「夜、テレスドン。」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年06月13日

杉浦茂マンガの「よしなったら」などの、つい笑顔になってしまうようなセリフが溢れてます。
落語調の和やかな節回しに幸せになります。それだけです。

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[投稿:2008-07-18 23:47:55] [修正:2008-07-18 23:47:55] [このレビューのURL]

10点 魔獣戦線

復讐の鬼と化した主人公がグチャグチャのドロドロの血みどろになりながら暴れまくるだけの漫画。
大友とギーガーの影響受けて上手くなった絵も凄いけど、昔の絵も勢いがあってやっぱり凄い。
豪ちゃんのテンション高い部分だけ抽出して描いたような作風は読んでて異常に興奮します。

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[投稿:2008-07-18 23:01:06] [修正:2008-07-18 23:01:06] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

もともと永井豪よりも、ある種キレた絵を描く賢ちゃんだったけど
大友の影響を受けてからはドンドン技術が上達して更にダイナミックな画風になった。その頂点が「號」じゃないか。
まずロボットの巨大感が凄い。見開きの大迫力。漫画家の島本和彦も「ロボット漫画の教科書」と言ったほど。

「無印」〜「G」は一部を除いて子供向けだったのに対し、ここではリアルな戦闘描写がなされている。
ただ、完全なリアルさではなく大胆な「まんがの嘘」として示されてます。
悪の集団が見事に地球を侵略していくさまなんかゾクゾクする。
そしてリアルなだけで終わらず暴走するのが石川賢のいいところ。
ゲッターは一介のロボットではなく進化を促す者、即ち神として描かれます。どうにでもなれ。

ゲームやOVAで満足して漫画を買ってない人は勿体無いから早く買いなさい。

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[投稿:2008-07-18 22:46:10] [修正:2008-07-18 22:46:10] [このレビューのURL]

10点 ガラス玉

思春期の、思い起こしても恥ずかしい孤独感、閉塞感。

これを表現するのに例えば、リストカットなんかをストレートに
書いているマンガをよく見かける気がしますがなんというか……薄いですね。
「リストカット」が思春期の象徴として定型化してしまっているため
今更そんな事されても面白くもない。「ああ、またいつのもね」ってなります。

まあ、とりあえず岡田史子を、読みなさいよ。

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[投稿:2007-07-26 16:08:03] [修正:2007-07-26 16:08:03] [このレビューのURL]

もう好きで好きで、しょうがない。


詳しくは、そのうち書きます。

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[投稿:2007-06-21 00:39:33] [修正:2007-06-21 00:39:33] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

少女の精神が壊れていく様を淡々と描いた作品。
ラストも一応、少女は救われるが、あくまで淡々としている。派手な演出など一つもない。
そこに不満を感じる人も勿論いるだろうが、まあそういう人たちは
このマンガを知る機会なんてないだろうから大丈夫。

これは凄いよ。まずタイトルから、引っかかるものがある。表紙の絵も同様。
読み終えた次の日、知人に散々語ってしまった。

このマンガは「空虚」の表し方が抜群に上手い。
はじめに「淡々と進む」と書いたが、その乾いた雰囲気も「空虚」の一つだ。

線。アクがなくあっさりとしている。むしろ「頼りない」と言ったほうがいいか。
その線でキャラクターも背景も同等に描かれている。境目がない。
例えば70ページ。少女が木陰に座って少し遠くの並木を見つめている。
見つめていると遠くの木が段々と少女の顔の横に迫ってくる。
71ページになると、まるまる1ページ使って、見つめる顔と木が並べて同じ大きさで描かれる。
目は黒目の部分はあるが白い。意識がない。

精神が壊れ「現実と妄想」が混ざることを、「自分と風景」が混じることで表している。

背景。普通の少女マンガならキャラの後ろにはバラなんかが描かれるが(古い?)
このマンガでは「偏執的な線」が目立つ。
「偏執的な線」と言ったところで分かりにくいと思うので、イメージするならば
楳図かずおの「おろち」の髪の毛みたいな感じの線。

9ページ下一面の大きめのコマ。夜中、少女が悪夢に目を覚まし壁に手をついてため息をつくシーン。
真っ黒のベット、窓以外の周りの壁すべてが「偏執的な線」で埋め尽くされている。
このコマはワクがなく、どこまでもこの気持ちの悪い線が広がるようで読む側に「不安」を与える。
このワクがないことは同時に「空虚」である。
59ページの左下のコマ。普通の教室にも関わらず、天井はその
「偏執的な線」が使われている。
後ろの机に座っている人物が落書き程度の簡単な線で描かれていることも気になる。

