「夜、テレスドン。」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年06月13日

[ネタバレあり]

「まさかヒロインが死ぬなんて・・・トラウマになった!!」

こういう書き込みを見るたびに愚痴りたくなる。
第一巻のヒロインを見てみろ。
こんな女、いくら首が取れたって

「また取れちゃった!モー、嫌ンなっちゃうワ!」

と首だけになってもペチャクチャ喋りまくるに決まってるじゃないか。
つまり「明るく活発なヒロイン」という記号でしかない。
この記号キャラが、五巻になって「死」が自分に迫ってくる瞬間
記号は人格を手に入れ、初めて人間になったのだ。
そしてその「現実」に読み手は、何かしらショックを受ける。
ヒロインが群集に犯されるシーンの迫力は凄い。
講談社コミックスでは162ページ、バラバラにされるという表現で
体のパーツがネバアっと裂けているが、ヒロインの顔が二つある。
片方は恐怖の顔。涙が一筋、悲しみ。もう片方は苦痛の表情。しかし復讐を誓うよう。
この体をバラバラにされ「死ぬ」瞬間に体と同時に精神もバラバラになる
という表現に、このページに見入ってしまった。
この復讐のほうの顔がキリっとして格好良いんだよなあ・・・
有名なラストのシーンよりも、ここが一番印象に残る。

なんだか記号キャラを否定しているようだが、そんなことはない。
私、横山光輝「魔法使いサリー」の記号ヒロインっぷりに
可愛いやチクショー!となるタイプである。

あと、五巻198、9ページのデビルマン軍団とデーモン軍団が攻めてくる
構図は、祭り神輿のようで、いつ見ても笑ってしまうのは私だけか。
和太鼓の音がドンドコドンドコ聞こえてくるじゃない。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2007-06-13 02:03:41] [修正:2007-06-13 02:03:41] [このレビューのURL]

よく比べられる、手塚のテーマ性重視のアトムに比べて、こっちはテーマ性なぞ欠片もない。
アクションにつぐアクション。怪ロボットだ、やっつけた、新たな敵がって調子で延々と続きます。面白けりゃいいんです。鉄人最高。
ジャンプのシステムの元祖は横山ですね。
ロボットが「吼える」って表現も素晴らしい。鉄人のアイディアの元がフランケンシュタインの怪物だから
「怪物は吼える」って所から来てると思いますが。
ロボットのデザインは手塚より横山のほうが遥かに上手いですね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-07-19 01:04:16] [修正:2008-07-19 01:04:16] [このレビューのURL]

安永航一郎はギャグ漫画家だ。
しかし、だからと言ってギャグで笑うのではない。
下ネタもあるが基本的には誰にでも分かりやすい質の、古めの笑いだ。
だからギャグでは笑わない。

じゃあ何が魅力かというと、その無駄なテンションの高さでしょう。
テンションが高い必要は全くない、ない。しかし
「はははははははははははは」と力強く笑うキャラたち。
その意味のないテンションの高さに、読み手は脱力する。
それは、この「は」が片仮名じゃなく平仮名であるというセンスにも表れているんじゃないだろうか。

どの安永作品を語るにしても、だいだい同じことしか言えない。
あとは下ネタの強弱ぐらいか。

あ、あと安永航一郎の女の子は可愛い。オヅマさん好きです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-07-26 16:52:17] [修正:2007-07-26 16:52:17] [このレビューのURL]

「みんな大好き丸尾末広」って感じで、その筋の人間なら誰もが知ってる基本的な漫画家。

私も高校二年生の時分に初めて「薔薇色の怪物」を読み
歪んだ性、見世物小屋、奇形、暴力、血、焦燥……などの要素が
本来相容れるはずの「情念」を排除した、感情を失ったコマで表されており(よく言われる「一枚絵」)
その映画や文学からのパロディ的な要素も含めての「コラージュ性」に心から酔っていた。

と、これは当時の話で今改めて読んでみると、また違った思いが出てくる。
若い感性では刺激が強かっただろうなあ、と冷静にページをめくる自分がいる。
そしてフト気づいたのは「丸尾末広は本気で描いていないのでは?」。

寺山修司的な要素、澁澤(「血と薔薇」とか)、映画ではカリガリ博士はじめ様々の影響。
そのあまりに露骨な「好きもん」さが、どうも引っかかる。

多分、マンガを描くときにニヤニヤ笑いながら描いているような気がする。
ファンが想像するような、例えば江戸川乱歩なら
「暗い土蔵の中で蝋燭の灯だけで作品を書いている」
という真面目な姿勢とは違うんじゃないか。(乱歩のもファンサービスだけど)。
「お前らが絶対好きそうなやつ描くから、ソラあつまれー!」みたいに思っちゃうんだよなあ。
丸尾本人は、それ系のコレクターらしいので好きなのは間違いないだろうけど。

