「拙僧若輩にて」さんのページ

総レビュー数: 20レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年06月09日

 語り尽くされ過ぎて、もはや何の分析もいらない。
 
 好きな人は好き、嫌いな人は嫌い、それで良い。ちなみに私は大好き。

 好きな台詞は
「アゴの下だなポルナレフッ!死ねッ!アゴごと剃ってやるぜッ!」

 このノリは確かに人間賛歌。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-06-26 22:54:29] [修正:2011-06-26 23:57:56] [このレビューのURL]

 神マンガ、その一言に尽きる。

 内容、構成、表現力、どれをとっても申し分無く、子供から大人まで幅広く楽しませ、40の父親が小学生の息子と本気で語り合うことができる、稀有な作品であると言える。

 それが可能なのはやはり、作品全体がしっかりとした理論、設定に支えられているからだろう。

 大人になるとどうしても目ざとくなりがちで、作品に無理や矛盾があると白けてしまいがちになるが、この作品にはそういった粗がほとんど無く大人でも安心して読むことができる。

 新技一つから勝利に到るロジックまで丁寧に作り込まれ、読者に決して「それは無いわ」と思わせない、その綿密さこそがこの作品の傑作たる所以であると言える。

 また、キルアと父の約束や、勝てぬと悟りながらも会長という立場にいる責任ゆえに王に挑んだネテロなど、少年が大人の男になるために必要な「男の生き様的要素」を所々に含み、少年漫画の鑑であると私は思う。

 重度の肝硬変で先の長くない私の恩師に「せめてHUNTER×HUNTERが終わるまでは生きていたい」と言わしめた傑作。

 一人の人間に生きる目標を与えた、まさに神マンガである。

 冨樫先生には、命を削りながら待っている人がいることを知って頂き、どうか最後までやり遂げる勇気を持って頂きたいと、私は切に申し上げたい。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2011-06-09 17:37:26] [修正:2011-06-09 17:37:26] [このレビューのURL]

今の時代じゃとてもアニメ化出来ない、それくらい強烈。

ゆとりの子が読んだらおしっこ漏らしちゃうんじゃないかな。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-04-15 21:18:49] [修正:2012-04-15 21:18:49] [このレビューのURL]

「感情移入できるか」「洗練されて良くできたストーリーか」ということを基準にすれば「優」でもなく「良」でもなく「可」ですらないかもしれない。

「ガツンとくるか」「考えさせられるものがあるか」ということを基準にすれば間違いなく「抜群」

 鬼才、新井英樹の持つ力のベクトルが「人気」だとか「儲け」だとか普通ならば気になる所に寄り道することなく、ただ「伝える」という一点に集中した、そんな作品。

 面白いかどうかは保障し兼ねるも、読めば既存の価値観をぶち壊してくれることは間違い無い。

 メッセージを伝える下地に、目も当てられない程の大量殺人を選んだのには脱帽だった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-06-21 14:17:40] [修正:2011-06-21 14:46:32] [このレビューのURL]

 言わずと知れたギャグ漫画の頂点。

 連載終了後、十五年が経とうとしている今なおこの作品を越えるギャグ漫画は出ていないという、圧倒的な力を持った作品。
 
 私はこの作者については、新井英樹しかり、天才とXXXの紙一重の所に心を置く人間が突出した作品を生み出すことの典型であると捉えている。
 
 ヒメアノールなど後の作品を読めば、この作者がいかに常軌を逸した所で人間の深層を見ているかが分かり、また同時に、そんな人物だからこそ他人には決して真似できない笑いが生まれているということが分かる。
 
 思うに、人間の表現力というものはその人間の持つ感性に裏打ちされているが、この作者の感性の輪は私のような凡人のそれよりも一回りも二回りも大きく、それ故にどのように面白かったか説明はし辛いがただひたすら笑えるというギャグが多く見られる。
(この点においては松本人志に共通するものがある)

 1,2巻はバレーボーイズとあまり変わらない、ただ下品なだけで笑えない内容でありこそすれ、喉もと過ぎればなんとやらで、そこを堪えれば至上の笑いが私達を待ち受けている。
 1巻だけ読んで敬遠されている方がおられるならば是非もう一度読み直してみて頂きたい。
 
 ここからは個人的な感想で。
 
 この作品には悶絶するような笑いが多々ありましたが、その中でもイガグリ田中の「送れぇーーーーッ!!」は私にとってギャグ漫画史上屈指の名言であると思っています。これが私の「マイ稲中」です。
 あなたの「マイ稲中」はどの笑いだったでしょうか?
 浣腸ワールドカップ? 死ね死ね団? 竹田の「おっぱい」? 海での合宿? それとも……

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-06-17 05:09:53] [修正:2011-06-17 08:37:16] [このレビューのURL]