ここのシーンで注目するところが、もう一つありそれは
少年の「横顔」である。このマンガではキャラクターが横顔になるとき、なんの脈絡もなく
目は落ち窪み、中が白くなり、口はポカンと開いて白痴のような表情をするときがある。
これは少女に限らず他の正常なキャラクターにも見える。
ここも「不安」であり「空虚」。

そして最も気に入った「空虚」は86ページ。
上のコマ、右から左まで使って一コマ。ワクあり。右端は黒で続いて少女の顔。白い。
左側全部を使った空白と一つになっている。
真ん中の段、右斜め下のコマに降りる。ワクあり。右側、黒。左、少女の白い顔。
次、本来の読み方なら左に行くべきはずだが左側にはコマがない。空白。
そのまま下、全部使った大きい一コマ。ワクなし。
右上に「おまえ」と五角形の吹き出し。振り向く少女の顔が大きく。

コマの配置、ワクの有無、空白の使い方。このページはいくら見ても飽きない。
真ん中左の空白の「本来あるべき場所に何もない」不安と
下のコマの空白の不安が繋がったときの「空虚」。

こんな凄い作品のあとに書き下ろしの「エムの解放」。
タイトルから絵柄、中身まで、ただのダジャレづくし。
倉多江美は凄い。

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[投稿:2007-06-17 00:24:26] [修正:2007-06-17 00:24:26] [このレビューのURL]

10点 SF全短篇

[ネタバレあり]

マンガマニアの嗜み、F先生の短編集。
ほとんどの作品が皮肉に満ちているが、中には結構穏やかで良い話もある。
「皮肉」という言葉を使ったが、それは国民的マンガ「ドラえもん」にも見られると思う。
F先生は「皮肉の人」である。その皮肉の人の書き上げた黒い作品群の中でも
私が一番引き付けられた作品が「絶滅の島」だ。
例えば「ミノタウロスの皿」「流血鬼」にしても「皮肉」はストーリーに練りこむ形で現れている。
ところが、この「絶滅の島」。こんなやり方があるのか!と皮肉り方に感動してしまう。

あらすじは、ある日UFOが地球にやって来る。
侵略者のモンスターたちによって人間は一方的に虐殺される。
主人公とヒロイン他、合わせて27人は「秘島ツアー」に行っていたため偶然にも生きのびる。
しかし、その島にもUFOはやって来た。応戦するものの次々と殺されていく。
そしてヒロインは逃げ遅れ侵略者に捕まる。
他に生き残った、頼りになるオジサン(名はない)と夜になるまで待ちヒロインを助けに行く。
ヒロインは生きていたものの遺体を棒に突き刺し煙でいぶしている光景を目にする。
侵略者に気づかれ、オジサンは自ら犠牲となり二人を逃がす。
しかし二人は追いつかれてしまう。もう駄目かと諦めると
突然UFOが降りてきて中からは今、襲われている侵略者と同じ形のモンスターが出てくる。
するとモンスターたちは話し合いを始める。ここで初めてモンスターに吹き出しが使われる。
吹き出しの中は、よくわからない記号のようなもの。
場面は変わって医務室で裸の主人公。襲われた際の傷は治っている。
ラスト。モンスターに見送られ、ヒロインと逢わされ島の奥へ寄せ合って歩く二人の後姿。

と、ここまでは「まあこんなもんか」ぐらいの感想しかなかった。
なかったんだけど、その最後のコマの下に、字ばかりが書かれたコマがある。
見ると「宇宙怪物語 日本語訳」と書いてある。そりゃ「え・・・?」ってなる。
もっと読んでみると

428ページ「きみたち こんな島でなにをしてる?」「別に・・・・・・ ただの離島ツアーだよ」「ごまかすな!!」「チキューケナシザルは保護獣に指定された 密猟者は逮捕する」
429ページ「すんません ケナシザルの黒焼きは 円形脱毛症に効くと聞きまして・・・・・・」「それは ただの迷信だ」 ガク

ここまで読んで、もうほんとクラクラした。日本語訳はもう少し続くけど、要は人間を絶滅しないよう保護しにきたってこと。
何から書こうか・・・。まあとにかく物凄い皮肉り方でしょ?

