シガテラのレビュー
9点 電光石火さん
初レビューになります。
何がいいって、何が起こるかわからないところ。
世に出る物語のルールというか最後の砦を 割と簡単に破るあたりがすごい。 俺の今まで呼んできただいたいの話は、読み進めていくにつれてだんだんと外堀が固まってきて、こういう方向性で話が進んでいくんだろうと予想できるんだけど、彼の作品はそこにちょいちょい予想だにしない毒が混入されている感じ。
シガテラは最後まで読んだら、うわーリアル…と思うしかない。
普通の漫画だったら、主人公が浮気じみた行動を取ったらその因果で、ばれて酷い目にあったり、金蔵とか新林のあたりは大事件として描かれたりするんじゃないのか。
特に金蔵。あれは…やるか普通?
でも、あえて物語的なわざとらしい盛り上がりを避けてリアルに描くことで、現実世界で起きたら多分こんなもんなんだろう、って逆に納得させられちゃうよね。
んでもってラストですわ。
描き方としては、直接的な場面を避けて匂わせておいて、最後の最後で登場人物たちのその後を読み手に知らせる、っていうオーソドックスな感じだったけど。やはり毒を混入してましたね。
あれだけ二人の歩みを描いておいて、
ここへきて!っていうね、うん。
もう何を言っているのか分からないね。
でもあのラストがあるから作品が評価されたんでしょう。
初めて恋人ができたとき、「この人と結婚して一生一緒にいるんだ」と思い込んでいた。それは数年後には儚い思い出に変わるけど、あのときの想いや言葉に嘘はなかった。
自分のことと重ねてしまう人も多いんじゃないかな。
ナイスレビュー: 3 票
[投稿:2008-04-12 21:59:50] [修正:2008-04-13 00:22:13] [このレビューのURL]
9点 とみーさん
中盤の数々の名言、迷言はもちろん最終回が秀逸すぎます。古谷さんにしか描けない。
人生ってそんなもの。何で破局したのかなんて考えるのは野暮です。初恋の人と結婚というだけで現実でも話題になるじゃないですか。
大人になるってこういうこと。主人公荻野は自分が不幸のかたまりだといわれ傷つき、悩む。しかし、カレも大人になると気づいてしまう。俺だけじゃないと… 人類皆、他人と触れ合えば、幸せはもちろん不幸ももらってくると。そう「シガテラ」を人と接すればもらってしまうのだと。
そんなことに気づき、彼はそのような事を真剣に考えることをやめる。だから不安定じゃなくなる。そして、カレの言葉で言えば「つまらない奴」になった。
作品中、大人荻野が恋人に言った最後の言葉は「ずっと一緒にやっていこう」というものだったと思う。青春時代の「君をずっと幸せにするよ」ではないのだ。なぜらなば、彼は大人になったのだから・・・
ナイスレビュー: 3 票
[投稿:2007-07-26 00:28:44] [修正:2007-10-16 23:15:30] [このレビューのURL]
7点 パンダマンさん
シガテラっていうのは、熱帯地方の魚がもってる毒の事
もともと持ってるわけじゃなく、毒もってる海藻食って毒化しちゃうんだと思った。確か
そんな魚食うと軽い食中毒になったりする
この話は、社会人とかになってる年齢、まぁ大人なわけですがその人にとっては「過去」の話で、今青春まっさかりな人には「現在」の話です
なんて言ったらいいか、青春時代の象徴の話というのか
主人公は、まっとうに生きようとする自分の分身
話には、ショッキングな事や悪いヤツ、友達、恋人なんかいますが全部は象徴として描かれている
でもそういうの経験してないと、これは「現在」なんです
いや、まぁつまり大人の人が観ると、イィィィヤァァァと思うほど後悔した事や、失敗したこと。汚れちまったーという経験。もうフトンにくるまって忘れちまいたいけど忘れられない過去の事。そういうのが描かれているんです。もちろん恋や受験やセックスとか、モンモンとしたのもね
なんで作者がこういうの描きたかったのかわからないど、まぁこんな作品もあってもいいか
この作者にしか書けないし
ただ非常に理解されにくいと思う
主人公を見ていると滑稽で面白いのだが、自分に置き換えると笑えなくなる
ナイスレビュー: 3 票
[投稿:2006-11-30 07:13:07] [修正:2006-11-30 07:13:07] [このレビューのURL]
7点 みゅーみゅーさん
みんなそれぞれ何かを抱えて生きている。
それを自分の中に貯め込むひと、
周りの人や環境のせいにするひと、
悩みがあることにも気付いていないひと、
気付いていながら悟られまいとするひと。
誰だっていろいろある。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2014-10-22 11:50:41] [修正:2014-10-22 11:50:41] [このレビューのURL]
8点 ヒチマンさん
好きな作品です。
日常に潜む毒や災いを巧く描いていますね。
全てがドラマチックに帰結しないところがリアルです。
本人の知らないトコロで進行し降りかかろうとする災いも
偶然の積み重なりで避ける事ができれば日常は眈々と進んで行くのです。
とは言え、そんなに上手く行く事ばかりもない訳で・・・
しかしその災いを乗り越え消化して成長出来るのも青春の1ページですね。
何度も読み返しましたが、その度に嫌な気分と言うか微かな緊張すら憶えます。
またあのシーンを辿るのかと言う緊張でしょうね。
そしてその度に感動も味わえる訳ですが。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2013-09-25 16:18:40] [修正:2013-09-25 16:18:40] [このレビューのURL]
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