「為亀」さんのページ

総レビュー数: 26レビュー(全て表示) 最終投稿: 2006年10月26日

個人的には出来にバラつきがある作品だと思います。
1,2ぺージで終わらせてある短編は退廃的で、その中に一筋だけ光が見えて、心地よい余韻と、ちょっとだけ物事について考えさせられる雰囲気。どこか詩的で、とても素敵だと思います。
ただ、ページを重ねていくにつれて、いろんなことを描きすぎるからなのか、想像の幅が狭まるからなのか、どこか説教くささというか、陳腐さのようなものがにじみでているように感じました。
その感じがどうしても気になって、短編集全体でみると僕の中ではあんまりいい評価ができないものになってしまいました。
ちなみに、裏表紙にも載っている「くらげ」が一番スキです。

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[投稿:2007-05-18 09:33:08] [修正:2007-05-18 09:33:08] [このレビューのURL]

欲望を肯定し、機会均等を達成する政治体制。という形を突き詰めた作品。
着眼の面白い作品だと思う。社会として欲望を肯定する。というのは確かに必要だけれど、、、
国民クイズ体制は否定するけれど資本主義を肯定する。としたとき一体どこで線を引いたらいいのか。機会の均等と言う意味で本当は国民クイズ体制のほうが優れているのではないのか。
国民クイズ体制が誤った体制で、議会制民主主義がより正しい体制だ。とは簡単にはいえないのではないでしょうか。もちろんそれは専制王政だったり、直接民主主義だったり、社会主義だったりにも言えることです。
国民クイズの中の日本は少なくとも現実の10年後の日本よりも機会均等がなされた日本かもしれません。
是非、国民クイズ体制を誤。間接民主制を正とせずに観てみてください。

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[投稿:2007-05-17 12:10:06] [修正:2007-05-17 12:10:06] [このレビューのURL]