本編やってる間はわりと、作品に感情移入して書いてるように見える。
燻製にされている人間の死体を見つけ、主人公にはゲロを吐かせ
オジサンには「気をしっかりもて!!」「正視するにはたえん光景ではあるが・・・・・・確かめぬわけにはいかんぞ あの中にカオリ君がいるかどうか・・・・・・」
なんて、格好良い台詞を言わしたりして。

にも関わらず最後の「宇宙怪物語 日本語訳」で一気に作品の世界をドンと突き放す。
429ページの訳で「ガク」ってのあるけど、これって
うな垂れたモンスターの上のほうに書いてある記号の訳になる。つまり「擬音まで怪物語で書く」ってこだわる程ストーリーに何の思い入れもないということなんだよ。

だから私がこれを読んでいて、さして心に来るものがなかったのは
作者自身がストーリーに対してドライな視線で書いていたからに他ならない。
一番書きたかったのは最後の訳なんだもの。

「ガク」とガッカリする後姿のモンスターの頭に白い丸があって。ただのハゲなんだよな。
「すんません」っ言葉遣いも人間くささの表し方が上手い。

名前のないオジサンは頼りになる存在として描かれてはいるが、こんな危機的状況じゃあなけりゃ
ただの冴えない顔した、つまらないオッサンでしかないデザインで
作中「フフ・・・・・・皮肉なもんだねえ」っていう台詞を言わせるF先生の悪意に痺れる。

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[投稿:2007-06-15 01:35:12] [修正:2007-06-15 01:35:12] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

「まさかヒロインが死ぬなんて・・・トラウマになった!!」

こういう書き込みを見るたびに愚痴りたくなる。
第一巻のヒロインを見てみろ。
こんな女、いくら首が取れたって

「また取れちゃった!モー、嫌ンなっちゃうワ!」

と首だけになってもペチャクチャ喋りまくるに決まってるじゃないか。
つまり「明るく活発なヒロイン」という記号でしかない。
この記号キャラが、五巻になって「死」が自分に迫ってくる瞬間
記号は人格を手に入れ、初めて人間になったのだ。
そしてその「現実」に読み手は、何かしらショックを受ける。
ヒロインが群集に犯されるシーンの迫力は凄い。
講談社コミックスでは162ページ、バラバラにされるという表現で
体のパーツがネバアっと裂けているが、ヒロインの顔が二つある。
片方は恐怖の顔。涙が一筋、悲しみ。もう片方は苦痛の表情。しかし復讐を誓うよう。
この体をバラバラにされ「死ぬ」瞬間に体と同時に精神もバラバラになる
という表現に、このページに見入ってしまった。
この復讐のほうの顔がキリっとして格好良いんだよなあ・・・
有名なラストのシーンよりも、ここが一番印象に残る。

なんだか記号キャラを否定しているようだが、そんなことはない。
私、横山光輝「魔法使いサリー」の記号ヒロインっぷりに
可愛いやチクショー!となるタイプである。

あと、五巻198、9ページのデビルマン軍団とデーモン軍団が攻めてくる
構図は、祭り神輿のようで、いつ見ても笑ってしまうのは私だけか。
和太鼓の音がドンドコドンドコ聞こえてくるじゃない。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2007-06-13 02:03:41] [修正:2007-06-13 02:03:41] [このレビューのURL]

絵がキレイじゃなきゃ、ストーリーがなきゃ、って人は一生手に取ることはないと思いますが
80年代版つげ義春の夢漫画(パンク風味)な漫画には痺れます。
血まみれの人間がヘラヘラ笑ってたり、地平まで延びる一本道や、空を飛ぶUFOなどの蛭子テイスト。

こんな無残なもの描いてるのに本人としてはそういう意識は全く無かったってのは蛭子さんっぽいです。
単行本を多く出してますが、この初期の頃が一番濃いです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-07-20 15:33:36] [修正:2008-07-20 15:33:36] [このレビューのURL]

マガジン版の頃が絵も話も神がかった勢いがあるような・・・

しかし、豪ちゃんキャラ勢ぞろいのお祭りみたいな漫画で楽しいです。
オチも嫌いじゃない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-07-20 14:54:20] [修正:2008-07-20 14:54:20] [このレビューのURL]

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