「shutaro」さんのページ
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最近、活字より漫画を読む方が多くなってきました。
あまり印象に残らなかった漫画や、これといって言いたい事が
ない漫画はレビューしない事にしています。というか、書けと言われても書けないですしね。

5点 20世紀少年
MONSTERでは絶妙だった浦沢氏特有の間の持たせかたや謎の残し具合が、
「やりすぎ」「残しすぎ」といった悪化の一途をたどり、それらのおかげで
ずいぶん間延びしてしまった作品。それに加え、人物や時代への
フォーカスがポンポンと飛ぶため、とても散漫な印象で置いてけぼり感を
もの凄く感じてしまう。また、物語当初からの唯一絶対の謎だった
「ともだち」の正体が、ビックリするほどでもなかったのもマイナス要因で
ある。さらに、一度「あれ?」っと思ってしまうと嫌な点が目に付くもので、
伏線の張り方もあざとく感じてしまった。人物同士が繋がりすぎてて、
「あそこで出たアイツがココにも」とかがとても多く少々白けた。
とは言え腐っても浦沢直樹、物語に引き込まれる事は確かだし、
続きが気になるのは正直なところだ。おそらくこれから収束に向かうと
思うので、結末を見てからもう一度レビューしたいと思う。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2005-11-07 20:16:44] [修正:2005-11-07 20:16:44] [このレビューのURL]
3点 最終兵器彼女
余計なモノを極力そぎ落として置かれた状況だけを与え、その中での
恋愛だけをとことんまで濃密に描くという手法は理解できるんです。
だから別に何故あんな兵器なのかとかが説明されなくても気になりません。
「おいおいあまりにも突飛過ぎないか」と思っても目を瞑りました。
しかしまったく私に合わなかったです。
恋愛に血の気が無いというか何というか・・・
とにかく終始ウゲェーといいながら読んでました。
それにAmerican418さんが書かれている通り、色恋沙汰を語る為に戦争という
題材をあまり使って欲しくは無いですね。戦争を特別視するわけではなく、
本質的に相容れないもの同士だと考えるからです。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2005-11-04 22:07:31] [修正:2005-11-04 22:07:31] [このレビューのURL]
4点 ドラゴンヘッド
「家に帰るまでが修学旅行」とはよく言うが、この漫画も家に帰るまでを
追いかけ、修学旅行の本来の趣旨どおり何かを学ぶ、その過程を描いた漫画。
恐怖へと追い込まれる演出もいいし、そこから狂気へと至る性もよく描けており、
同じく恐怖とそれに支配される人間をテーマにした「漂流教室」の正統な
後釜的傑作となるかと思いきや・・・である。
賛否両論というか否定の方が多いであろうラストにやはり問題がある。
「読者に考えさせる」系の締め方に異論はない。問題はその内容である。
終盤での文字の洪水のおかげで、本来読者が自ら考えるべき「恐怖の正体」や
「狂気に侵される人間の脆さ」といった主題がほとんど語られてしまい、
読者が想像する余地すら残らなかった。特に、あるキャラの説明的すぎるセリフの
せいで、ラストで読者が突き放された後に残るものは、本来作者しか知り得ない
「この後は?」とか「富士山噴火?の原因は?」といったストーリーの
末節部分に対する疑問しかなく、単なる破綻したサバイバル漫画に成り果てた。
読者はそこまでバカではない。セリフでクドクドと説明しなくとも、
意識下無意識下のうちにテーマを感じとり気付くのである。
そしてそこから自ら考えたどり着いた結論こそ、自らのものになるのである。
このままではテーマがはっきり伝わらないのではと考えた結果なのだろうか。
名作といわれるものは、得てして多くを語らないものであるにも関らず。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2005-11-04 21:37:34] [修正:2005-11-04 21:37:34] [このレビューのURL]
8点 MONSTER
メインとなるミステリーの周りに、上質なショートショートを
絡ませ、徐々にそれらとともに一つの着地点へと収束していく作品。
脇の人物の背景描写にいきなり飛んだりするので、やや散発的な嫌いはあるが、
それでも物語に引き込んでいくのは、その絶妙な間の持たせかたや、
そしてこれまた絶妙な謎の残し具合のおかげである。まさに絶妙。
またそういったストーリー構成の見事さもさることながら、テーマも
興味深いものであり、大人の鑑賞に堪えうる作品だと感じた。
少し時間を経てからもう一度じっくり読んでみたい漫画。
ただ、「もうひとつのMONSTER」は正直言って蛇足だった。
あんなの出すのならもう1巻くらい完結を延ばせよと。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2005-11-03 21:54:42] [修正:2005-11-03 21:54:42] [このレビューのURL]
前作「海猿」でも感じたのだが、この人は葛藤を描くのがとても上手い。
無駄を省いたピンポイントのセリフと内面描写が、過剰なまでの強烈な絵と
相まって、もの凄く濃いドラマを形成している。
主人公の苦悩もさることながら、医師対患者や医師対医師との間で
起こる価値観と価値観のぶつかり合いが大きな見所であり、さらにそこから
価値判断の根底となる人間のエゴを暴き出そうとする筆致は、時に見ていて
痛々しい程に内なる激情を揺さぶられる思いがする。
久しぶりに漫画を読んで泣いてしまった。辛い展開山盛りの「がん医療編」で、
最期の彼女なりの「死に様」とその家族なりの受け止め方を見て、「あざとい
演出だなぁ」と思いながらも文字通り涙が流れてしまった。
「BJへの冒涜だ」とか「医療考証がなってない」とか「実際の現場と
かけ離れてる」とか言ってもしかたがない。
セリフに感動しストーリーに泣いたのだからこの点数である。
一部で騒がれたが、個人的にはこのタイトルはアリだと思う。
表現や手法は違うものの、しっかり受け継いでいこうという気概を感じた。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2005-11-03 19:46:05] [修正:2005-11-03 19:46:05] [このレビューのURL]