ・ムーン」のオマージュ?と思ったら、秋山先生も推薦文も寄せていたのですね。
それにしてもまたえらくマイナーな名作を引っ張りだしたものだ。
ちなみにアニメは未見です。内容変わってるみたいなので見ない方がよさそうですね。

「ザ・ムーン」は最終的に到達できなかった希望の儚さが描かれていましたが、「ぼくらの」は命と引き換えにロボットを動かす事ができる為、一戦する毎にパイロットが死亡していく事が確定されています。
地球に未来はあるかもしれないが、主人公達には生きる未来がありません。
どことなく「アルジャーノンに花束を」を彷彿させる内容です。
うん、もう少しタイトル凝って欲しかったな、そういう意味では。

大一のように家族を守る為に命を投げ出す。これは分かりやすいです。
しかしチズのように自分を辱め、殺したい程に憎んでいる相手を助ける為に
自分と自分の子供の命を投げ出さねばならなくなった場合、暴走しない人間などいるだろうか。

子供達には戦闘をしないという選択支も存在する。
もちろんその場合は地球自体が消滅する。
自分達が生きるためにパイロットに死んでくれというのは、正義ではなくエゴだろう。
実際にこのような状況になれば子供達は見殺しにされそうですが、この物語では出来た大人が多いです。

単純に15人死んでいく展開であれば途中でダレるかなと思ったが、契約者の人数が合わないという謎、コエムシ達の正体という展開があり、良い具合に消化されていた。
なかなか面白い作品ではないでしょうか。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-01-04 05:50:26] [修正:2011-01-04 05:56:52] [このレビューのURL]

8点 ジブリ好き!さん

(2010年10月更新)
自分は漫画もアニメも小説も全部おいしくいただきました。面白さは漫画=小説>アニメって感じです。結構読み返した数少ない漫画。

カタルシスってだけの終わり方ではなく、死の中にも救いを見ることができる。死を意識することで、否が応にも各自の特別な事情のある日常と決着をつけるために現実と向き合って成長していかねばならない子供たち。

確かにチズやカナのエピソードでは、泣かせようって意図も見えなくもないけど、重要なのはチズのラストエピソードとカナを通したウシロの成長。
「自分の命をかけてまでこの世界を守る価値はあるのか?」
「命懸けで得た力を、何のために使うのか?」
好き嫌いはあれど、こうしたテーマをこうも独特(鬼畜)な設定で、巧みで自然な伏線と抜群の構成力で描き上げる漫画家は、彼くらいなものです。

何故パイロットが子供なのか?
そこにはパイロットの残りの生命力に比例して強くなるという設定や鬼頭さんのロリータな趣味(笑)もあるだろうが、一番の理由は、打算で動いてしまう大人たちより、純粋に「大切なものを守りたい」と覚悟を決めて大きく成長していく子供たちの方が強くたくましいからだろう。
実際、コモ戦やウシロ戦では敵側の大人たちは自分の地球を見限っている。
精神的成長は大人以上に、子供の方が飛躍的。
戦いの前の、子供たちの「成長」のエピソードを、じっくり大切に読んでみてほしいす。


以下余談
・ナカマの話が一番好き!ナカマニア!
・11巻につくオマケ編はマニアックなギャグです(アニメ版の中の人を知らないときついものも)。
・画集は、後日談も付いてますが、ファン以外買う必要はないと思います。
・ガイドブックはストーリーに深みを持たせる話題もあるので、興味があれば是非!
・ぼくらののセルの移動の概念は、なるたるの竜の子の再生・複製の概念に匹敵。鬼頭作品は設定に一貫したリンクがあるそうです。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-12-10 19:59:19] [修正:2010-10-17 02:04:55] [このレビューのURL]

6点 パンダマンさん

 死臭がする。これは漫画なのに死臭がしてくる

 少年少女が世界を守るために使うのは命。命をつかって動かすロボットを使ったゲーム。負けは即世界の死を意味する。
 主人公達は行けども戻れども逃れられない絶対的な死がすぐそこまで待ち受けてる

 生は死が近いほど輝くが、人間が生を感じるのは死から遠ざかろうとする力。死を感じさせないほどのエネルギーにこそ生を感じる。
 だけど、これは死に向かって生きていく、生きなければならない状況に追い込まれる絶望的な話。感じられるのは生ではなくやっぱり死だった。

 この状況が受け入れるかどうかでこの漫画は変わってくると思う。正直死臭の濃さはかなりのもの。普通に読むと気持ち悪くなる人も多いかもしれない

 命を考えるにはいい作品。でも読んでも気は晴れない。そこが逆に先を読ませる原動力なのかもしれない

ナイスレビュー: 2

[投稿:2007-09-23 18:44:40] [修正:2007-09-23 18:44:40] [このレビューのURL]

6点 kazuさん

選ばれし15人の少年少女が謎の怪獣と謎の
ロボットで戦って地球を救うマンガ。

今のところ怪獣との戦闘に全て勝利しており
地球は救われている。
だが、この物語自体には救いがない。

子ども度たちは謎の男ココペリと契約を交わしてしまったため
以下のルールの中、ロボットに乗り込み戦闘を行う。

ルール?’塰未垢譴价狼紊肋談任垢襦?
ルール?⊂〕靴討皀僖ぅ蹈奪箸論鐺?終了時点で死亡する。
ルール??パイロットはランダムで選出され、次の順番になったパイロットには
    あらかじめその旨を伝えられる。

メインは、怪獣との戦いではない。

突然「死」という非日常を突きつけられた子どもたちの葛藤がこの作品の主題だ。まだ自己も定まっていない子どもたちが、数日後の死を告げられそれぞれの最後の日常を過ごす。最後まで拒否しつつも乗り込んで怪獣と戦わされる少年や死と引き換えに復讐を試みる少女などそれぞれが死に向かって取り組んで行く。

病んでる。
胸糞悪くなる。

ただ悔しいことに、良質なエンターテイメントとして作られているために胸糞悪くなりつつも先が気にったり部分部分で感動したりしてしまう。面白いんだけど、あんまり手放しには誉めたくはない。
そんな作品。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2007-07-28 13:07:07] [修正:2007-07-28 13:15:56] [このレビューのURL]

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