 熱さ、
 ただならぬ熱さ、
 読めば「何かしなくては」と思わされる、そんな熱さを持った作品。

「必要な物は勇気でなく覚悟、決めれば全て動きだす」
と言った小説家がいたが、この作品の登場人物達は正にそんな意志を持って生きていると思う。

 人生の転機を迎えようとしているけれども、どこか今一歩踏み出せないでいる。そんな人に是非読んでもらいたい作品。

 ただし、この作品を読んで大きな博打に出ようとしている人には全力で言っておきたい。
 
 やめとけ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
と。

 追記
 そもそも博打を打つ人間が嫌いな人にはあまりお勧めできない。読んでみて嫌悪感があったならば即刻読むのをやめて頂きたい、おそらく苦痛になるだろうから。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-06-09 11:44:03] [修正:2011-06-09 14:54:53] [このレビューのURL]

 これは面白い。

 みずしな孝之は4コマ漫画の何たるかをよく知っている。

 特筆すべきは4コマだけでなく、4コマごとの題名までフルに使って笑いを取るところ。

 例を挙げてみると

 題:正解はD

 1コマ目
 試験中、四択の答えが絞りきれない。
 ふきだし(AかCなんだよなぁ)

 2コマ目
 ふきだし(隣のヤツの答えをみてやれ)
 と隣を覗く

 3コマ目
 隣の人の解答はB

 4コマ目
 頭を抱える
 そして題名を見ると……

 といった具合。

 萌えよんが始まるより前の時代の良き四コマ漫画。萌え要素は無いがその分ネタの練り方と構成には抜きん出たものアリ。
 面白い4コマ漫画を読んでみたい方には是非にと推せる良作であります。 

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-07-01 11:36:23] [修正:2011-07-01 11:36:23] [このレビューのURL]

 ジョジョが「標準」だとすると、こちらはさしずめ「応用」「発展」といったところ。

 悲しいかな「奇妙さ」が「発展」し過ぎて、シリーズ初読者にはかなり「優しくない内容」になってしまっている。

 1.↑のようにやたらと「」が多くて煽りが半端無い。

 2.大統領のスタンド能力が、挟まれる事を条件に発動する。

 3.ページ数を使って披露する、意味の分からないジャイロのジョーク、しかもそれが各話の頭にあったりする。

 ジョジョ慣れしている私には「アリ」だったが、ジョジョ初読の友人達は全く理解が出来ず「ナシ」という結論だった。

 「ジョジョの奇妙過ぎる冒険」、これが本作品の本質である。

 シリーズ既読者なら9点、初読者なら5点、間を取って7点というところ。

 個人的に「シルシル」がドツボだったので加点1。

シルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシルシル……

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-06-26 23:46:29] [修正:2011-06-27 01:06:46] [このレビューのURL]

8点 京四郎

 チャンピオンの隠れた名作。

 吉森真也より先に母校に帰ったヤンキー京四郎の高校、中学時代の物語。

 他のヤンキー漫画と大きく違うところは喧嘩(タイマン、チーム同士の抗争)に理論が出てくるところ。

 タイマンの時は短い特攻服を着ろだとか、最初のパンチは胸を狙えだとか、元ヤンである作者の経験(友達の経験かもしれないが)からくる教えが所々出てくるのが面白い。

 登場人物たちもしっかりキャラが立っており、かつ、ヤンキーながらも礼節を知り義を重んじている所に好感が持てる。
 ヤンキー漫画によく見られる破綻した人物などはほぼ出てこない。

 絵は稚拙であるが、さすが元浜岡賢次のアシスタントだっただけあって話のまとめ方はとても上手く、甲子園編以外の所は安心して読める。
 中でも麗子を中心としたレディース絡みの話は秀逸。

 理論バトルがお好きな方、目新しいヤンキー漫画を読みたい方、これからヤンキーになる予定がおありの方には特にお奨めの一冊。

 

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-06-26 20:34:51] [修正:2011-06-26 20:40:03] [このレビューのURL]

8点 ONE PIECE

 所々(主にキャラクターの部分)に不具合が見られ、十点をつけられるほどの完成度では無いということを踏まえた上で……

 これほど点数をつけるのが難しい漫画は他に無いかと思う。

 まず第一に、この漫画の知名度があまりにも高すぎるという点。
 これだけ売れていて、読んだことも無いのにキャラの名前を知っているような漫画になると、どうしても「一体どんなもんやろ」と構えながら読み始めてしまい、意地悪感情(アンチ感情とも言う)が前に出て粗を探す読み方になりがちになる。
 そうなると、完成度においては今一つなこの作品の悪いところばかりが目に付いてしまい、素直に味わうことが出来なくなる。
 上記の理由により「売れている作品」は「非の打ち所の無い作品」であることが求められがちになり、決して「完璧さ」だけが売れる理由では無いというごく当たり前のことを私達に忘れさせる要因になっている。

 そして第二に、ジャンプの黄金期をよく知る世代が今、二十代後半から四十くらいの年齢であるという点。
 ワンピースとよく比較されるドラゴンボールをジャンプで読んだ世代ならば、その多くがドラゴンボールの方が面白かったと言うだろう。私もその一人である。
 しかし、ドラゴンボールを読んだ私は当時小学生で、当然ながら子供の感性をしていた。そして、今ワンピースを読んでいる私は大人で、当然ながら大人の感性をしている。
 少年誌が、子供の時代に読んだ方が面白いのは当たり前の話(読んで字の如く少年向けに作られているから)だから、私がドラゴンボールの方が好きなのは言わば仕方の無いことと言える。
 だからこそ、気をつけなければならないのは、私と同じような世代の人がこの作品に評価をつける時には、同じように大ヒットしていたからといっても決してドラゴンボールは比較の対象にしてはならないということ。ここを踏まえずに評価をすると総じてワンピースの評価が下がる要因になる。
 両者を比較して良いのは最近までドラゴンボールを読んだことが無かった大人であるか、今まさに現役で子供の人に限る。

