「為亀」さんのページ

総レビュー数: 26レビュー(全て表示) 最終投稿: 2006年10月26日

[ネタバレあり]

1ページに込められた情報量がすごい漫画だとおもいます。

大抵のコマがページの1/8以下の大きさなのにそれぞれがちゃんと存在感をもっていて、それでいてテンポの悪さを感じさせない。
作中にも片鱗が見られますが作者はかなりの分析家のようですから、きっとボクシングや柔道に対してやったのと同じように漫画についてもかなり分析的に接して、高いレベルの表現力を身につけてきたのだろうと思います。

ボクシングのくだりや離人症らしき描写などをみると勉強家のようでもありますし、作中のホームレスに話しかけるシーンなどはかなりの行動力だと思います。その上、これだけ漫画の表現力があることを考えればどう考えたって作者はダメな奴なんかではありません。
潔さや、”憧れ”と”自分”との差を冷静に見つめる目など、読めば読むほど作者を褒める要因しかでてきません。ごちそうさまです。

本当に詐欺な漫画だなー、と思いながらも一番最後、P146の最後のコマの大きさと、小ささと、自然さに息を呑むしかありません。本当にごちそうさまでした。

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[投稿:2008-08-15 14:06:36] [修正:2008-08-15 14:06:36] [このレビューのURL]

作品としての深みがありすぎて、いまだこれだ!と思えるポイントに行き着けていない。
いつかそれが見つかって、言葉にできるようになったら必ず批評を書いてみたい。

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[投稿:2008-08-13 12:05:06] [修正:2008-08-13 12:05:06] [このレビューのURL]

16巻まででの感想です。

人間がいかに自分の見たい世界ばかりを見ていて、それ故にいかにわかりあえないか。ということを描いた作品なのではないかと邪推しています。

天満、播磨、沢近の三人がそれぞれの行動をそれぞれの願望にそぐわせるように解釈してすれ違っていく様をみて感じました。
この見方を崩すキャラクターに烏丸と八雲がいると思います。
天満の望んだことを取捨選別せず、そのままこなしていく烏丸は極端に世界にたいして主観や願望を交えずに接しているようにみえます。
また、唯一主観と客観を適切なバランスに保って世界と接している八雲はその適切さによって相手を理解しすぎて、悩んでしまいます。

この解釈が合っているとしたら、この二人をどう位置づけて、どう落とすのかが楽しみです。

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[投稿:2008-08-13 12:02:14] [修正:2008-08-13 12:02:14] [このレビューのURL]