で、コレに収録されてる「腐れオメコにDDT」を読むと納得できた。
いつもどおりの眼帯つけた学生服の美少年が出てきて
ボットン便所の中に落ちたりするのだが、描かれている内容は

最近休憩時間は女子便所で落書をしている、油性細字が最適。
絵が上手いから(星飛雄馬の模写)わざとヘタクソに描かないとバレる。
結局バレ「出て来い お前はB組の丸尾だろう わかってるんだ」
と教師にドアを叩かれ
逃げ場がないから便器の底へ落ちる。

初めて読んだときは勢いで「う〜んカッコイイ!」なんて思ったが、バカな話である。
他の作品内では自分のイメージを崇高なまでに高めておいて
それを卑下してしまうという、メタなギャグ。
ああ、やっぱりそういう感覚の人なんだなあと分かる。
更に最後のページに「正しいエロ漫画の描き方」というコマまで用意してあり

?,△泙螻┐?うまくない事?▲螢▲襪任△襪海鉢F鐡?であること
?ぅ好函璽蝓爾?なければ納得しないようなアホな読者の為に
取ってつけたようなストーリーでもちゃんとつけておく

ますます自分の描いてることがちゃんと分かってるような様子で面白い。
「良い漫画家例」で福原秀美と書いてて皮肉ってるのも楽しい。

あとまだ言いたいことがある。
よく「高畠華宵まんまの顔」と言われるが
絵の下手さ(この頃は上手いとは思えない)と合わさってか
しっかり「丸尾末広の絵」になっている。

捻くれた感想になったが、昔ほど熱狂して読めなくはなったものの
なんだかんだで、やっぱいいよなあ、とシミジミ読める丸尾マンガ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-06-21 00:07:45] [修正:2007-06-21 00:07:45] [このレビューのURL]

絵がキレイじゃなきゃ、ストーリーがなきゃ、って人は一生手に取ることはないと思いますが
80年代版つげ義春の夢漫画(パンク風味)な漫画には痺れます。
血まみれの人間がヘラヘラ笑ってたり、地平まで延びる一本道や、空を飛ぶUFOなどの蛭子テイスト。

こんな無残なもの描いてるのに本人としてはそういう意識は全く無かったってのは蛭子さんっぽいです。
単行本を多く出してますが、この初期の頃が一番濃いです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-07-20 15:33:36] [修正:2008-07-20 15:33:36] [このレビューのURL]

確実に作者が病んでるのがページから伝わってきます。
そりゃこんなテンションで漫画描いてたら休載も多くなるわな、と。
こうまで勢いだけで描いてる漫画は今時分めったにないですね。
熱血モノじゃないですが読んでるこちらは、久しぶりに興奮して燃えてきています。熱いです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-07-20 15:06:36] [修正:2008-07-20 15:06:36] [このレビューのURL]

マガジン版の頃が絵も話も神がかった勢いがあるような・・・

しかし、豪ちゃんキャラ勢ぞろいのお祭りみたいな漫画で楽しいです。
オチも嫌いじゃない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-07-20 14:54:20] [修正:2008-07-20 14:54:20] [このレビューのURL]

「夜会」はシリーズ中のベストです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-07-19 00:37:04] [修正:2008-07-19 00:37:04] [このレビューのURL]

特撮のコミカライズです。楳図かずお版ウルトラマンも異様でしたけど、これもキてます。
特撮のタロウは重い脚本が売りの初期ウルトラシリーズとは違い、多少毒のある回はあるものの
主演の篠田三郎さんのまぶしい笑顔が素敵な番組でした。(シルバー仮面では鬱々としてたなあ)
そんな楽しいテレビは全く無視して暴れる賢ちゃんも素敵です。

曰く怪獣とタロウは、ある者の意志により造られたものであり兄弟である・・・など。
加えて残虐描写、神と悪魔が云々、と自分がやりたいことをやってるだけの漫画版タロウ。いいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-07-19 00:28:27] [修正:2008-07-19 00:28:27] [このレビューのURL]

永井豪や石川賢と違いキャラクター重視の血が沸々と煮えたぎるようなマンガじゃなくて
ぶっ飛んだイメージを一枚絵で見せていくような作風。しかしそのイメージの一つ一つは正にダイナミック・プロ風味。
しかも絵が抜群に上手い、美麗な描線。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-07-19 00:13:15] [修正:2008-07-19 00:13:15] [このレビューのURL]

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