 以上二つが、なかなか点数がつけにくい理由である。
 ここから先は極力間主観的な私的見解を含めて。

 まず短所
 
 1.結構な比重を占めるギャグが軒並み寒い。
 普通に笑えたのはそげキングがゾロに刀にされるところだけだった。
 
 2.見せ場に「ドン!!」が多すぎる。正直他に無いんかと思った。
 
 3.絵が雑然とし過ぎてかなり読み辛い。
 少し気を抜いてページをめくると何が起きていたのか分からなくなる時が多々ある。
 
 4.キャラ、設定が所々破綻している。
 (1)動じない性格でクールさが売りのゾロが、いつの間にか要介護状態になっている。目の前の階段が分からないのはあまりにもひどい。らしさを出したかったのだろうが、ただ格好悪いだけだった。
 (2)でんでん虫を奪われたことに気付かないクロコダイル。サンジの声で分からないのはまだ許せる。だが、喋り方で気付け。お前は普段から部下にあんな喋り方を許しているのか? ストーリーに絡む所にああいう矛盾点を残すと話が白けてしまう。
 (3)そげキングの正体に気付かないルフィ。ネタでやっている分にはベタながらもまだ許せた。タチが悪いのはノリでそのまま続け、話のかなり重要なところまで食い込んで行ってしまったこと。繰り返しになるがストーリーに絡む所で矛盾があると話が白けるからやめて欲しかった。ここで読むのをやめた人もかなりいるのではなかろうかと思う。
 ゴーイングメリー号を感動的にファイガする方法は、何もそげキングを出さずともあっただろうに、なぜこの展開を選んだのか理解に苦しんだ。

 次に長所

 1.破綻している所を除けば、キャラの心情がしっかりしている。
 村を人質に取られ現実と良心の間で葛藤を見せるナミ、土下座をしながらレストランを去るサンジ、ミホークに負けた直後のゾロ。場面場面でのキャラの心情が真っ直ぐ入ってきた。ドクターの最後のセリフ「良い人生だった」は本当にそうだったんだろうなと素直に思えた。
 
 2.要所要所をきちんと締めるルフィの主人公力。
 基本おかしげな主人公だが、要所要所はきちんと締めている。チョッパー編で攻撃された海賊旗を支えながら「ほら折れねえ」は痺れる啖呵の切り方だった。

 3.ここ一番での演出力。
 伏線がこの作者の最大のウリであろうが、中でも一編まるごと使う大伏線には他の作者の追随を許さぬ力がある。
 雪に咲いた桜や、流されたメリー号が姿を現すシーンなど、ここ一番、今がその時という所の盛り上げ方をこの作者はよく知っていると思う。
 その中でも圧巻だったのがアラバスタの最後のシーン。
 仲間を識別するための包帯が、実は包帯を取ってペケを見せるというのが正解でしたという伏線に見せかけて、最後の最後、国を出る時のシーンに使うとは恐れいった。
 振り向かず、無言で、ただ腕を突き上げただけで、どんな言葉よりも「仲間」への想いが伝わってくる、鳥肌の立つワンシーンだった。
 この演出力こそがワンピースが売れている理由、つまりワンピースの最大の魅力なのだと思う。

 そして、グレーなところ

 1.覇気の後付けについて。
 覇気という言葉を使ってから物語が大きく変わったのは確かだが、覇気の設定が後付けかというとそうでもない。結構早い段階からシャンクス達が名前を出さずに覇気らしき物を使っていたことを考えると、極力後付け設定に思われぬよう気を使った作者の努力が垣間見えるので、後付けと批判するのはいかがなものかと。

 最後に

 点数をつけるのが難しいので、このサイトの平均が6点半ばであることを基準にし、最初に述べた理由で下がっている分を考慮して7点とした。

 そして、もう一つ考慮したことがある、それは作者の意欲である。
 
 この作者は億単位で単行本が売れて、もう描かなくても一生困らない立場にある。それでも質を落とさずに続けているのは作者の熱意であると思いたい。
 多少のマンネリはあるかもしれないがそれでも、フリーザを軽く切り倒したトランクス、ラオウを倒した後のケンシロウのような異質感は無い。
 六十巻を超える長さで、且つ、ストーリー物でこれだけの質ならばむしろ上出来であると言える。
 人気のせいでやめられずに描いている作者の作品ではなく、六十巻を越えた今となってもまだ読者を楽しませようという気概を感じさせる作品であり作者であることを私は素直に褒め称えたい。

 以上により、最終的に私はワンピースを8点とした。

ナイスレビュー: 5

[投稿:2011-06-14 17:20:52] [修正:2011-06-14 17:20:52] [このレビューのURL]

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